コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、原作・川上大和さん、作画・タイジュンさんの漫画「イカれた女が普通の女を目指す話」だ。

【漫画】本来の自分を偽る“偽物訓練”で変わっていく主人公が「何回読んでも面白い」「ドラマ化してほしい」と話題に

作画を手掛けるタイジュンさんが12月6日にX(旧Twitter)に本作を投稿したところ、5.6万件を超える「いいね」が寄せられ、Twitter上では「何回読んでも面白い」「阿武ちゃんぶっ飛んでて最高」「ホラーかと思ったらかなりコメディな部分もある」「クセになる…」「ドラマ化してほしい」などの反響の声が多数寄せられている。この記事では川上さん、タイジュンさんのおふたりにインタビューを行い、創作の背景やこだわりについてを語ってもらった。

■【漫画】「イカれた女が普通の女を目指す話」ストーリー

ぶっきらぼうで思った事をすぐ口に出し、人の事を全く考えない阿武英子。彼女は一言でまとめると空っぽ人間だった。そんな阿武の事が気になった相田一香は、彼女に話かけて以来、つるむようになる。

しかし就職し、だんだんと阿武と相田は疎遠に。そんなある日、相田の元に阿武から一本の電話が。久々に会うと「就職先がクビになったから仕事を紹介してほしい」とのこと。今のままでの阿武では、自分の会社を紹介することはできないと思った相田は、阿武の欠落している感情を正すため、“阿武ちゃんの偽物訓練”を開始。

「普通」に溶け込むがなによりも苦手な阿武に、基本の笑顔の訓練から始めた。勤勉である阿武はそこからどんどん「普通」の人に溶け込んでいった。そして、ついに相田の会社に入社し、昔の阿武ちゃんは偽物となったのだった。

普通の女として生きることに慣れ始めた阿武。ある夜、電話で母と会話していると、「普通」の人は結婚をするものだと伝えられる。ネットで結婚平均年齢を検索すると、ちょうど今の阿武の年齢が画面に映し出される。「普通の女」として生きていきたい阿武はこの母との会話が忘れられず…。

■原作・川上大和さん、作画・タイジュンさんインタビュー

――原作を担当されている川上大和さんにお尋ねします。「イカれた女が普通の女を目指

す話」は、どのようにして生まれた作品ですか?

川上大和さん:変わり者の友人が彼女と同棲すると聞いたことから、変な人同士が同棲したら面白そうと思い始めました。

――続いてタイジュンさんにお伺いします。原作を元に阿武英子のビジュアルを生み出す際、特に意識した点やこだわった点はありますか?

タイジュンさん:阿武の瞳です。ハイライトの有無によって雰囲気が正反対に変わる難しい人物なので、依然として慣れていません。

――おふたりにお尋ねします。第1話をX(Twitter)に投稿後、5.6万を超える「いいね」が寄せられ話題となりました。今回の反響について、率直なご感想をお聞かせください。

川上大和さん:バズらなければ作品が風化するのではないかと危機感を抱いていたのでホッとしました。

タイジュンさん:連載スタート時に投稿した時もたくさんの関心をいただきましたが、今回は再掲にもかかわらず多くの方々に読んでいただいてうれしかったです! もっと多くの方々に触れてほしいので、もっと頑張ります!

――本作の中で、特に思い入れのあるシーンやセリフがあればお聞かせください。

川上大和さん:3話の最終ページです。元々、(編集部注:あるキャラを)殺して終わらせようと思っていましたが、それだと普通だと思い変更し、結果的に読者の皆様にも驚かれたので満足してます。

タイジュンさん:いろいろあるけど、2話の阿武の「私も泣くべきか…?」というセリフが特に好きです。川上先生のギャグが好きです。 描きながら爆笑することが多いです。

――最後に、今後の展望や目標をお聞かせください。

川上大和さん:目標はメディア化ですが、まずは読者の皆さまに広く満足していただける作品作りを心掛けます。

タイジュンさん:「阿武ノーマル」は私が描いているから言うのではなく、客観的に川上先生のネームだけ見ても面白い作品です。そして、この作品を描くきっかけは、川上先生から聞いたこの作品の結末です。とても気に入りました。皆さんにも最後まで一緒に読んでもらいたいです。期待してください。

「イカれた女が普通の女を目指す話」より/(C)川上大和/タイジュン/講談社