やはり歴代最低だったか――。昨年末のNHK紅白歌合戦の視聴率のことである。

 平均視聴率は、1部29.0%、2部が31.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。2部制となって以降、2部はそれまで最低だった2021年の34.3%を更新した。旧ジャニーズ勢が排除されたことが要因だとする報道もあるが、これに反論するのはテレビ誌記者だ。

「もはや、なにわ男子が出ようと、SixTONESが出ようと、視聴率がグンと上がるとは思えない状況です。ジャニーズ性加害問題によって、テレビ側の忖度に嫌気がさした視聴者は多数いると思います」

 加えて紅組の圧勝だったことについても、旧ジャニーズ勢が出なくなったことによるもの、との見方がある。

「いや、そうではないと思いますよ。YOASOBIの『アイドル』は、とりわけ素晴らしかったと評判です。歴代のアイドルがコラボして歌を繋いでいく演出は見事でした。これまでとは違った挑戦もあり、次回の演出が楽しみになった、という視聴者は多かったようです。今後はジャニーズがいたらできなかった演出や出演者のコラボが、これからの紅白歌合戦、ひいては日本の歌謡界を飛躍させるのではないかと感じています」(音楽番組関係者)

 だがここで、そもそも論が浮上。

「私の周りの20代、30代の人たちで、テレビを持っている人はほとんどいません。紅白だけでなく、全てのテレビ番組を見ていないわけです。好きなアーティストが出たらそのコンテンツを見たいとは思いますが、YouTubeでなんとかなりますし。今後の紅白ですか? ひとつの事務所にこだわらず、やりたいようにやるべきだと思いますし、それが若者の心に刺さるのではないでしょうか」(30代OL)

 ひとつの転換期を迎え、その方向性が示されたような気がする。

(小津うゆ)

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