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 年末年始とお酒を飲む機会が多くなるこの時期、お腹の調子がすぐれない人が増えているはずだ。お酒を飲むと下痢になりやすいといわれている。逆に大量に飲酒すると便秘になる人もいるようだ。

 これにはちゃんとした理由があるそうだ。アルコールが胃や小腸の筋肉に影響を与え、食べ物が腸内を通過する時間に干渉しているのだという。つまり消化に影響を与えているのだ。

 ここではアルコールとお腹の中で起きていることの関係性について見ていくことにしよう。その対策法も学んでいこう。

【画像】 腸の動きを活発にし、食べ物がを通過する時間に影響を与える

 アルコールは腸の運動を活発にする。ということは、食べた物が普段より腸内を早く通過してしまうことになる。つまり腸が水分を吸収する時間が短くなり、下痢につながってしまうのだ。

 長期的なアルコール摂取は小腸の通過時間に影響を及ぼす。ラットでの実験では、長期的なアルコール摂取が胃と小腸を通る食物の通過を加速させることが示されている。

 これは人間でも同様であり、多量のアルコール摂取は小腸の通過時間を短縮させるため、十分な消化がなされず下痢になりやすいのだ。

 またアルコールは十二指腸における炭水化物、タンパク質、脂肪の吸収を減少させることもわかっている。特に糖分を多く摂取する人は下痢のリスクが高まるという。

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暴飲暴食が便秘につながることも

 また、急激に大量のアルコールを摂取(暴飲暴食)することは、下痢よりも便秘を引き起こす可能性があるという。

 507人の大学生を対象にした最近の研究では、学生らに便を採取してもらい、ブリストルスケール(糞便の形態を7つのカテゴリーに分類するために設計された診断医療ツール)でどれに当てはまるかをチェックしてもらった。

 その結果、大量に飲酒した学生は乾燥してコロコロとした便秘の時にみられるタイプの便が多かったことが判明した。

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おなかの調子を壊さないおようにするには?

 当たり前のことだが、飲酒後にお腹の調子を崩しやすい人は、アルコール摂取を制限することが最善の策である。

 だがそれが難しいのならば、特定の飲料を飲んだ後に問題が発生する傾向があれば、それらの種類のお酒を控えることが賢明である。

・合わせて読みたい→お酒が止められない理由。飲酒の記憶が脳にこびりつき、関連するものを見ると誘発される(オランダ研究)

 また、下痢を起こす場合、カフェイン入りの飲み物とアルコールを混ぜることは避けるべきだという。

 カフェインは大腸の収縮を刺激し下痢を悪化させる可能性がある。

 また、飲酒後の便秘が問題となる場合は、水分を十分に摂取し、飲酒前、飲酒中、飲酒後に水を飲むことが重要である。

 さらに飲酒前にはタンパク質や繊維が豊富な食事を摂ることが、アルコールの負の影響から腸を保護するのに役立つという。

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飲酒後しばらくお腹の調子が悪い場合は医師に相談

 飲酒後の便の異常は通常、短期間で自然に解決する。だが、アルコールを止めても数日以上下痢が続く場合は、炎症性腸疾患などの他の病気の可能性もある。

 研究者はアルコール摂取と過敏性腸症候群の発症との関連も指摘している。もし、下痢や便秘などの症状が数日続く場合や、便に血が混じるなどの症状がある場合は、病院に行って医師に相談しよう。

References:Why does alcohol make my poo go weird? / written by parumo

 
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お酒を飲みすぎるとなぜお腹の調子が悪くなり、下痢や便秘になる理由