5億円オーバー! フェラーリ「デイトナ スパイダー」で最も高額を記録したのはヘーゼルナッツメタリックでした

落札価格はデイトナ スパイダーとして史上最高額

史上最高額となる1610万2850ユーロ(邦貨換算約26億2476万円)、そして88%の落札率を記録したミュンヘンオークション(2023年11月25日開催)は、RMサザビーズにとって記録的な、そして2023年のヨーロッパにおけるオークション・カレンダーを締めくくる素晴らしいイベントとなった。

ファクトリーで作られたのは121台のみ

その中で最高額で落札されたのは、じつに309万8750ユーロ(同5億510万円)にまでユーロ入札価格が高騰した、1973年式のフェラーリ365GTS/4」、通称「デイトナ スパイダー」である。フェラーリ屈指のオープンV型12気筒グランドツアラーとして知られている。

フェラーリ・クラシケの調べによれば、新車時のカラー・コンビネーションはノッチョーラ・メタリザートのボディカラーに、ペレ・ベージュの内装色という美しさとラグジュアリー性を兼ね備えたもの。

途中そのボディカラーは別の色に塗り替えられたというが、2014年カロッツェリア・ザナシによってオリジナルカラーに戻された。フレームナンバー、エンジンナンバー、トランスミッションナンバーが新車時とマッチしていることも、フェラーリ・クラシケによって証明済みだ。

デイトナ スパイダーのメカニズムは、基本的にはクーペのデイトナ、すなわち365GTB/4と変わらない。鋼管スペースフレームの上に、ピニンファリーナのレオナルド・フィオラバンティを中心とするチームがデザインしたボディが組み合わされ、フロントには4.4Lの排気量を持つV型12気筒エンジンが352psの最高出力で搭載されていた。組み合わせる5速MTはデファレンシャルとともにリアに配置されるトランスアクスル方式。それによって最適な重量配分を得ることにも成功していたのである。

フェラーリ・クラシケから発行されたレッドブックによると、このデイトナ スパイダーのシャシー・ナンバーは「16689」で、ファーストカスタマーへの納車は1973年8月。またデイトナスパイダーフェラーリのファクトリーではわずかに121台しか生産されなかったモデルで、今回出品されたモデルは、そのうち82番目に生産されたものであるという。

ミュンヘンオークション2023に出品されたフェラーリ「365 GTS/4デイトナ スパイダー」は、いくらで落札された?

ちなみにフェラーリは、このデイトナ スパイダーに代わる後継車を、オフィシャルにはデビューさせておらず、2000年の550バルケッタ・ピニンファリーナまで待たなければならない。

新車時のコンディションを取り戻したデイトナ スパイダー

1990年代初頭、このデイトナスパイダーは2人のドイツ人の手を渡り、そのうちのひとりがフルレストアを依頼した。そして1994年、この個体は有名なコレクターであるウルフツヴァイラー博士によって購入され、彼は17年間にわたってさまざまなイベントに、このデイトナ スパイダーとともに参加した後、今回の出品者にそれを譲ったという。

2014年に行われたフルレストアで、完全に新車時のコンディションを取り戻したデイトナ スパイダーは、2016年にクラシケのレッドブック認定を受け、今後も世界中のコンクールフェラーリ・イベントに参加することになるのだろう。ちなみに最初に触れた309万8750ユーロという落札価格は、デイトナ スパイダーで成立したオークション価格としては史上最高額となるものだ。

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309万8750ユーロ(邦貨換算約5億510万円)で落札されたフェラーリ「365 GTS/4デイトナ スパイダー」(C)Courtesy of RM Sotheby's