プレミアリーグ第20節が31日に行われ、フルアムとアーセナルが対戦した。

 ここまで12勝3敗4分で2位につけているアーセナル。前節のウェストハム戦では、リーグ戦3試合ぶりの敗戦を喫して首位から陥落し、やや不安が残るなかでフルアムとの“ロンドンダービー”を迎えることに。先発にはイングランド代表MFデクラン・ライスイングランド代表FWブカヨ・サカなどを起用し、サブには負傷明けの日本代表DF冨安健洋が名を連ねた。

 試合は、開始早々の5分にアウェイのアーセナルがスコアを動かす。相手のシュートをキャッチしたGKダビド・ラヤが素早くスローイングでパスを繋ぐと、アーセナルが勢いのあるカウンターを仕掛ける。ハーフライン付近でボールを持ったガブリエウ・マルティネッリがドリブルで左サイドを駆け上がり、ボックス内に侵入してカットインから右足を振り抜く。シュートは相手GKに弾かれたものの、こぼれ球をサカが押し込み、アーセナルが先制に成功した。

 対するホームのフルアムも、28分に中盤でボールを奪取したジョアン・パリーニャが、左のウイングを務めるウィリアンにパスを繋ぐ。内側のスペースを駆け上がってきたトム・ケアニーにパスを送ると、ケアニーがそのままダイレクトでゴール前にクロスを供給。大外で待ち受けていたラウル・ヒメネスが、確実にネットを揺らして貴重な同点弾をマークした。

 1-1で迎えた後半頭から、アーセナルは冨安を投入。ヤクブ・キヴィオルに代わって左サイドバックを務めることとなった。しかし、再びネットを揺らしたのはフルアムだった。59分に右サイドでコーナーキックを獲得すると、キッカーを務めるウィリアンはファーサイドへのクロスを選択。競り勝ったパリーニャが頭で合わせたボールは、ライス、ガブリエウ・マガリャンイス、冨安と3人のアーセナルの選手に当たり、いち早く反応したボビー・リードが押し込んで、フルアムが逆転する。

 追いつきたいアーセナルは、67分にガブリエウ・ジェズスとレアンドロ・トロサールを投入し、システムを3-1-4-2に変更。冨安は3枚のセンターバックの一角にポジションを移した。しかし、ポゼッションでフルアムを押し込むものの、なかなか堅いブロックを攻略するには至らず、目立ったチャンスを作れない時間が続く。

 一方のフルアムは、86分にスルーパスからDFラインを突破したハリーウィルソンがボックス際で倒されフリーキックを獲得。パリーニャが右足で直接狙ったシュートは、壁上を通過してクロスバーに直撃し、惜しくも得点には至らなかった。

 その後は、互いにゴールに迫る場面も少なく、2-1で試合は終了。勝てば暫定首位で年越しを迎えるアーセナルだったが、悔しい逆転負けで2023年を終えることとなった。次節、フルアムは2つのカップ戦を挟んで、来月13日にアウェイでチェルシーと対戦。アーセナルはFAカップのリヴァプール戦を挟んで、来月20日にホームでクリスタル・パレスと対戦する。

【スコア】
フルアム 1-2 アーセナル

【得点者】
0-1 5分 ブカヨ・サカアーセナル
1-1 29分 ラウル・ヒメネス(フルアム)
2-1 59分 ボビー・リード(フルアム)

ウィリアン(左)とマッチアップする冨安健洋(右)[写真]=Getty Images