【元記事を音楽ナタリーで読む】

7ORDERのライブツアー「7ORDER LIVE [ONE,] - DUAL Endroll」が1月1日に東京・東京国際フォーラム ホールAで終幕した。この記事では12月30日に行われた東京・LINE CUBE SHIBUYA渋谷公会堂)公演の模様をレポートする。

【写真】プロジェクト“第1章”に幕を下ろした7ORDER

7ORDERは今年4月から6月にかけてグループ史上最大規模のライブツアー「LIVE TOUR 2023 DUAL」を開催。彼らの強みである“バンド×ダンス”の表現にこれまで以上にフィーチャーした内容のライブを展開した。しかしその後、森田美勇人がグループを脱退し、それを受けて6人は新たなグループの形を模索。6人体制初となるツアー「7ORDER LIVE [ONE,] - DUAL Endroll」をもって、2019年5月22日に発足した「7ORDER Project」の“第1章”の区切りとすることを秋にアナウンスした。

「7ORDER Project」第1章の“エンドロール”

2019年5月22日、7人は「7ORDER official Movie」と題された1本のムービーとともにプロジェクトの始動を発表。そのムービーに使用されていたのが真田佑馬(G, Vo)が作曲を手がけたインストゥルメンタルナンバー「INTRO-ONE-」だ。舞台の中央に姿を現した真田が、この曲のギラつくようなリフを弾き始め、「7ORDER Project」第1章の“エンドロール”に位置付けられるライブは開幕。ループするリフに阿部顕嵐(Vo)が力強いラップを重ね、萩谷慧悟(Dr, Vo)のドラムが息ぴったりにイン。今度は諸星翔希(Sax, Vo)が熱いラップを放っていく。長妻怜央(Key, Vo)が軽やかに鍵盤を鳴らすと、安井謙太郎(Vo)が高らかに歌い、最後には諸星のサックスが吠えるように勇ましく響き渡った。

ステージに広がるのは、それぞれの個性的な歌や音が爆発したうえで、不思議とそれがぴったりと重なり合っていく7ORDERの世界。オープニングからメンバーは観客をそのオリジナルな世界観へと引き込み、なだれ込むように「Power」へ突入。ラップとボーカルの激しい掛け合いと、熱のこもった演奏を繰り広げ、みなぎるエネルギーを増幅させていった。「Power」が終わると一瞬の間を置いて、安井、阿部、諸星の3人が向かい合って「ここから Change it! Change it!」と一斉に「LIFE」を歌い始める。「LIFE」は「7ORDER Project」始動のきっかけとなった舞台「7ORDER」で最初に披露された“始まりの歌”。ストレートな演奏と剥き出しの歌の熱さにつられるように、客席に広がるカラフルなペンライトの光が一段と大きく揺れた。

その後、キャッチーな振付を観客と踊るサマーチューン「SUMMER様様」や、横ノリの心地のいいリズムが印象的なナンバー「F」といった曲が続き、会場の一体感は高まっていく。「&Y」ではメンバーが楽器の位置を離れ、ソロダンスやペアダンスを流麗に披露。2番になると再びバンドスタイルに移り、裏拍のビートに合わせて艶やかなアンサンブルを艶やかに紡いだ。

スペシャルゲストとのコラボパフォーマンス

一度メンバーがステージをあとにすると、ここでスペシャルゲストとして、ヒップホップクリエイティブ集団・Beat Buddy Boiより「&Y」の振付を手がけたRYOが登場。RYOはMPCを使い、「&Y」を軽やかにリミックスして紡ぎ始めた。すると阿部がステージに現れ、RYOの隣で勢いよくラップを展開。さらに同集団よりgash!もステージに加わり、最後には7ORDER、RYO、gash!の8人で迫力のあるダンスを繰り広げた。

RYOとgash!の2人がステージを去ったあと、ダンススタイルのまま7ORDERは「Heavy」をクールにパフォーマンス。そしてメンバー4人のキレのあるダンスをバックにした阿部と長妻のユニット曲「カシス」を経て、メンバーは7ORDERの楽曲の中でもダンススタイルの代表的ナンバー「Make it true」「MONSTER」をダイナミックに踊り、オーディエンスを魅了した。

会場が暗転するとソファーと白いイスが運び込まれ、ステージセットがチェンジ。誰もいない舞台を7本のスポットライトの光が照らし出した。ステージに姿を現したのは長妻と安井の2人。長妻が鍵盤でメロディアスな音色を紡ぎ、ハスキーな歌声で歌い始めたのは「Rest of my life」だ。そんな長妻の姿を優しい表情で見ながら、安井はソファーに腰掛けて艶のある歌声を重ねる。さらに阿部、萩谷、真田、諸星が順番に1人ずつ舞台に登場してイスに腰掛け、長妻の鍵盤の音色に乗せて美しいハーモニーを響かせた。

