東北楽天ゴールデンイーグルス監督の田尾安志氏が自身のYouTubeチャンネルで、山川穂高選手獲得への発言が批判されている福岡ソフトバンクホークス王貞治球団会長について語った。

■王会長への批判に田尾氏が…

田尾氏は王会長が5日、福岡ペイペイドーム内で行われた鏡開きで山川選手の獲得について「社会的な制裁も受けて本人もかなり反省している」「挽回するチャンスを与えてやるべきだと思う」と発言し、一部から批判を浴びていることに「王さん、つらいな」と言及。

そして「僕なりの考えをみなさんにお伝えしたいと思うんですね。王さんは今、ソフトバンクの会長という形で役職につかれておりますから当然、ソフトバンクのチームを強くしたい。 そういうなかで山川がほしいというようなことを考えるというのが、ありきたりなことなんです」と指摘した。

 

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■山川選手は「力のある選手」

さらに田尾氏は「王さんの言われている山川という選手。 これはやっぱりプロ野球界でやっていける力のある選手」と山川選手を評価する。

そのうえで「それを事件でもう全くチャンスを与えないというのは、野球界としては良くないっていうようなことで、そういうことも加味して今回ソフトバンクでとったというふうに、僕は素直に思っております」と語った。

 

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■山川選手の行動に苦言

山川選手の行動に田尾氏は「西武ファンの人たち、そして西武球団。 お世話になった人たちにまず謝罪コメント、そういう場をなんとか作って表に出て、西武に対しての自分の考え。そういうものをしっかりとしゃべらなかったのが1つ、いろんなものにつながっていってるのかなという気がしました」と指摘。

続けて「そこ(西武での説明)が抜けたなかでソフトバンクが山川をとったということで、推測の余地ですけど、意見が飛び交ったという気がします」と話す。また、東北楽天ゴールデンイーグルス監督時代のエピソードなどを明かし「王さんは1球団の利益だけを考えている人ではない」と力説した。

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■「そんな小さいことで…」

その後も王会長の人柄などを語った田尾氏は「王さんが厳しいコメントをされているのを聞くと、僕としては寂しくなってしまう。ソフトバンクが強くなるためにほしかったんだろうと書かれているのもありましたけど、そんな小さいことだけでは動かない人だと思う」と指摘する。

そして「山川選手がソフトバンク入団のときには自分の口でいろいろ考えを伝えておりましたけれども、もう1回西武球団に対して 一言でも言っていれば、もう少し皆さんにも理解してもらえたのかなというふうに感じてるところですね 」とコメントしていた。

 

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■獲得が賛否両論に

山川選手は昨年、シーズン中に強制性交などの容疑で警視庁により東京地検へ書類送検され、9月に嫌疑不十分で不起訴処分に。

西武球団から無期限の出場停止処分を受けていた同選手は11月にFA権を行使。球団公式サイトに「FA宣言をして他球団の話を聞くことで自分自身を戒めることになる」という趣旨のコメントを発表したものの、「西武・山川」として公の場で事件について説明することはなかった。

それだけにソフトバンクが山川選手を獲得したことについてはライオンズはもちろんホークスファンからも批判的な声が。一方で王会長のように「チャンスを与えてほしい」という意見もあり、賛否両論となっている。

■田尾氏が王会長への批判に反論

王貞治会長への批判は「寂しい」 田尾安志氏が持論、山川穂高の行動に苦言