2024年最初の週末となった、1月5日から1月7日の全国映画動員ランキングが発表。前々週と前週に引き続き上位3作品の順位に変動はなく、『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』(公開中)が3週連続でNo. 1を勝ち取った。

【写真を見る】4作ぶりに劇場版に登場する怪盗キッドは“100億の男”になれるのか!?特別編集版には新規映像も満載

■新年も『SPY×FAMILY』旋風が止まらない!

公開3週目を迎えた『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』の週末3日間の観客動員は39万9000人、興行収入は5億5000万円。成人の日の祝日となった1月8日を含む公開18日間の累計成績では、動員329万人、興収44.1億円を突破している。

年末年始を大旋風と共に駆け抜けた同作からは、新たな動きが続々と発表になっている。まずは1月13日(土)から全国合計50万名限定で入場者プレゼント第2弾の配布が決定。今回配布されるのは原作者の遠藤達哉描き下ろしARイラストカードで、裏側に印刷されたQRコードを読み取るとアーニャが3Dで飛びだしてくる仕掛けで、アーニャのボイス入りの特別仕様。

また1月19日(金)からは、5都市9劇場(東京4劇場、大阪・神奈川・長崎・沖縄各1劇場)で英語字幕版付きの上映も決定。2024年も「SPY×FAMILY」の勢いはまだまだ続きそうだ。

一方で公開4週目を迎えた『ウィッシュ』(公開中)は、週末3日間で動員21万5000人、興収2億9400万円を記録し、累計成績では動員203万人・興収27億円を突破。近年のウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ作品との比較では、『塔の上のラプンツェル』(10)の興収25.6億円を上回り、『シュガー・ラッシュ』(12)の興収30億円を超えるのも目前。

また、公開5週目の『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(公開中)は週末3日間で動員18万8000人、興収2億4100万円を記録し、累計成績では動員229万人、興収28億円を突破。2010年以降に公開された松竹配給の実写劇映画では『8年越しの花嫁 奇跡の実話』(17)が興収28.2億円、『99.9 -刑事専門弁護士-THE MOVIE』(21)が興収30.1億円を記録しており、近日中にそれらを上回ることはほぼ確実なものとなった。

■劇場版シリーズの予習にぴったりの『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』が初登場

4位に初登場を果たしたのは、国民的アニメ名探偵コナン」のテレビエピソードを劇場用に再編集したTVシリーズ特別編集版『名探偵コナン vs. 怪盗キッド』(公開中)。今週は本作について重点的に取り上げていきたい。

4月12日(金)に公開を控える劇場版「名探偵コナン」シリーズ第27作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』の公開に合わせて、同作のキーパーソンとなる怪盗キッドの登場するテレビエピソードを集めた総集編となる本作。本編冒頭でコナンキッドが初対峙する第76話「コナンvs怪盗キッド」が新規映像となっているなど劇場版の予習としても一本の独立した作品としても楽しめる作品に仕上がっている。

名探偵コナン」の“特別編集版”は、『名探偵コナン 緋色の弾丸(21)にあわせて公開された『名探偵コナン 緋色の不在証明』(21)から始まった新たな試みで、今回が3作目。『緋色の弾丸』はコロナ禍の影響で1年の公開延期となり、それによって毎年ゴールデンウィークの定番となっていた「名探偵コナン」の伝統が途絶えることとなった。長いブランクを埋めるため、また少なからず映画館から遠のいていた固定ファンを取り戻すための新たな策という意味合いがあったのだろう。

特に『緋色の弾丸』は、原作ファンやテレビアニメを観ているファン以外にはあまり馴染みのない“赤井ファミリー”にフォーカスが当てられた作品とあって、彼らについて予習できる機会が与えられたことは非常に大きいものがあった。結果的に『緋色の不在証明』は最終興収12億4000万円の大ヒットを記録し、『緋色の弾丸』も興収76億5000万円と、当時シリーズ歴代3位の大ヒットを記録することに。翌年の『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』(22)では、劇場用の特別編集版は制作されなかった代わりに、「金曜ロードショー」で「名探偵コナン 本庁の刑事恋物語〜結婚前夜〜」が放送。

そして昨年の『名探偵コナン 黒鉄の魚影』(23)に合わせるようにして、灰原哀フォーカスした『名探偵コナン 灰原哀物語〜黒鉄のミステリートレイン〜』(23)が公開。こちらも初日から4日間で興収2億4600万円を超える見事なスタートダッシュを飾り、『黒鉄の魚影』はシリーズ初の興収100億超え。最終興収では138億3000万円に到達するメガヒットを記録することとなった。

アニメシリーズの放送開始から28年。作品の長期化に伴って登場人物の数も圧倒的に増え、特に近年の劇場版作品では人気キャラクターにフォーカスしたストーリーが展開している「名探偵コナン」。それだけに、新たな映画作品のたびに新規のファンを取り込むことができる「特別編集版」の需要は今後も高まっていくことだろう。

ちなみに『100万ドルの五稜星』で4作ぶりに劇場版シリーズに登場を果たす怪盗キッド。これまで『名探偵コナン 世紀末の魔術師』(99)、『名探偵コナン 銀翼の奇術師』(04)、『名探偵コナン 探偵たちの鎮魂歌』(06)、『名探偵コナン 天空の難破船』(10)、『名探偵コナン 業火の向日葵』(15)、そして『名探偵コナン 紺青の拳』(19)と登場しており、この6作品の興収は右肩上がり。

紺青の拳』は最終興収93.7億円で、シリーズ初の動員700万人突破作品。となれば、灰原哀が“100億の女”となったように、怪盗キッドも“100億の男”になれるだろうか。4月の公開を楽しみに待ちたい。

以下は、1~10位までのランキング(1月5日1月7日)

1位『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』

2位『ウィッシュ』

3位『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』

4位『名探偵コナン vs. 怪盗キッド

5位『エクスペンダブルズ ニューブラッド

6位『ウォンカとチョコレート工場のはじまり』

7位『ゴジラ-1.0

8位『パウ・パトロール ザ・マイティムービー

9位『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎

10位『PERFECT DAYS』

今週末はDC最新作『アクアマン/失われた王国』(1月12日公開)、西尾維新原作の「傷物語」シリーズ3部作を長編に再構成した『傷物語 -こよみヴァンプ-』(1月12日公開)、東野圭吾のベストセラー小説をWEST.の重岡大毅主演で映画化した『ある閉ざされた雪の山荘で』(1月12日公開)、和山やまの同名マンガを映画化した『カラオケ行こ!』(1月12日公開)。そして、興収52億円を突破した『ゴジラ-1.0』のモノクロ映像版『ゴジラ-1.0/C』(1月12日公開)が控えている。

文/久保田 和馬

『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』が3週連続でNo. 1に!/[c]2023「劇場版 SPY×FAMILY」製作委員会 [c]遠藤達哉/集英社