和やかなMCタイムを経て、メンバーは「Sabãoflower」でライブを再開。客席の通路を歩きながら楽しげにこの曲を歌い、最後には銀テープがキラキラと舞う美しい景色の中でジャンプした。「BOW!!」では観客とコール&レスポンスを繰り広げ、より深くコミュニケーションを取っていく。大きなシンガロングを受け取り、安井は「渋谷、めっちゃ声出てた! ありがとう!」と声を弾ませた。さらに彼らはエネルギーを爆発させるように「Break it」を演奏したあと、7ORDERのダンス&ボーカルグループとしての強みを象徴するナンバー「Get Gold」をプレイ。曲中にバンド形態からダンス形態に変化し、そしてまたバンドへと戻っていくという異色の構成であり、彼らにとって原点のスタイルとも言えるこの曲を投下し、会場を大きく沸かせた。

笑ってても泣いてても、そこにいてくれてありがとう

ライブ終盤を迎え、安井は「みんな今日はこの場所、この時間を選んでくれて本当にありがとう。この『7ORDER LIVE [ONE,] - DUAL Endroll』というライブをやるにあたって、どういうライブがいいかなとみんなで話しました。みんなと一緒に2019年5月22日から始まった7ORDERを、ちゃんと振り返ってみて、めっちゃ楽しかったなと思って」と話を切り出し、「もちろん寂しいなと思うことがあっても全然いいと思う。俺たちもそうだし。でも、それ以上にめっちゃ楽しかったなと、みんなと一緒に見返すことができて楽しかった。何よりこのライブで、今、楽しいなと思っています。もちろん今日ライブに来てくれるみんながみんな、もしかしたらそういう気持ちじゃないかもしれないけど、それはそれでよくて。一瞬でも今日来てよかったって思ってもらえたらと思って、今日ステージに立っています」と明るく話す。そして「2023年、最後に素敵なライブができたのは間違いなく、この席に座ってくれてるあなたのおかげです。今どんな気持ちでもそこにいて、笑ってても泣いてても、そこにいてくれてありがとう。みんなとだから、あなたとだから、今日こんなライブができました。“楽しい”という気持ちを僕たちにくれて、本当にありがとう」と感謝の思いを述べ、「最後に、伝えたいことは歌で伝えたいと思うので。僕たちの今の気持ちを聞いてください」とまっすぐに語った。ラストナンバーは熱い衝動を注ぐスケール感のあるロックナンバー「agitate」。熱い思いを叫ぶようにこの曲をプレイし、6人はステージを去って行った。

アンコールを求めるコールと拍手に呼ばれ、再びステージに登場した彼らは、これから先の新たな7ORDERを想起させるインストゥルメンタルナンバー「One more round」をエモーショナルに演奏。そしてゲストのRYOとgash!を呼び込み、2チームに分かれて組体操対決を繰り広げる場面もあった。この日は7ORDERにとって2023年最後のライブということで、安井は「みんな思い残すことない? 大丈夫?」と観客に呼びかける。「ただの月跨ぎじゃんとか思ってるタイプ? 0時になるとジャンプとかはしてない? あんまり大事にしてない?」と安井が話を続けると、阿部から「足掻いたほうがいいな」という言葉が。それをきっかけにメンバーは「足掻け!」と口々に叫んだ。「足掻けるかー!」と安井が煽り、最後に届けたのは「雨が始まりの合図」。歌詞のところどころを「足掻け」と変えて歌う、7ORDERらしいお茶目な部分を見せ、メンバーは笑顔ですべてのパフォーマンスを終えた。

最後の挨拶では長妻が「1年通して運がよかったなと思うんですよ。何がいいかって、昨日顕嵐とお風呂に行ったんですよ。そこで先着20人しか入れないサウナがあったんです。抽選でくじを引いていくんですよ。黒い札が割り箸に付いてたら当たりみたいな。僕と顕嵐……どっちも抽選を勝ち取りました!」と運のよさをアピール。「だから、僕と顕嵐がいれば、まあなんとかなるでしょう。運担当でもあるんで。皆さんのことも運で、こうしますわ」と手で引き上げる動作を見せた。安井は「運がなかったら俺らはここにいないから。みんながいてくれることも、俺らが持ってる運。俺らと一緒にいるみんなも運がいい。運がいいと自分で思ってれば、運がよくなるから」と述べ、「なんか俺らご利益の人たちみたいになってる? 幸せの水は売らないから!」と自身に突っ込みつつ、「2024年最高のスタートを俺たちと一緒に切ってください!」と挨拶してライブを締めくくった。

セットリスト

7ORDER「7ORDER LIVE [ONE,] - DUAL Endroll」2023年12月30日 LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)

01. ONE
02. Power
03. LIFE
04. SUMMER様様
05. F
06. &Y
07. &Y Dance/Rap
08. Heavy
09. カシス~Make it true~MONSTER
10. Rest of my life
11. Sabãoflower
12. BOW!!
13. Break it
14. Get Gold
15. agitate
アンコール
16. One more round
17. 雨が始まりの合図

※記事初出時、本文とキャプションに誤りがありました。お詫びして訂正いたします。

Photo by Masanori Naruse、Tomoya Tany Taniguchi、REALY(RAW Climb)

「7ORDER LIVE [ONE,] - DUAL Endroll」1月1日の東京・東京国際フォーラム ホールA公演の様子。