約3億円と新車価格の3倍になったマクラーレン「P1」は、フェラーリ「デイトナ」と同じパターンのシートなどオプション満載でした

これからも注目度が上がりそうなP1

2023年12月8日、RMサザビーズがアメリカ・ニューヨークで開催したオークションにおいてマクラーレン「P1」が出品された。今回はいくらで落札されたのか、同車について振り返りながらお伝えしよう。

エンブレムの位置は何ヶ月もかけて調整が行われた

マクラーレンのプロダクト・ポートフォリオに、アルティメット・シリーズと呼ばれる、究極のシリーズが加わったのは2013年のジュネーブ・ショーでのこと。その前年のパリ・サロンで、そのプロトタイプを公開していたマクラーレンは、ここで正式に「P1」とネーミングされた限定車を発表。パリ・サロンの段階では500台前後とコメントされていた生産台数は375台に修正され、より希少価値の高い究極のハイパーカーが誕生したのだ。

P1がまず見る者を魅了したのは、ボディデザインにあった。それはBMWからフィアット・グループへとキャリアを積み重ね、フェラーリマセラティでも数々の作品を残したフランク・ステフェンソン氏によるもの。

2008年にマクラーレンへと新たな活躍の場を求めた氏は、もちろんP12の開発コードを掲げたこのP1以前にも、P11のコードで開発されたMP4-12Cのデザインをも主導し、現在のマクラーレン車のデザイン・コンセプトを築いた人物でもある。

自然界にある創造物を意識する生体模倣のコンセプトをもとに、自然界の動植物がその進化の過程で得たデザインを採り入れ、それらを可能なかぎり小さなデザイン要素で表現するという考えを、このP1では実現したという。

今回RMサザビーズ社のニューヨークオークションに出品されたP1は、この美しいフォルムのボディを、さらにMSO(マクラーレン・スペシャル・オペレーションズ)によって、プロフェッサー・ブルー2と呼ばれる独特な色調のボディカラーで仕上げたもの。

ニューヨークオークション2023に出品されたマクラーレン「P1」は、いくらで落札された?

それはオリジナル・オーナーのリクエストによるもので、同様にレッドのアクセントストライプ、ホイールのマットブラックとシルバー仕上げ、さらにマクラーレンのエンブレムの位置もオーナーが満足するまで何カ月もかけて、その調整が行われた。

キャビンでもオーナーの依頼による特別な装備は数多く、かつてフェラーリ365GTB/4で使用したものと同様のパターンで仕上げられたシートは、375台のP1のうちわずか2台しかないと考えられている。

キャビン内に見えるカーボンファイバー製のパーツも個別に選択されており、さらに助手席側のバニティミラーには、オーナーの夫人のために「You are beautiful」と刻まれる。MSOによればこれらのオプションだけで、その総額は13万9847ドル(邦貨換算約1678万円)に達したという。

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209万5000ドル(邦貨換算約3億800万円)で落札されたマクラーレン「P1」(C)Courtesy of RM Sotheby's