同窓会をきっかけに不倫関係に発展してしまうこともあるようです。当事者や巻き込まれた周囲の人たちは、どのようなトラブルに直面するのでしょうか。

弁護士ドットコムに寄せられた相談からは、深い傷を負った家族の嘆きもあれば、思いがけない展開となって慌てる当事者たちの弁明もみられました。、その一部を紹介します。

同窓会不倫→結婚、相手の元夫から慰謝料請求

まず当事者たちはどんなトラブルを抱えているのでしょうか。

同窓会で知り合った女性と不倫の末に結婚した男性の場合、相手の元夫からの慰謝料請求に困惑しています。

再会当初、女性は結婚していましたが、相談者から声をかけて不倫関係に発展し、女性は離婚することになりました。その時点ではバレていなかったものの、離婚後、元夫は婚姻中に不倫されていたことを知り、500万円の慰謝料を請求したといいます。

相談者は「離婚後でも、支払わなければいけないのでしょうか?」と心配しています。

同窓会不倫、相手が既婚者、不倫相手も複数いてショック

浮気は繰り返す、よく聞く話ですが、同窓会不倫でも珍しくありません。

ある女性(50代)は同窓会で、昔の恋人と再会しました。親からの反対で別れることになった相手で、再会した後は「ずっと私の事を忘れられなかった、愛している、との甘い言葉が届くようになりました」といいます。

女性は「甘い言葉が嬉しかったので、どんどん封印していた気持ちが蘇ってきて、不倫関係になりました。悪い事だとわかっていても、元々大好きな人でしたから、止まらなかったのです」と振り返ります。

お互いに家庭を壊すつもりはなく、「ただ好きでいてくれるだけで、良かった」という秘めた恋でしたが、ひょんなことから相手の携帯を見て、相手が自分以外の女性とも長年にわたって関係を持っていることを知りました。

「私だけ傷ついたような気持ちで、悔しくてなりません。もちろん、私は自分の家族を裏切ってしまい、申し訳なく思っています。このままでは、気が済みません」と嘆きます。

既婚者であることを隠して不倫する人は残念ながら珍しくありません。

同窓会で20年ぶりに再会した男性と1年3ヶ月不倫関係に陥ってしまったという女性。夫にバレると、夫は相手男性に慰謝料請求します。すると思いがけない展開に。

「弁護士の先生に依頼したところ、相手にも妻子がいることがわかったのです。私に対しては独身だと言っていたのですが。逆に相手の妻からW不倫だと訴えられてしまう可能性はあるのでしょうか」と不安を抱いています。

●学生の頃の交際相手と再会した夫「離婚しよう」

不貞を知らされた家族は、どう受け止めるのでしょうか。離婚する・しない、慰謝料請求する・しない、様々なケースがあります。

真剣な関係になったため、離婚を請求された人もいます。

夫が「学生の頃お付き合いしていた同級生と同窓会から浮気が始まりました」という女性からの相談も寄せられています。夫はその後、週1回程度、不貞相手と会うようになり、離婚申請をしてきました。

その時、夫は15年前、相談者が不倫したことを夫婦関係が破綻していた証拠だと指摘してきました。ただ相談者にも言い分はあります「その後、猛省し、家事、主人の母の介護も子ども達の教育、食事、弁当は30年毎日作りました」として、再構築したのであって、破綻した事実はないと反論しました。

●「相手を訴えたい」「相手の配偶者に知らせたい」

離婚を望まないものの、相手を訴えたい、あるいは相手の夫に知らせてダメージを与えたいと考える人たちもいます。

「夫が同窓会の幹事をしていた女と不倫を始めました」と相談を寄せた女性。この女性によれば、同窓会をきっかけに不貞行為が始まり、時には共通の友人カップルも交えて、4人で会うこともあったとみています。

「今は離婚を考えていませんが、まず相手の女を訴えるつもりですが、不倫を手伝った女の友達もなんとかならないかと思っています」と憤っています。

W不倫の場合、法的手続きを望まないケースもあります。

夫が中学時代の同級生と同窓会で再会し、約半年間、不倫していたという女性からの相談です。

「早い段階で別れてくれたのは良かったですが、あとから2人に怒りがわいてきました。どうしても気持ちがおさまらず、相手の女性の夫に知らせたいと考えています。しかし、こちらは現在離婚の意思はなく、向こうが離婚になれば、慰謝料はたくさん取られることや、夫の職場などに知らせたりする可能性もあり、匿名で、不倫の事実だけ知らせたいと考えています」

自分たち夫婦だけが不倫によって夫婦関係が脅かされたのに、相手は何のダメージもなかったことは許しがたいと考える人は少なからずいるのか、不倫に関する相談ではこのような悩みは珍しくありません。

不貞行為はないが「精神的苦痛で慰謝料を請求されそう」

一方で、「不貞行為はないが訴えられた(訴えられそう)」という相談も複数寄せられています。

ある女性は「同窓会のあと、男女5人で3つの布団に寝て、私の隣で寝ていた男の嫁に慰謝料を請求されそうです」と明かしました。不貞行為はないものの、「話をしながらじゃれあっていたのは事実です」といい、この状況で相手の妻が不信感を抱くのはやむを得ないことのようにも思えます。

また別の相談者は、既婚者と同窓会後にホテルに行ってしまったそうです。ただ「同窓会の後でお互い酔っていたのは確かです。もともと地元の同級生でなんでも話せる仲の良かった関係で、本当に成り行きでした。キスやハグをしてしまったのも事実ですが、ふと正気になってそのままホテルをさりました」として、不貞は否定します。ところが、その事実を知った相手の妻から慰謝料請求されてしまったそうです。

離婚後に交際したのに、夫の前妻から不倫の疑いをかけられた人もいました。

同窓会で再会した当初、夫には妻子がいました。不貞はしていないのですが、連絡はとっていたため、元妻は私との不貞を主張していました。ただそのような事実もなく、証拠もなかったため、慰謝料は払わず夫との離婚が成立しました」

その後、相談者は離婚をしたことを知ってから夫と付き合い始め、結婚して子どもにも恵まれます。そのため、元妻に養育費の減額請求をしたところ、「元妻は慰謝料の請求をしてきました。私と結婚したことで当時不貞をしていた事が確実だと思ったみたいです」といい、どうしたら不貞ではなかったことを信じてもらえるのか頭を抱えています。

●父の不倫を知った母がうつ病

当たり前ですが、不倫は家族にも大きな影響を与えます。最後に、同窓会をきっかけに父親が不倫してしまったという人からの相談を紹介します。

相談者によれば、事実を知った母はうつ病となり「バッグの中に包丁を入れて自殺しようとするなど、不倫相手のせいでひどい状況になっております」といいます。両親は離婚していないものの、父は家を出て、相手女性との同棲を始めてしまいました。そこで、父親に目を覚ましてもらうためにも、相手の女性に別れるよう文書を送りたいと考えているそうです。

もし同窓会で不倫の誘惑にかられても、双方の家族のことも考えて欲しいものです。

同窓会不倫…身勝手な当事者の悩み、そして家族の怒り「略奪婚で元夫から慰謝料請求」「母はうつ病に」