会心の勝利を飾った井岡。エストラーダとの対戦を熱望している(C)Getty Images

 12月31日大田区総合体育館で行われた、プロボクシングWBA世界スーパーフライ級タイトルマッチで、王者の井岡一翔(志成)が挑戦者の同級6位ホスベル・ペレスベネズエラ)を7回2分44秒、KOで下し初防衛に成功した。井岡は3度ダウンを奪い、公約通りのKO勝利で大晦日を飾った。

 初回から両者が積極的にパンチを繰り出す攻防となる中、井岡は顔面やボディを的確に狙う。2ラウンド以降も前に出るペレスに対し、井岡も真っ向から殴り合い手数を緩めず、一進一退の攻防が繰り広げられる。

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 しかし、3回に打ち合いから井岡の左ボディがヒットすると、一気に形勢が王者に傾く。井岡は5回にカウンターから顔面への右の強打や、ラッシュを仕掛けるなどでダメージを与え、この回に2度ダウンを奪う。

 その後も井岡がプレッシャーをかけ続ける展開となり、7回、ロープを背負ったペレスの顔面をまたも右ストレートがクリーンヒット。ペレスは崩れたまま10カウントを聞くこととなり、試合終了のゴングが打ち鳴らされた。

 激しい接近戦も繰り広げられたが最後は井岡が相手をねじ伏せ、大晦日での勝利を手にした。そして、井岡が王者としての強さをみせたこの一戦は海外でも報じられている。米格闘技メディア『NotiFight』では「日本のカズト・イオカがベネズエラの挑戦者ホスベル・ペレスに圧勝し、今年を締めくくった」と試合結果をレポートした。

 同メディアは「伝統の大晦日カードで、4度の世界チャンピオンに輝いたイオカは、ペレスを3度、マットに沈めるなど明らかに圧倒した。素晴らしいパフォーマンスをみせた」と評しながら、「34歳のイオカは序盤からいつも以上にアグレッシブで、ベネズエラ人に多くのダメージを与えた」と戦いぶりの印象を綴っている。

 また、「運命の第7ラウンド、イオカは再び上下への攻撃を仕掛け、最後は美しい右を決めてペレスをグラウンドに追いやった」とフィニッシュシーンを振り返った。

 井岡は試合後のインタビューで、挑戦者の強さを認めながら「最後まで戦う闘志をみせたいと思っていた」と自身の心境を明かしていた。まさに、王者の強い気持ちが相手を凌駕し、3年振りのKO勝利を手繰り寄せることとなった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「明らかに圧倒した」井岡一翔、3年ぶりのKO勝利を海外メディアも絶賛「いつも以上にアグレッシブだった」