●年明けにすする「年明けうどん」が静かなブームとの噂。今回は、うどんをこよなく愛するライターが、スーパーで買えるオススメの乾麺うどんとカップうどんを計6種類ご紹介します。

 大晦日にすするものと言えば「年越しそば」と相場が決まっています。しかし、一部の地域ではそばの変わりに「年越しうどん」を食べる風習があるほか、“うどんは運を運ぶ”という謂(いわ)れもあるため、新年の始まりに食べる「年明けうどん」も静かなブームになりつつあります。

 この、年明けうどん、香川県の「さぬきうどん振興協議会」が2009年頃に提唱を始めた文化。1月1日から1月15日にかけて紅い具材を添えたうどんを食べて、1年の幸せを祈ろう、というものです。

 確かに、うどんはいつ食べても美味しい。ただ、年末年始の慌ただしいときに、うどんの準備に手間をかけたくない人も多いハズ。そこで活用したいのが、「乾麺うどん」と「カップうどん」です。最近では味のバリエーションも増え、非常にクオリティが上がっています。

 そこで今回は、うどん大好きな筆者が、スーパーで買えるおすすめの乾麺うどん&カップうどんを3つずつご紹介します。まずは乾麺うどんから!

【乾麺うどん1】コシとツルツル食感が最高の「国産芳純讃岐うどん」

石丸製麺「国産芳純讃岐うどん」(320円)
石丸製麺「国産芳純讃岐うどん」(320円)

 まずは1904(明治37)年創業、うどん県として有名な香川県の老舗企業・石丸製麺がつくる「国産芳純 讃岐うどん」を試食。口に含んだ瞬間のファーストインプレッションは、モチッとした生麺のようなフレッシュな食感。コシが強く、食べ応えは十分。

 食べ進むと、やや尖った塩味と小麦の風味が合わさり、骨太な味わいに変化。食べ終えると体が温まり、パワーがわいてくる。そんなうどんです。つゆは付いていないので、だし醤油をかけたり、釜揚げうどんにして楽しむのも美味しいと思います。

【乾麺うどん2】小麦の風味が香る「長崎五島手延べうどん」

長崎五島うどん「長崎五島手延べうどん」507円
長崎五島うどん「長崎五島手延べうどん」507円

 かつては幻のうどんと呼ばれた長崎県の「五島うどん」。遣唐使の時代に長崎の五島列島に伝わったと言われています。近年ではその知名度も上がり、関東圏のスーパーでも気軽に購入できるようになりました。

「長崎五島手延べうどん」は、ツルツルとしたなめらかさが特徴です。細麺のため、すすった時の舌触りがとても気持ちいい。また、小麦の風味も非常に強く、すすっていると口内に旨味がどんどん蓄積されます。気づいた時には丼は空っぽ、残るのは幸福感のみ。すすり心地も食べ心地も最高のうどんです。

 なお、五島では大鍋で茹でたうどんをそのまま食卓に出して、家族や仲間たちと一緒にそれぞれの箸でうどんを取り、あごだし(トビウオダシ)のつゆや生卵につけて食べるそうです。

【乾麺うどん3】百面相のような複雑な旨さが魅力の「氷見うどん」

海津屋「氷見うどん(細麺)」640円
海津屋「氷見うどん(細麺)」640円

 富山県のご当地うどんである「氷見うどん」。五島うどんと同じく、綿生地を引き延ばしてつくる「手延べ」が特徴です。太さが選べるのですが、今回買ったのは「細麺」。温かいうどんを食べるときも、一度冷水で〆るのが美味しさのキモ。

 見た目は博多ラーメンのようで、ツルツルしているのにコシもあるという、独特な食感のうどんです。食感の良い意味でのアンバランスさが面白い&美味しくて、箸が止められなくなるんですよね。しかも、小麦の味が上品。百面相のように複雑な味わいを備えたうどんです。普通のうどんでは満足できないうどん上級者におすすめです。

「カップうどん」のクオリティもスゴい! オススメ3選

上から時計回りに大黒食品「きつねうどん」、日清「最強どん兵衛 きつねうどん」、マルちゃん「紅生姜天入り牛肉うどん」
上から時計回りに大黒食品「きつねうどん」、日清「最強どん兵衛 きつねうどん」、マルちゃん紅生姜天入り牛肉うどん」

 年末年始の慌ただしいときに、うどんを茹でる時間などない! あるいは年始は旅行に行くから家の台所が使えない、なんて人もいるでしょう。そんな人には、カップうどんがオススメです。

【カップうどん1】“年明けうどん”が5分で完成する「紅生姜天入り牛肉うどん」

マルちゃん「紅生姜天入り牛肉うどん」255円
マルちゃん紅生姜天入り牛肉うどん」255円

 前述の通り、年明けうどんの構成要素はうどん+紅い具材です。その点、「紅生姜天入り牛肉うどん」は完璧です。最初から紅生姜が入っているため、お湯を注ぐだけで年明けうどんが完成します。

 しかもこれ、香りが最高なんです。お湯を入れて5分後に蓋をはがすと、ダシと生姜の何とも言えない馥郁たる香りが立ち上るのです。食べる前のテンションは最高潮。さらに、ひと口サイズの牛肉のほどよい甘さもアクセントとして絶妙。具材が豊富で食べ応えのあるカップうどんです。

【カップうどん2】まさに最強。分厚いお揚げが嬉しい「最強どん兵衛 きつねうどん」

日清「最強どん兵衛 きつねうどん」302円
日清「最強どん兵衛 きつねうどん302

 カップうどんとしてのクオリティが段違いに高いのが、「最強どん兵衛 きつねうどん」。CMで見かけることも多いですよね。カマボコが入っているため、年明けうどんの条件も満たしています。

 うどんの表面が凸凹しており、手打ちの田舎うどんのような新鮮さと食べ応えがあります。つゆには6種類のダシが使われており、文句なくウマい。そして特筆すべきは、何と言っても分厚いお揚げです。前歯を入れるとジュワッとダシが染み出す弾力。感動すら覚える食感と味わいです。もし迷ったらこれ一択。“最強”の名に恥じないおいしさです。

【カップうどん3】優しいつゆと具材の優秀さが光る「きつねうどん」

大黒食品「きつねうどん」128円
大黒食品「きつねうどん」128円

 カップうどんとしてのトータルバランスが優れているのが、大黒食品の「きつねうどん」。昆布出汁をベースにしたつゆを塩味でまとめ上げており、さらにカマボコわかめ・お揚げが入っています。あっさり&すっきりしているので、濃い味が苦手な人にもおすすめ。食べていて、どこかホッと安心できるカップうどんです。

まとめ

(食楽web)
(食楽web)

 筆者は普段からうどんをよく食べるのですが、こうして複数のうどんを並べて一気に試食すると、その進化ぶりに改めて驚かされました。

 スーパーで販売されている乾麺のうどんは、おしなべてレベルが高いです。特にご当地うどん系はどれも個性的で美味しく、食べると特別感を味わえます。もし迷ったら定番の讃岐うどん。ちょっと冒険したい方は、五島うどんや氷見うどんがおすすめです。

 一方、カップうどんはどうだったかといえば、つゆと麺はどのメーカーも過不足なく美味しいです。ただし、総合的に見ると、ダントツで「最強どん兵衛 きつねうどん」がウマかった! 年越しor年明けにうどんを食べて、新年の運をガッツリつかみましょう!

(取材・文◎中たんぺい)

左から、石丸製麺「国産芳純讃岐うどん」、長崎五島うどん「長崎五島手延べうどん」、海津屋「氷見うどん(細麺)」 | 食楽web