BTS(防弾少年団)が世界的ポップアイコンになるまでの軌跡を収録したドキュメンタリーシリーズ「BTS Monuments: Beyond The Star」(毎週水曜2話ずつ配信)の第5話、第6話が、1月3日に配信された。同作は、2013年6月13日にシングル「NO MORE DREAM」でデビューする以前からの映像が収められ、RM、JIN、SUGA、J-HOPEJIMIN、V、JUNG KOOKの7人のインタビューや当時の映像とともに振り返る構成になっている。第5話「ウエルカム!」、第6話「再始動」では、音楽・エンタメ業界に多大な影響を及ぼした新型コロナウイルスに阻まれ、一度は離れ離れになってしまったARMY(BTSファンの愛称)との再会を果たした大型コンサートにて、胸が熱くなる瞬間が多々訪れた。(以下、ネタバレを含みます)

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■“地球規模”のオンラインコンサート開催

下積み時代の努力の積み重ねを経て、アメリカを中心に世界へ羽ばたき始めたBTS。文字通り、乗りに乗っている状態の彼らだが、世界中を未曾有の事態に陥らせた新型コロナウイルスの影響は免れなかった。ただ、コロナ禍でも黙ってその時を待つのは彼ららしくない。一度は中止になってしまった世界ツアーをオンラインコンサートとして地球規模で同時配信をするなど、常にポジティブにファン、そして自らを勇気付けてきたのだ。

第5話の冒頭では、米・ロサンゼルスで開催された約2年ぶりの有観客公演「BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE」でのリハーサルの模様が映し出された。J-HOPEは「とても恋しかった。ステージに立つことを渇望していた」と語り、次の舞台がいつになるのか不透明な状況下で、日夜練習に臨む彼らの真摯(しんし)な姿がとても印象に残る。

「今回のコンサートは最初から最後まで息をつく暇もない」(RM)、「自分たちの熱意、情熱、やりたかったことがようやく見てもらえる」(V)、「コンサートは歌手と観客で一緒に作り上げる。観客の応援に自分たちが応える、相互作用があると思うので、充分にそれを楽しんでほしい」(SUGA)など、メンバーそれぞれがこの2年間待ち続けてきた、ファンとの再会、有観客公演への思いを口にしコンサートの幕が上がった。

2020年にリリースした「Dynamite」以降も「Butter」「Permission to Dance」(ともに2021年)と、全世界を熱狂させるヒットチューンを生み出し、コロナ禍の2年間で国内外での人気をさらに獲得してきたBTS。名実ともに世界レベルのトップアーティストとして成長した彼らはついに2021年の「アメリカン・ミュージック・アワード(AMA)」で、最も活躍したアーティストに贈られるアーティスト・オブ・ザ・イヤーを受賞した。

アジア出身のアーティストで同賞を受賞するのは彼らが初となり、テイラー・スウィフトやアリアナ・グランデなどのトップアーティストを抑えての快挙達成となった。受賞後、7人でシャンパンを飲みながら喜びを分かち合う姿が映し出され、まるで童心に帰ったようなはしゃぎぶりを見せていた。

■初の“歓声禁止”コンサートに戸惑いも

第6話では韓国へ戻り、ソウル最大規模の会場でもあるオリンピックスタジアムで開催された「BTS PERMISSION TO DANCE ON STAGE」での苦悩が映し出される。有観客公演ではあるものの、歓声禁止の条件下で開催された同コンサートは彼らにとっても、ファンにとっても初めての経験となった。コンサート前のサウンドチェックではメンバーが「こういう状況でのコンサートは初めてだけど、できるよ! みんなよろしくお願いします」とファンに優しく呼び掛け、ファンとの一体感を大事にするシーンも。

その後は、“ネクストステージ”に向けて準備するメンバーたち。中でもJINは自分とは異なる生活を送る友人たちのように「『平日は遊べない、休日は夜更かしできる』といったような生活を一度してみたい」と、異次元の環境で活躍し続けるトップアーティストのリアルな心情を吐露している。この10年間、目まぐるしい日々をグループとして過ごしてきた彼らが、今度は個人としてどんな姿を見せてくれるのか、最終回が楽しみだ。

BTS Monuments: Beyond The Star」は、毎週水曜2話ずつ最新エピソードをディズニープラスで独占配信中(全8話)。

◆文=suzuki

「BTS Monuments: Beyond The Star」は、毎週水曜にディズニープラスにて独占配信中/(C) 2023 BIGHIT MUSIC & HYBE