昨年末にドジャース移籍が決まった大谷。彼の獲得を望み、積極的に動いていたブルージェイズにとっては、その一報は「失望」となった。(C)Getty Images

 昨年末に球界を大いに賑わせたドジャース大谷翔平の10年総額7億ドル(約1015億円)の巨額契約は、争奪戦に加わった球団首脳陣にとっても衝撃的な出来事となっている。

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 まさにエポックメーキングな契約だった。今オフにエンゼルスからフリーエージェント(FA)となっていた大谷は昨年12月9日ドジャース入団を発表。先述の“メガディール”に加え、全体の97%にあたる6億8000万ドル(約994億円)を契約終了後の後払いにするなど異例の契約内容も世界を驚かせた。

 無論、大谷は今オフのFA市場の目玉。ドジャース以外にも獲得を狙う球団はあった。その中で有力球団のひとつとして候補となっていたのが、ブルージェイズだ。移籍が正式発表される前日には「オオタニはトロントにいる」という情報がベテラン記者から飛んだほど水面下での交渉は進んでいたと見られている。

 そんな偉才との交渉はブルージェイズのロス・アトキンスGMも認めている。現地時間1月3日に、地元紙『Toronto Star』などの取材に応じ、「私たちはこの結果に非常に失望している。彼ら(大谷側)からの電話は非常に受け取りにくいものだった」と語った。

 実際に本人との面談も行った。アトキンスGMは、大谷がフロリダ州ダンイーデンの球団施設を極秘で訪問したと告白。「彼との交渉に向けたプロセスや組織の努力、そして共同作業は素晴らしかった」と語る50歳の敏腕仕事人は、大谷との交渉で得ていた“手応え”を口にしている。

「私は、彼がこの国、この街、そしてブルージェイズというチームにとても魅力を感じていたことは間違いないと思っている。獲得に向けたプロセスについては素晴らしいと感じていたが、我々は気持ちを切り替えて先に進むことにした。オーナーシップやビジネスの観点から見ても本当に信じられないようなオファーをしたよ。たしかに我々が欲しかった結果ではなかったが、プロセスは本当に良かったと感じている」

 大谷獲得は破談に終わった。それでもブルージェイズ首脳陣は、偉才を本気で獲ろうと一丸となって取り組んだプロジェクトに揺るぎない自信を持ち続けている。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

大谷翔平争奪戦で得ていた“手応え” ブ軍GMが語った獲得失敗への失望「本当に信じられないようなオファーをしたよ」