農水省は1月4日午後4時時点の「令和6年能登半島地震に係る農林水産関係の被害状況」を公表した。
農林水産関係の被害のほか、食料支援の対応状況も公表している。公表内容は速報値であり、今後変わることがある。
〈食料支援の対応状況〉
1月1日午後5時36分に「食料･物資支援チーム」を設置。被災地の要望を踏まえ、業界団体を通じた調達要請を行い、パン、パックごはん、即席めん及び粉ミルクについて、食品企業から輸送拠点への発送を1月2日に開始し、1月2日から4日までの間に、約35万食(点)の飲食料を供給した。
〈農水省公表農作物等の被害〉
長野県では、農業用施設2カ所で被害があった。
石川県では、畜産農家で停電18件･断水46件、施設損壊32件(損壊に伴う家畜被害1件)、道路損傷により集乳不可など32件、県施設(農業試験場及び畜産試験場)のガラス破損、堆肥舎の一部破損、放牧場の施設で一部破損、畜産センターで断水･停電･施設一部破損(能登町)、農業用施設8か所の被害があった。
新潟県では、いちごの果実損傷、ハウス液状化によるチューリップの廃棄、パイプハウス内部の地割れ･液状化、チューリップ栽培棚の崩れ、わさび園の井戸ポンプの配管破損(復旧済み)、ぶどうのフリーズドライ加工施設で基礎のひび割れ等、鶏舎の集卵配送ラインの破損等(復旧済み)、農作業小屋2棟倒壊、農作業所の壁崩れ･柱の傾き、採卵鶏の飼料タンクの破損、共同利用施設、カントリーエレベーターでシャッターの破損、農業法人所有のライスセンターの籾タンクの破損等、農業法人所有の米倉庫で床の隆起、JA 選果場で一部ひび割れ、JA米倉庫ガラス破損(1棟)及び建物のひび割れ(3棟)、JA ラック米倉庫で機械稼働不可、JA 餅工場水道管破裂、JA 精米所で壁の破損、農業用施設等6カ所の被害があった。
富山県では、鶏舎の斜面崩落、洗卵選別施設横の崖崩れ、卵保管場所の地盤沈下、養豚舎周辺の地盤液状化、畜舎基礎部分の損傷、農地1か所、農業用施設 17か所の被害･福井県において、農地4か所、農業用施設 12か所の被害･岐阜県において、農地1か所、農業用施設1か所の被害があった。
福井県では、農地4か所、農業用施設12か所の被害があった。
岐阜県では、農地1か所、農業用施設1か所の被害があった。
〈農水省公表水産物等の被害〉
石川県では、多数の漁港で防波堤、岸壁、臨港道路の損傷等の被害、水産荷さばき所等の共同利用施設で被害、57隻以上の漁船の転覆･座礁等、水産総合センターの配管の破損等の被害があった。
新潟県では、漁港内で漁船7隻が横転、破損等、陸上保管していた漁網の流出、陸上水槽の稚ナマコ、サケの卵の流出等、液状化による漁協事務所の傾き、3漁港で臨港道路の破損等の被害があった。
富山県では、漁船3隻が沈没、複数の大型定置網のロープ切断、陸上養殖水槽配管の損傷及びサケ稚魚の斃死等、県栽培漁業センターの飼育海水の断水、10漁港で岸壁、護岸の沈下、臨港道路の破損等の被害、1漁港海岸で離岸堤損傷の被害があった。
福井県では、漁船1隻のプロペラ破損の被害があった。
〈卸売市場の被害情報〉
新潟市中央卸売市場は、施設に異常･被害なし、物品等の落下あり、1月5日に予定している開市の日程変更の予定なし(1月2日時点)。
新潟県魚市場の冷蔵庫荷崩れ、荷捌き所の配管破裂(1月3日)。
金沢市中央卸売市場において、給水管の破損による水漏れ並びに、立体駐車場の天井ボード一部当落等被害あり、物流網の影響は現在報告なし(1月2日時点)。
金沢市中央卸売市場において、卸売場、低温貯蔵庫の天井材が一部落下(1月3日撤去済み)、仲卸売場の給水管破損による漏水及び停電(1月4日復旧済み)、1月5日の初市は通常通り行う予定(1月4日)。
石川県の七尾市公設地方卸売市場において、被害甚大で施設に入れる状況ではなく被害状況調査不可(1月3日)。
石川県の株式会社金沢花市場地方卸売市場において、施設内のエアコンが落下や床に亀裂が入ったが、業務への影響はない(1月3日)。
金沢市公設花き地方卸売市場において、壁が剥がれる被害があったが、業務への影響はない(1月3日)。
石川県の南加賀公設地方卸売市場(小松市)では、被害は確認されていない(1月3日)。
富山県公設地方卸売市場及び富山県内の地方卸売市場においては、担当者が不在のため被害状況の確認ができていない、引き続き被害状況の確認を継続(1月2日時点)。
富山県の滑川鮮魚地方卸売市場は被害なし。地方卸売市場については、情報収集を実施中(1月3日時点)富山県 新湊漁協地方卸売市場周辺の道路はアスファルトがめくれ通行に支障、また、断水で製氷できないことから1月4日は休市、1月5日も未定(1月4日)。
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