阿部監督は来季、どんなチームを作り上げるだろうか(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext

 昨シーズンオフから今季にかけての補強はうまくいったのか? 12球団、各チーム別で見ていきたい。今回は巨人編だ。

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 まずはドラフト4位で入団した門脇誠の大ブレークに触れたい。ルーキーイヤーの今季は開幕から一軍にフル帯同。内野の複数ポジションを守れるユーティリティー性と、原辰徳前監督をして「ストロング門脇」と言わしめる身体の強さを武器に、出場機会を獲得。夏場からは遊撃のレギュラーをつかみ、序盤振るわなかった打撃面でも後半戦の打率は.320と、プロの環境に適応した。来季は阿部慎之助新監督のもとでも遊撃起用が明言されており、背番号も「35」から「5」に昇格。さらなる飛躍が期待される。

 阪神との競合で獲得したドラ1・浅野翔吾も1年目から一軍でプレー8月18日の広島戦では森翔平からプロ初アーチを放った。最終的には24試合出場で打率.250、1本塁打と、上々のデビューイヤーに。来季はセンターのポジション争いに参戦しそうだ。

 C.C.メルセデスグレゴリー・ポランコロッテに移り、ゼラス・ウィーラーが打撃コーディネーター転身と、巨人の外国人は大きな入れ替えを行うことになった。その中で残留を勝ち取ったのは3人のサウスポーフォスター・グリフィン、ヨアンデル・メンデス、そしてアルベルト・バルドナードだ。特にグリフィンは開幕から安定した投球を続け、20試合登板、防御率2.75をマーク。球団も欠かせない戦力として評価しており、新たに複数年契約を結んだ模様だ。

 一方で、開幕投手を務めたタイラー・ビーディ、抑え候補として期待されたヨアン・ロペス外野手ルイス・ブリンソンは1年で巨人のユニフォームを脱ぐことになった。とりわけ、ブリンソンは中堅のレギュラーとして期待されるも攻守で粗いプレーが目立ち、度重なるボーンヘッドも相まって退団へ。意外性のある打撃は目を見張るものがあったものの、残留にはつながらなかった。

 2010年代の巨人を支えた長野久義の復帰、「熱男」松田宣浩の入団も話題を呼んだ。長野は75試合に出場し、打率.259、6本塁打。来季はチーム最年長となる。松田はわずか12試合出場に終わり、18年間の現役生活にピリオドを打った。

 現役ドラフトでは楽天からオコエ瑠偉を獲得。かつて甲子園を沸かせた元ドラ1は開幕スタメンを勝ち取り、シーズン序盤は1番打者として出場。その後は出番が減ったものの、通算では41試合で打率.235、2本塁打と近年ではまずまずの数字を記録した。

 シーズン途中でのトレードは2件あり、いずれも野手を放出してリリーフ投手を獲得するもの。廣岡大志との交換でやってきた鈴木康平オリックス時代の登録名はK-鈴木)は、移籍後33試合に投げて13ホールドをマーク。防御率は6点台と乱調気味であったが、150キロ台の直球を武器に勝ちパターンに名乗りを上げたい。

 前述の通り、阿部新監督の就任で大きな改革が行われそうな巨人。門脇や浅野といった若手の登用に期待しつつ、来季は4年ぶりの覇権奪還なるかにも注目だ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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