0時すぎには早速旅客機が飛び立ちました。

南風進入時の着陸設備が損傷

2024年1月2日に発生のJAL日本航空)機と海上保安庁機との滑走路上での衝突事故をうけ、閉鎖していた羽田空港C滑走路の運用が8日午前0時より再開されました。8日0時過ぎには早速、再開初便となるANAのNH160便(ニューヨーク行き)が、同滑走路を用いて離陸しています。

この事故はC滑走路上で着陸してきたJALのJL516便(新千歳発羽田行き。A350-900「JA13XJ」)と同滑走路上にとどまっていた海上保安庁機が衝突。2機ともに大破・炎上し、JAL機の乗客乗員379人は全員無事だったものの、海保機側の乗員5人が死亡しました。JAL機側の残骸の撤去は5日から進められ、同社によると、7日16時15分に撤去作業が完了したとのことです。

C滑走路は羽田空港でもっとも長い3360mで、欧米方面の長距離国際線の発着、北海道方面の国内線の発着を中心に多くの便をさばいていたことから、事故以来同空港発着便は、多くの欠航便が発生していました。

一方8日のJAL便は羽田~伊丹線、福岡線などを中心に14便が欠航。こちらについては「大規模遅延や事故処置などの対応により、一時的に体制が整わないため」としています。一方ANA便はこの日より、全便運航を決定しています。

国土交通省によると、C滑走路運用再開後、冬季に多い「北風時」については、施設の損傷などの問題はないことから、再開時点で事故発生前と同様の運用が可能となり、処理容量も天候にかかわらず事故発生前の水準に回復するといいます。

次に、「南風時」については、今回の事故により「PAPI(進入角指示灯)」と呼ばれる着陸設備が損傷したことから、常に計器着陸装置(ILS)を活用した悪天時の都心上空ルートの運用を行うとのこと。これにより、南風時の処理容量も天候にかかわらず事故発生前の水準に回復するとしています。この運用は、おおむね1か月程度続くとのことです。

羽田空港C滑走路を発着する旅客機(乗りものニュース編集部撮影)。