YouTubeでの視聴回数チャートや、ストリーミングサービスでの再生数が伸びている楽曲を観測し、今何が注目されているのかを解説する週刊連載「再生数急上昇ソング定点観測」。今週はYouTubeで12月22日から12月28日にかけて集計されたミュージックビデオランキング、および楽曲ランキングのトップ100の中から要注目トピックをピックアップします。
【動画はこちら】動く中森明菜の近影……「北ウイング-CLASSIC-」レコーディング映像
文 / 真貝聡
まずはこの週の初登場曲の振り返りから
今週のYouTubeのミュージックビデオランキングは、当連載で先週取り上げた
26位には
51位には
中森明菜「北ウイング-CLASSIC-」
※YouTubeウィークリー楽曲ランキング初登場9位
去年12月24日、
同曲は1984年に当時18歳だった中森が発表した「北ウイング」をクラシックバージョンとして新録したもので、12月17日放送のラジオ番組「中森明菜オールタイムリクエスト」(ニッポン放送)で中森の肉声メッセージとともにオンエアされた。ちなみに中森がメディアに出演をしたのは、2014年の「第65回NHK紅白歌合戦」以来、およそ9年ぶりのことだった。
MVに映る中森は、以前と変わらない美しさをまとっている一方、歌声は艶っぽさと深みが増している。2018年から体調不良を理由に活動をセーブしていたが、1月2日放送の特番「中森明菜 女神の熱唱~新たな歌声&独占メッセージ~」(BS-TBS)でも肉声インタビューが公開されたりと露出が増えており、伝説の歌姫が完全復活する日は近いかもしれない。
RYKEYDADDYDIRTY「MOTHER JANE feat. 柊人」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場62位
この曲のもとになったのは2022年に発表された柊人の「好きなこと」。原曲の「いつか好きなことだけで稼ぐまで 今は嫌なことだけどやり続けて」という逆の意味を持った言葉が交錯するフレーズをそのまま引用しつつ、「泣いてばかりいて 笑ってばかりいられている」や「犯しているようで人に抱かれているような悪夢」など、あえて相反する言葉を使うことで、人間とは“矛盾”をはらんだ生き物であるということを表現している。一面的には捉えられないのが、人間であり世の中。そんな表も裏も歌うのがヒップホップであると示すように、曲の後半で「反面を教えてやるのがHIPHOPの価値」というフレーズに着地する。
素晴らしいのは、自分の都合のいいところだけを見せるのではなく、心の強さと弱さをしっかり描いたうえで先述した「いつか好きなことだけで稼ぐまで 今は嫌なことだけどやり続けて」と歌っていること。だからこそ、RYKEYの人間性がしっかりと浮き彫りになり、曲自体の説得力が増幅している。彼のリリックはどんなに強いワードを使っていても、その言葉の端々には優しさが感じられるのだ。
じん「JUVENILE」
※YouTubeウィークリーミュージックビデオランキング初登場69位
去年8月31日に始まった、ポケットモンスターと初音ミクのコラボレーション企画「ポケモン feat. 初音ミク Project VOLTAGE 18 Types/Songs」。これまでDECO*27の「ボルテッカー feat. 初音ミク」、稲葉曇の「電気予報」、Mitchie Mの「ミライどんなだろう」、ピノキオピーの「ポケットのモンスター」、cosMo@暴走Pの「戦闘!初音ミク」、傘村トータの「きみとそらをとぶ」、Gigaの「ガッチュー!」とコラボを展開し、大きな話題を集めてきた。
コラボ第8弾となる今回は「カゲロウデイズ」や「サマータイムレコード」などを手がけた
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