昨年末に公開した記事に書いたように、2023年は本当にビデオゲームが豊作の年だった。では2024年はどうなるのかというと、さすがに昨年ほどの盛り上がりを期待してはならないものの、それでも注目タイトルが待ち受けている年となる。

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 現時点から見ると、2024年は「RPGが目立つ年」になりそうだ。すでに発表されている期待作を見てみると、とにもかくにもRPGが多いうえに有力タイトルが多い。そして、一口にRPGといってもその方向性もさまざまで、多くの人を楽しませてくれそうである。

 では、2024年の注目作をピックアップして紹介していこう。あなたはどの作品を楽しみにしているだろうか。

■2024年の注目タイトルはコレだ! 『FF7』リメイクやHoYoverse新作などRPGが特にアツい

 さて、すでに2024年発売予定タイトルはいろいろと発表されているが、なんといっても大きく注目を集めているのは『ファイナルファンタジーVII リバース』だろう(2024年2月29日発売予定)。

 本作は『ファイナルファンタジーVII』リメイク三部作の第二作目となるタイトルだ。前作ではミッドガルから脱出したクラウドたちが、今度はオープンワールドのようになった世界で冒険を繰り広げる。

 前作を遊んだときに「広いワールドマップをどう表現するのだろう?」と疑問に思ったが、実際にオープンワールドに近い形式になるらしく驚いた(厳密にはいくつかのワールドエリアが存在するという形式らしい)。

 ミニゲームがたくさん遊べる「ゴールドソーサー」はもちろん、さまざまな探索要素も用意されているとのこと。ストーリーは「忘らるる都」まで描かれるそうで、彼女の運命がどうなるのかについて大きな注目が集まるのは間違いないだろう。

 『原神』や『崩壊:スターレイル』などで人気のHoYoverseの新作『ゼンレスゾーンゼロ』も2024年リリース予定だ。

 本作は、災害後の世界を舞台とした都市ファンタジーアクションRPG。その優れたアニメ調グラフィックと激しいアクションで、すでに大きな期待を集めている。ゲームセンターでさまざまなミニゲームを遊べるなんて要素にも気合が入っているそうだ。

 『原神』や『崩壊:スターレイル』はすでに日本でもかなりの人気となっているため、『ゼンレスゾーンゼロ』もまた多くのゲーマーが押し寄せるタイトルになりうるだろう。

 アトラスの新作『メタファー:リファンタジオ』も期待作である(2024年秋発売予定)。

 アトラスといえば「ペルソナ」シリーズで国内外ともに人気を獲得しており、そんなデベロッパーが新規IPに挑戦するというのだから否が応でも注目を集めるだろう。発表からかなり時間が経っていたが、いよいよ発売が近づいてきたわけだ。

 アクションとコマンド選択式バトルを融合させたゲームシステムになっており、「ペルソナ」シリーズのような日常メカニクスも採用されるとのこと。相変わらずUI(ユーザーインターフェース)も非常におしゃれで見事だ。

 このほかにも2024年発売予定のタイトルはいろいろとあるが、長くなるので筆者の独断と偏見で以下にまとめておこう。『龍が如く8』や『聖剣伝説 VISIONS of MANA』あたりは特に人気がありそうだ。

・『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録
・『龍が如く8
・『鉄拳8』
・『ユニコーンオーバーロード
・『Rise of the Ronin
・『プリンセスピーチ Showtime!
・『イナズマイレブン 英雄たちのヴィクトリーロード
・『GRANBLUE FANTASY: Relink』
・『聖剣伝説 VISIONS of MANA
・『サガ エメラルド ビヨンド

 個人的には、「サガ」シリーズ久々の新作となる『サガ エメラルド ビヨンド』に期待している。「サガ」の生みの親である河津秋敏氏がディレクターを務めるとのことで、たまらない一作になりそうな予感がしている。

 また、ゲームそのものではないが、実写ドラマ『Fallout』にも注目したい。本作は、ベセスダ・ソフトワークスのオープンワールドRPG「Fallout」シリーズを題材にした作品で、Amazon Primeで2024年4月12日から配信開始予定となっている。

 2023年はドラマ版『THE LAST OF US』や『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』が人気を博したため、今後も優れたゲーム映像化作品が続くものと見られる。はたして実写ドラマ『Fallout』はその期待に応えられるだろうか。

任天堂の次世代機もそろそろ発表されてほしい

 ところで、(あくまで個人的には)2024年あたりに任天堂の次世代機についての発表があってもおかしくないのではと考えている。Nintendo Switchは発売から約7年経過しており、据え置き型ゲーム機の発売ペースが遅くなっているとはいえ、次が出てもおかしくない頃合いだからだ。

 実際、2023年には任天堂の次世代機に関する噂がいろいろと出回っていた。もっとも、噂が外れていたり公式に否定されていたりするのだが、ユーザーが求めているのは事実である。

 噂や予測では「Nintendo Switch下位互換機能がついたスペックアップ版」であることが多いものの、個人的にはそれは避けてほしいと思っている。やはり任天堂ゲーム機は新たな遊びを用意してほしいからだ。

 単純に上位機のようなものを出すと、良くてニンテンドーDSのあとのニンテンドー3DS、悪いとWiiのあとのWii Uのようになりかねない。もちろん下位互換機能はあればうれしいのだが、その機能が新しいゲーム機において最重要だったことはないというのもある。

 また、仮に何か新しい挑戦をして失敗しても、それが後に日の目を見ることがある。Wii Uは失敗したハードだったが、『マリオカート8』はその後Nintendo Switchで最も売れたゲームになったし、「スプラトゥーン」シリーズを生み出したという意味でも大きな価値があった。なにより、Nintendo Switchの据え置き型と携帯型のハイブリッド制は、Wii Uの二画面構想がなければ生まれなかっただろう。

 ただ、まったく新しい仕掛けを用意した据え置き型ゲーム機を出すとして、どういうギミックを仕込むのかはわからない(そもそもゲーマーの予想を裏切る必要があるわけで、予想できてはならないのだが)。このあたりが難点ではあるものの、任天堂の次世代機にはそういう想像を超えるものを期待している。

 逆にいえば、そういった新しい可能性が見つかるまではNintendo Switchの時代が続くのかもしれない。2024年に発売されるゲームを楽しみつつ、新しいゲーム機の可能性にも期待を寄せたい。

(文=渡邉卓也)

2024年もゲーマーは忙しくなる