日本が世界に誇る一大文化、漫画。その人気作ともなれば、アニメ化だけでなく、実写化もされて大きな話題を集める。もちろん、少年誌の金字塔「週刊少年ジャンプ」もその一つ。特に昨年は、ジャンプを代表するヒット作が次々と実写化された印象的な年でもあった。そこで今回、2023年の実写化されたジャンプ作品を振り返ってみよう。

【写真を見る】「三刀流奥義!三・千・世・界!」を繰りだすゾロ。演じる新田真剣佑にとっても2023年は大活躍な一年となった

■新田真剣佑のキレのいいアクションが堪能できる『聖闘士星矢 The Beginning

80年代のジャンプファンを虜にした車田正美の「聖闘士星矢」が、『聖闘士星矢 The Beginning』(23)としてハリウッドで実写映画化され、4月に日本の劇場に登場。主人公の星矢役にハリウッド映画初主演となる新田真剣佑が抜擢されたことでも注目を集めた。

スラム街の地下格闘場で戦いながらその日暮らしをしている青年、星矢。ある日、“小宇宙(コスモ)”と呼ばれる力に目覚めた彼は、女神アテナの生まれ変わりであるシエナ(マディソン・アイズマン)の命をねらう謎の組織との戦いに巻き込まれていく。

原作の壮大なストーリーが現代風にアレンジされ、「聖闘士星矢」に初めて触れる人でもその世界観を十分楽しめる構成となった本作。新田のキレのいいアクションと、ハリウッド仕込みのハイクオリティなCG技術によるバトルシーンが最大の見どころだ。

■作り手の強い“原作愛”も実感!早くもシーズン2の制作が決定した「ONE PIECE

連載開始から現在まで、ジャンプの人気を支える大黒柱にして、世界中で驚異的なヒットを飛ばしている作品といえば、尾田栄一郎が物語を紡ぎ続ける「ONE PIECE」。麦わらの一味を率いる若き海賊、モンキー・D・ルフィが仲間たちと共に、海賊王が遺した“ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)”を求めて大冒険を繰り広げる。

そんな本作もドラマシリーズとして実写化され、8月末に動画配信サービスNetflixにてシーズン1の配信がスタートした。世界中に多くのファンを抱えていることもあり、配信前こそ期待と不安の声が半々といった状況だったが、蓋を開けてみれば絶賛の嵐!キャスト陣のキャラクター再現度の高さと好演、CGの圧倒的クオリティ、なにより制作スタッフ陣の強い“原作愛”が伝わってくる作り込みに、視聴者も非常に高い満足感を得ていた。

ファンや視聴者からは「実写化作品の最高峰」、「吹替版の声優がアニメと同じでうれしい」、「子どもと一緒に観て、一緒にハマった!」、「新田真剣佑のゾロがかっこよすぎる」と、好意的な意見がSNSに多く上がっていた。すでに制作が決定しているシーズン2への期待も高まっている。

■全世界で話題をさらっている「幽☆遊☆白書

冨樫義博のバトルファンタジー「幽☆遊☆白書」は、90年代のジャンプ読者を魅了し、現在に至るまでのバトル系漫画に大きな影響を与えた不朽の名作だ。こちらもNetflixで実写ドラマ化され、12月14日よりついに配信スタート。なんと世界20か国で視聴数1位を獲得する好調な出だしを切った。

本作は不良少年浦飯幽助が、ある事件を機に妖怪の悪事を取り締まる“霊界探偵”となって、仲間たちと共に成長していく姿を描く物語。今回のドラマは、原作の「霊界探偵編」や「暗黒武術会編」と呼ばれるストーリーをアレンジした構成となっている。幽助役に北村匠海、彼の仲間となる桑原和真役に上杉柊平、蔵馬役に志尊淳、飛影役に本郷奏多と、若手を中心に実力派&人気俳優たちをキャスティング。さらに、彼らの前に立ちはだかる強敵、戸愚呂兄弟の、兄を滝藤賢一、弟を綾野剛が演じている。

そんな豪華キャスト陣が、かっこよく激しいスタントでド迫力のバトルシーンを体現する映像に、ファンは「スタントもVFXもすごすぎて映画みたい」、「アクションシーンだけでも無限に観られる!大画面で観たい!」、「続編をどんどん作ってほしい!」と大絶賛。世界中でのこの評価を受けて、次につながることを期待したい。

強い“原作愛”と進化した映像制作技術により、人気漫画の実写化作品のクオリティが高まり続けていることを確信できる昨今。今年、2024年も鈴木亮平主演のNetflix映画『シティーハンター』が待機中、時期は未定だが「僕のヒーローアカデミア」がハリウッドで実写映画化が予定されているなど、今後もジャンプが生んだ名作の実写化から目が離せない!

文/リワークス(加藤雄斗)

「聖闘士星矢」に「ONE PIECE」、「幽☆遊☆白書」!2023年はジャンプの歴代の代表作が次々と実写化された年に/Netflixシリーズ「ONE PIECE」は世界独占配信/[c]尾田栄一郎/集英社