遙か遠くを見据えるやしろあずき氏

漫画家のやしろあずき氏が、12月31日に開催された同人誌即売会コミックマーケット103」でサークル出展。日々、誹謗中傷を送ってくるいわゆる“アンチ”をサークルスタッフ(売り子)に起用するという魔手を計画するも、状況は二転三転し…。

 
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■前回のコミケで見せた“大岡裁き”

やしろあずきサークル

前回のコミックマーケット102時(8月13日)、かつて匿名で自身を誹謗中傷し続けていた“犯人”(写真左下)を売り子に起用し、話題を呼んだやしろ。

その際は、弁護士を通し投稿者を特定する「発信者情報開示請求」を行い、犯人を特定した上で直接コンタクト。慰謝料請求という示談ではなく「サークルスタッフとして無賃労働させる」という条件で和解し、実際に売り子として陣営に引き入れていた。

 

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■「忠誠度」低すぎる人材ばかり

それから4カ月。今回は「アンチを売り子として動員する」というテーマで、過去殺害予告などを送ってきた少々ハードな人材を探していたが、「全員に無視されてしまった」(やしろ氏)という。

その後「5年前からずっと呪詛(呪い)のようなDMを僕に送り続けていた人」の起用を一時明らかにしたものの、この人物は初っ端から「財布とか盗みます」とやしろ氏に対し宣戦布告するなど、忠誠度1程度しかない反骨の相ハンパない人材だった。

 

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■盟友2人が応援に

マナリス氏とやしろ氏

大方の予想どおりこの人物はドタキャンしたそうで、記者が現場に到着すると、やしろ氏、応援に駆け付けた『すき家』大好き一般人・マナリス氏(写真左)、そして滋賀県非公認ゆるキャラびわ湖くんという、統一感ほぼない3人がスクラムを組みサークル設営を進めていた。

その後マナリス氏は売り子もせずサークル内で牛丼を食べ続け、びわ湖くんは緑色と紫色の正体不明な「デスマフィン」を1000円で頒布。…この状況についてやしろ氏に質問したが、あまりにカオスな状況に記者はその回答をほとんど理解することができなかった(すみません)。

 

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■勝手に「捨ててやったぜ」

びわ湖くんが宣伝していたデスマフィン

そんなやしろあずきサークル。出展当日朝には、ちょっとした“良い話”もあったようで…。

「出展当日の朝、『お前の事嫌いだから、お前が来る前にスペースの上にあったチラシとか捨ててやったぜ』『椅子も勝手に降ろしてやったぜ!ざまぁ』と、DMがありました。スペースに来てみるとその文面通りになっており…」とやしろ氏。

コミケ出展経験者ならわかるが、スペースの机に置かれているチラシ整理・廃棄と椅子降ろしは、現場に着いて一番最初にやる作業なのである。つまり、その面倒な作業をやってくれた親切なファンが早朝からいたということだ。

その高い注目度ゆえ味方も敵も多いやしろ氏だが、制作した新刊を求めファンが列をなしあっという間に完売。今回も現場でSNS上で、十二分にファンを盛り上げてくれた。

 

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■執筆者プロフィール

キモカメコ佐藤:1982年東京生まれ。『sirabee』編集部取材担当デスク

中学1年で物理部に入部して以降秋葉原に通い、大学卒業後は出版社経て2012年より秋葉原の情報マガジン『ラジ館』(後に『1UP』へ名称変更)編集記者。秋葉原の100店舗以上を取材し、『ねとらぼ』経て現職。コスプレ、メイドといったオタクジャンル、アキバカルチャーからスポーツまで精力的に取材しつつ、中年独身ひとり暮らしを謳歌する。

【コミケ】やしろあずき氏、殺害予告してきた「アンチ」を売り子に起用? 現場で見た異様な光景