夫婦で漫才をしている「かつみ♥さゆり」さん。夫のかつみさんは借金王として知られ、結婚当初からなんと1億7000万円もの借金が。極貧生活を支えたのは、「少しでもかつみ♥さんに美味しいものを食べてほしい」という、♥さゆりさんの愛情あふれる「超節約ごはん」だった…!

【写真】お料理中のさゆりさんが可愛すぎる!撮影はかつみさん

今回は発売中の書籍「♥さゆり流 愛の節約ごはん」の中から特に印象的なレシピを、笑って泣けるエピソードと共に紹介します。

■料理名は、〝なんにも千枚漬け。しかし、みかんの大器〟。その心は?

かつみさんは8歳まで京都に住んでいて、お歳暮などでいろいろと届くなかにあった千枚漬けを食べさしてもらってたみたいです。それがかつみさんの故郷の味らしく、昔からお漬物が大好きなんです。なかでも千枚漬けが一番インパクトあったみたいで、「千枚漬け食べたい」ってよく言ってます。

でも、あれ、めっちゃ高いんですよ!5枚ぐらいしか入ってないのに1000円ぐらいするんです。かぶでしょ!?どうして?と思うんですけど、手間ひまかけて、きれいに仕上げられているんですよね。でも、やっぱり高いので、私はかつみさんのために手作りしています。

ただ、そこはさゆり流。手間ひまかけずに見よう見まねで作ったものなので、料理名は“なんにも千枚漬け。しかし、みかんの大器”です。なぜかというと、かつみさんは京都から和歌山に引っ越していて、おみかんで育っているから。それにゆずは高いけれど、おみかんならリーズナブル!皮と、ぎゅっとしぼった果汁を入れるのがうちの千枚漬けで、作り方も超簡単です。

■材料に塩昆布を使うことで、作るのがとっても簡単に!

本物は多分、利尻昆布とか高い昆布を使ってはると思うんですけど、私は塩昆布を使います。あの細切りのやつ。お漬物には塩も使いますけど、昆布についているから、これだけでいいんですよ! 切ったかぶら(かぶ)と塩昆布、おみかんの皮としぼり汁を和えたものを保存袋に入れ、そこにお酢と砂糖を加え、置いておくだけでできちゃう! 私は大根で作ることも多いです。

本物の千枚漬けのやわらかい感じに近づけたいので、先にかぶらに塩をして、10~15分ぐらい置いておきます。すると水が出てくるので、それをしぼってから使います。そうすると、もはや売り物ちゃう?と思うぐらいのやわらかさになるんです。かつみさんは本場の千枚漬けより、こっちの千枚漬けの方が好きだと言ってくれます。

■ロケで出会った魔法のお酢を使うだけで、味も失敗なし!

以前はお酢と砂糖を適当に入れて作っていたんですけど、令和になりまして、トキワさんの“べんりで酢”を使うようになりました。これは20年続けている「せやねん!」(MBS)という番組内の「メチャ売れ!!」というコーナーで出合った商品で、もう私、大絶賛で!

ごはんにかけるとおいしい酢飯になるし、きゅうりとタコの酢の物もこれをかけるだけでできちゃう魔法のお酢なんです。リンゴ酢や昆布エキスも入っていて、酢の物も米倉涼子さん並みに失敗せずに作れます。この私が珍しく箱買いしている商品です。インスタグラムのコメントで目分量だとわからないとおっしゃる方もいらしたんですけど、料理が苦手な方とか、時間の節約をしたい方に、本当に“お酢すめ”ですよ!

かつみさんは、玄関にお歳暮が並んでいた光景をおぼろげに覚えているそうです。8歳まではお坊ちゃんで、そこから追われるように出てからはド貧乏だったらしいんですが、昔からお漬物が好きなので、「三つ子の魂、百まで」って本当なんだなと思います。

■束の間の借金12億円……!?心が折れた思い出

かつみさんのお父さんは結構大きな会社をされていた方で明治生まれの人。大河ドラマにもなった渋沢栄一さんにも愛人さんがたくさんいはったらしいので、当時の成功者はそれが当たり前だったんだなと思いました。だって、愛人さんの家の面倒も見てあげるわけだから、女好きとかだけじゃないですよね。だから、大河ドラマを見ながら、こういうことなのかな?と思い、かつみさんと「お父さんのイメージ、ちょっと上がったね」と話してました(笑)。

かつみさんのお父さんといえば、亡くなってから10年ぐらい経った時に京都の銀行から手紙が来て、10億円の遺産を受け取れるのかと勘違いして大喜びしたことがありました。借金が2億円ぐらいに膨れ上がっていた時だったので、かつみさんはあんなに跳び上がったのを見たことないってぐらい跳び上がりました。だって、天井で突き指したんですから(笑)。でも、珍しく私が冷静になって読んだら、お父さんが生前、保証人になった会社が倒産したので10億円払ってという内容で。負の相続ですね。あの時は、さすがのかつみさんも一瞬へこんでいました。

借金って、1億円を超えると金利がすごいからなかなか元金が減らないんです。2億円だけでも大変なのに、12億!?正直、私は心が折れたんですけど、かつみさんは一瞬しかショックを受けない人なので、すぐに行動して相続を放棄できることになり、約3カ月後、2億円に戻りました。不思議なもので、12億円になったと思ってからの2億円やったら「返せる!」となったんです。全く同じ金額なのに見方を変えたら、考え方もしんどさも変わった。絶対返せる!返しますよ〜!と。そうして今のテンションになり、ここまで来ております(笑)。

■なんにも千枚漬け。しかし、みかんの大器

材料

かぶ

みかん

塩昆布

調味酢(もしくは酢と砂糖)

※材料はすべて目分量

作り方

①かぶを薄く切り、塩もみ 

かぶを薄く切り、塩もみして10分ほど置く。水で塩を落とし、キュッと水分をひとしぼり。みかんの皮を細切りにする。

②かぶと調味料を保存袋に入れる 

保存袋に1と調味酢(もしくは酢と砂糖)、塩昆布、みかんの果汁を入れる。しばらく置き、味をしみ込ませる。

■かぶの葉のゴマッた

材料

かぶの葉

ごま油

しょうゆ

すりごま

砂糖

お好みで七味唐辛子

※材料はすべて目分量

作り方

かぶの葉を刻み、ごま油を熱したフライパンで炒めて砂糖としょうゆで味つけ。すりごまをたっぷりかけ、お好みで七味唐辛子を。

借金生活から生まれたお財布と体に優しいレシピが満載の書籍「♥さゆり流 愛の節約ごはん」は絶賛発売中!

市販の千枚漬けと同じくらいの薄さにカットするのがポイント。