日本テレビ開局70周年記念舞台『西遊記』東京公演が2024年1月6日(土) から明治座で開幕。開幕を前にした5日(金)、同劇場でプレスコールと初日前会見が行われた。

2023年11月3日(金・祝) に大阪・オリックス劇場で幕を明けて以降、福岡公演、名古屋公演をすでに終えている。会見冒頭、孫悟空役を演じる片岡愛之助は、1月1日に起きた能登半島地震について「私たちもカーテンコールの最中に揺れに遭いました。本当にお気の毒と思っております」と述べつつ、「私たちにできることはお芝居でございます。お芝居をいつも以上に頑張って、皆さまに元気になっていただく。それしかできないので、全力で務めさせていただきます」と話した。

片岡愛之助

東京公演初日を前にした心境について、牛魔王役の松平健は「この芝居は地方をいろいろ回って、とてもいい作品に仕上がっております。それを東京の皆さまに観ていただけるのは嬉しい限り。今までにない素晴らしい舞台機構になっていますので、多くの人に観ていただきたいと思っています」。沙悟浄役の加藤和樹は「ようやく半分。ここからが本当の戦いだと思っています。我々役者もそうですが、スタッフさんは本当に休んでいない。とにかく怪我には気をつけて、さらに団結力を持って、この最高に素晴らしく、楽しく、笑顔になれる作品を1人でも多くの方に届けていきたいと思っています」と意気込みを述べた。

作品の見どころについて、猪八戒役の戸次重幸は「デジタルとアナログのバランスがいい感じに融合していることが素晴らしいと思います。例えば、筋斗雲(きんとんうん)。皆さん映像を使うしかないのではと思うと思いますが、ドリフのコント並のとんでもなくアナログな筋斗雲も出てきます(笑)。筋斗雲一つとっても、いろいろな見せ方をしているのが魅力の一つ」。鉄扇公主役の中山美穂は「細やかな演出が散りばめられています。個人的には、松平健さんと夫婦役として対峙するシーンがございます。気迫ある素晴らしいお芝居を観ながら、私もそれを受けてお芝居をするという責任ある役。とてもとても光栄です。その辺りも観ていただければ」と話した。

中山美穂

新年最初の公演。今年の抱負を問われると、愛之助は日本の漫画やアニメが海外で人気なことに触れつつ「みんなで『西遊記』の海外公演をしたいと思いますね」と話し、演出の堤幸彦は「大晦日も元旦も公演がありまして、年が変わった感は薄いのですが、今年69歳になるので、自分が本当に誇るべき作品と出会いたいという願望が強くありまして。この作品は出会えて良かったと思っている、思い入れが深い作品でございます。最後まで楽しみたいと思っています」と熱く語る。

また、取材の当日に誕生日を迎え38歳になった三蔵法師役の小池徹平は「ばたばたな日々が続くので、ふと時間ができたときに、三蔵法師ほど激しい旅でなくていいので、ふらっとのんびり旅をしたい」。一方で、玉竜役の村井良大は「今年からゴルフを始めることになりまして。正しいスイングをできるように頑張りたい」、紅孩児役の藤岡真威人も「なかなか時間がなかったのですが、今年こそは車の免許を取りたいと思っています」などと個性的な回答をしていた。

藤岡真威人

この日のプレスコールでは、1幕冒頭、孫悟空の登場から、悟空と白牛(映像)の掛け合い、天蓬元帥と捲簾大将らの大立ち回りまで、そして2幕の是空国の国歌斉唱、牛魔王と羅刹女の対決と、大きく分けて3場面が公開された。公開されたシーンを見るだけでも、歌にダンスに殺陣に、LEDの映像技術やフライングと豪華絢爛なステージであることが分かる。“スペクタクルエンターテインメント”の『西遊記』を2024年の観劇始めとしてみてはどうだろう。

取材・文・撮影:五月女菜穂

<公演情報>
舞台西遊記

脚本:マキノノゾミ
演出:堤幸彦

出演:
片岡愛之助 小池徹平 戸次重幸 加藤和樹 村井良大 藤岡真威人 田村心 曽田陵介
小宮璃央 柳美稀 押田岳 桜庭大翔 山口馬木也 藤本隆宏 中山美穂 松平健 ほか

【東京公演】
2024年1月6日(土)~1月28日(日)
会場:明治座

チケット情報:
https://t.pia.jp/pia/event/event.do?eventBundleCd=b2345234

公式サイト:
https://saiyuki-ntv.jp/

『西遊記』東京公演初日前会見より