韓国紙・中央日報は2日、北朝鮮金正恩総書記の左頬に「大きな皮膚のトラブル」が見られると報じた。最近の金正恩氏の写真を見ると、たしかに左頬に吹き出物、あるはイボのようなものが見られる。記事にコメントを寄せた皮膚科専門医は「イボあるいは皮角、ケラトアカントーマの可能性がある」と述べている。

「皮角」や「ケラトアカントーマ」がどのようなものなのか、記事の説明を呼んでもいまいちわからないのだが、どうやら「大ごとではない」といったニュアンスだ。

それに、金正恩氏の皮膚のトラブルはこれが初めてではない。2021年12月末に開かれた朝鮮労働党の重要会議には、後頭部に大きな絆創膏を貼って登場した。このときは感染内科教授がやはり中央日報に寄せたコメントで、「にきびが腐ったり、脂肪腫ができたりした可能性があるが、2つとも健康に大きく問題になるようなものではない」としていた。

中央日報は、最高指導者である金正恩氏がなぜ、こうした皮膚のトラブルを「なぜ放置するのか」と不思議がっている。

その答えはおそらく2つある。まず、本人が頓着していないということ。そしてもうひとつは、最高指導者の健康問題は国家の最重要事項であり、へたに問題を指摘したら最悪、死刑になりかねないからだ。

自分の命をかけてまで、金正恩氏のお肌のトラブルに言及する人間はいないということだ。

ただ、今回は大したことはなさそうだが、金正恩氏の健康問題はわれわれにとって関心事であり続けるしかない。北朝鮮は独裁国家であるだけに、独裁者の生死は体制に巨大な影響を与える。

もしかしたら北朝鮮の核開発は、そういう展開の上でしか解決されないかもしれない。

2021年12月の金正恩氏(朝鮮中央テレビ)