この記事をまとめると
■映画などにバイクを供給するカスタムファクトリーが「Lazareth」だ
■「Lazareth」はかつて変形ギミックを備えた空飛ぶバイクを開発して大きな話題となった
■価格は6100万円で限定5台の生産を予定している
これぞ正真正銘の空飛ぶバイク!
空飛ぶ乗り物、世界中で大流行しはじめていますが、かつてフランスから決定版といえるマシンが登場していたことをご存知でしょうか。なんと、普段はEVバイクとして地上を走りながら、変形してジェットエンジンで飛行できるという、もはやヒーローの乗り物みたいなことになっています。
ドローンの親玉みたいに飛ぶアイデアやマシンはジャパンモビリティショーでもいくつか出品されていましたが、乗りもの好きに刺さるのは圧倒的に変形ジェットバイクに違いありません。
ジュネーブに隣接するフランス東部、アヌシーを拠点としたカスタムカーファクトリー「Lazareth(ラザレ)」は、これまでもマセラティのV8エンジンを搭載した4輪バイクや、ジャガーエンジンを使ったホットロッドなど、さまざまなぶっ飛びマシンを製作をしてきました。
フランスのヒット映画「TAXI」でも彼らのフルスクラッチマシンがたびたび登場するなど、じつはその世界では有名なファクトリーなのです。
むろん、顧客は世界中のビリオネアや王侯貴族で、だいぶ前から「空飛ぶ乗りもの」のニーズはキャッチしていた模様。とはいえ、代表のルドヴィク・ラザレ氏にとって、プロペラで飛ぶドローンの流用は最初からなかったとのこと。彼にとってプロペラ推力は「我慢できないほど遅い」のだそうで、このあたり、エンジンチューナーというか、生粋の乗りもの好きがうかがえるかと。
値段はたったの6100万円!
LMV496と名付けられた空飛ぶバイクは、そんな顧客の要請で5台が製作予定とされました。一般的なバイクでエンジンが搭載されている部分に見えるのは真っ赤なヘッドカバーですが、これはダミー。地上走行時は電動モーターを使用するものの、詳細は明らかにされていません。
ちなみに、LMV496のベースとなったのはLM847と呼ばれる前後ダブルタイヤの4×4バイク。マセラティのV8エンジンを搭載し、470馬力をシーケンシャルミッションを介して駆動するという、想像しただけでめまいを起こしそうな代物。
シルエットこそLM847に酷似するものの、LMV496には合計4機のジェットエンジンが搭載されており、1300ないし1600馬力相当のパワーを発揮するとされています。ジェットは4輪の各ホイールハブに装備されるほか、シート後方に5機めのジェットが収まり、推進力の底上げがなされるとのこと。
このマッシブなバイクが変形すると、前後4つのタイヤが地面に対し水平に広がるため、飛行形態はドローンのように見えますが、ジェット独特の超高音エキゾーストが耳に届けば、まったくの別物だと驚くはず。とにかく、変形シーンは男の子なら目をむくもので、トランスフォーマーやガンダム世代には刺さりまくること請け合いです。
また、離着陸シーンも公式映像として発表されており、見る限りはわりと安定してそう。試作機ゆえに、トップスピードや航続距離などは未公表ですが、ジェット燃料のタンクさえ大型化すればいいので、それこそ顧客の要望次第といったところでしょう。
なお、LMV496は試作機を含めて5台の限定生産で、お値段は日本円にして6100万円となかなかリーズナブルな設定となっていました。法整備がいつまでたってもままならない日本では、いつになったら乗れるのかはわかりませんが、バック・トゥ・ザ・フューチャーのデロリアンばりに変形&飛行できるLMV496、これからも目が離せません!
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