2024年は「辰年」。 十二支の中で唯一、空想の生き物である龍(辰)は、天に昇る様子から、中国では古来より成功や発展の象徴として、縁起がよいとされています。日本でも龍神様が祀られているなど、龍にまつわる神社が多く存在します。今回は全国の龍にまつわる神社から、10カ所をご紹介。2024年の初詣は、龍の神社にお参りしてみてはいかがでしょうか?

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文=JBpress autograph編集部

秩父今宮神社(埼玉県)

境内には龍の名が付く大木や池も

 八大龍王神を祀ることから「八大龍王宮」とも呼ばれる秩父今宮(ちちぶいまみや)神社。境内には、龍神様の仮の姿である、霊泉が湧き出る「龍神池」があります。

 また、境内のほぼ中央にある大きなけやきの古木「龍神木」は、この地に祀られる龍神様の住み処とされ、多くの信仰を集めています。他にも清龍の滝や龍上観音など、神社内には龍の名の付く場所がたくさんあります。

 

田無神社(東京都)

五龍神をモチーフにしたおみくじ

 鎌倉時代に創建された田無(たなし)神社。中心の本殿は金龍神、東方は青龍神、南方は赤龍神、西方は白龍神、北方は黒龍神と、五行思想にもとづいて「五龍神」が祀られ、5つの龍が願いをかなえるパワースポットとして多くの参拝客が訪れています。

 陶器でできた5色の新五龍神みくじや、五龍神それぞれの色のお守りなど、龍にちなんだ授与品も人気です。

江島神社(神奈川県)

五頭龍伝説が伝わる江ノ島にある神社

 天女と五頭龍の伝説が伝わる江ノ島にある江島神社。「辺津宮(へつみや)」「中津宮(なかつみや)」「奥津宮(おくつみや)」の3社からなり、日本三大弁財天を奉っています。

 奥津宮の隣には、御祭神が龍宮大神の「龍宮(わだつみのみや)」があります。縁結びや恋愛成就のご利益でも知られ、人気スポットとなっています。

江ノ島にある日本三大弁才天「江島神社」三社からなる神社の神様とご利益は?

 

箱根神社(神奈川県)

駅伝でもおなじみ、龍神水は持ち帰り化

 金運守護や商売繁盛、最近では縁結びの神社として人気のある箱根神社。境内には、湖の神である九頭龍大神を祀る「九頭龍(くずりゅう)神社新宮」などが建っています。

 新宮前の9つの龍からは霊水「龍神水」が流れ出ていて、口をすすぐと不浄が洗い清められるといわれています。お札所ではお水取り用の専用ボトルを有料で授与しているので、龍神水を持ち帰ることも可能です。

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髙龍神社(新潟県)

商売繁盛のご利益で知られる山奥の神社

 商売繁盛の神様として参拝者が絶えない髙龍神社。118段の石段を登りきると境内が現れます。

 社殿建立は大正時代ですが、信仰の歴史は古く、今から約630年前に遡ります。言い伝えによると、楠木正成の家臣が山中で道に迷い、戦で負った傷の痛みで苦しんでいるとき現れた龍神に助けられたことか。 この地域の人々は何百年もの間、この髙龍大神を信仰してきたのだそうです。

 

戸隠神社(長野県)

水、豊作の神として信仰される九頭龍大神

 2000年あまりの歴史を刻む戸隠神社。九頭龍社(くずりゅうしゃ)や奥社、中社、宝光社(ほうこうしゃ)、火之御子社(ひのみこしゃ)といった五社からなっています。

 なかでも九頭龍社は、五社の中で最も古い地主神で、水や豊作の大神である九頭龍大神を祀り、全国から雨乞いや雪乞いの祈祷に多くの人が訪れるスポットです。

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竹生島神社(滋賀県) 

琵琶湖の北部に位置する神社

 琵琶湖の北部に位置する竹生島にある竹生島神社。龍神や、湖水を支配するとされる浅井比売命(あざいひめのみこと)などが祀られ、湖底から現れた龍が登るというご神木もあります。

 境内にある竜神拝所では土器(かわらけ)に願い事を書いて投げる「かわらけ投げ」ができ、投げたかわらけが湖面に突き出た鳥居をくぐると願い事がかなうといわれています。

12月1日3月2日(正月三が日除く)までの間、社頭は閉まっておりますのでご注意ください。

 

貴船神社(京都府)

水神様の総本宮、日本三大龍穴のひとつ

 全国に約2000社あるといわれている水神様の総本宮である貴船神社。本宮、結社、奥宮の三社それぞれに神様が祀られ、主祭神は高龗神(たかおかみのかみ)と呼ばれる龍神様が祀られています。

 この神社は日本三大龍穴のひとつとされ、奥宮の本殿の真下には巨大な「龍穴」という大地のエネルギーが噴き出すパワースポットがあると伝えられています。

丹生川上神社(奈良県)

日本最古の龍神を祀る神社

 奈良の深吉野に鎮座する、丹生川上(にうかわかみ)神社。日本最古の水神にして龍神様が祀られており、上社、中社、下社を参拝する三社めぐりが人気です。

 祭神・罔象女神(みづはのめのかみ)を祀る中社にある「龍神の瀧」は、自分の願いごとを託した龍玉を投げ入れるとご利益が授かるといわれるスポットです。龍玉は拝殿で受けられます。

 

鵜戸神社(宮崎県)

5000年前の龍神信仰の痕跡が

 天照大神を祀る古社で、天孫・瓊瓊杵尊(ニニギノミコト)が降臨した地として有名な、大御神社の摂社、鵜戸神社。神社は「龍宮」ともいわれ、境内の洞窟に入り、奥から入り口を振り返ると、岩の隙間が天に昇る龍の形のように見えるのです。

 これは5000年前の古代遺跡で、人工的であることから、龍神信仰の痕跡ともいわれています。

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写真=フォトライブラリー