3日の中国本土マーケットは、主要指標の上海総合指数が前日比4.97ポイント(0.17%)高の2967.25ポイントと反発した。
 中国の景気支援スタンスが支えとなる流れ。中国人民銀行(中央銀行)が2日に発表したデータによれば、人民銀の担保付き補完貸出(PSL)による政策銀行への融資残高は昨年12月末時点で3兆2520人民元に上り、11月末時点の2兆9020億人民元から大幅に拡大している。PSLは都市再開発に向けた資金供給となるため、不動産支援を強化したとの見方だ。また、アナリストの間からは、人民銀は政策金利や預金準備率の引き下げなど金融緩和を進めるとの分析も流れている。もっとも、上値は重い。米長期金利の上昇や対米ドルの人民元安、米中対立の激化などが不安材料としてくすぶる中、指数は安く推移する場面もあった。(亜州リサーチ編集部)
 業種別では、石油や石炭のエネルギー関連が高い。エン鉱能源(600188/SH)が3.0%高、中国石油天然気(601857/SH)が2.0%高、中国神華能源(601088/SH)が1.9%高、中国石油化工(600028/SH)が1.6%高で引けた。
 金融株もしっかり。中国農業銀行(601288/SH)が1.6%、中信銀行(601998/SH)が1.0%、西南証券(600369/SH)が2.3%、中国銀河証券(601881/SH)が1.5%、中国太平洋保険(601601/SH)と中国人民保険集団(601319/SH)がそろって1.3%ずつ上昇した。
 不動産株も物色される。京能置業(600791/SH)が2.0%高、金地集団(600383/SH)が1.9%高、信達地産(600657/SH)が1.4%高、緑地HD(600606/SH)が0.9%高で取引を終えた。公益株、メディア・娯楽株、素材株なども買われている。
 半面、ハイテク株はさえない。半導体の封止・検査で中国首位の江蘇長電科技(600584/SH)が5.2%、フラッシュメモリー中国大手の北京兆易創新科技(603986/SH)が4.4%、IC設計の上海韋爾半導体(603501/SH)が4.0%、フィンテック大手の恒生電子(600570/SH)が3.3%、産業向けIoT事業の富士康工業互聯網(601138/SH)が2.3%ずつ下落した。自動車株、医薬株、軍事関連株も売られている。
 外貨建てB株相場は、上海B株指数が1.78ポイント(0.76%)高の234.19ポイント、深センB株指数が1.38ポイント(0.13%)安の1075.21ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)