ジャック・ハーロウの「ラヴィン・オン・ミー」が返り咲き、2週目の首位を獲得した、今週の米ビルボード・ソング・チャート。

 2023年12月2日付で1位に初登場した「ラヴィン・オン・ミー」は、翌週からホリデー・ソングが上位にランクインしたため、5週間トップの座を明け渡すことになったが、今週は集計期間(2023年12月29日~2024年1月4日)がクリスマス・ウィーク以降初のチャートということで、ホリデー・ソングが一掃されて先週の9位から1位に上昇し、2週目の首位を獲得した。

 「ラヴィン・オン・ミー」は、今週ストリーミングが2,990万回(13%増加)、エアプレイが5,230万回(1%増加)、セールスは8,000(10%増加)をそれぞれ記録して、ストリーミング・ソング・チャートでは先週の19位から1位に、通算3週目の首位を獲得した。また、その週最も伸びた曲に贈られるStreaming Gainerも獲得している。

 その他、エアプレイ・チャートでは5位をキープして、R&B/ヒップホップ・ソング・チャートとラップ・ソング・チャートではそれぞれ8週目の首位を獲得した。

 ジャック・ハーロウにとっては、「インダストリー・ベイビー with リル・ナズ・X」(2021年 / 1週)、「ファースト・クラス」(2022年 / 3週)に続く3曲目の首位獲得で、2021年以降4年間連続で首位を獲得した初のアーティストとなった。2021年以降では、その他にテイラー・スウィフトドレイクマライア・キャリーの3組が3年間(2021~23年)連続でそれぞれ1位を獲得している。

 「ラヴィン・オン・ミー」には、1995年にリリースされたキャデラック・デール(デルバート・“デール”・グリアー)というアーティストの「ホワットエヴァー」がサンプリングされていて、同曲も間接的に初のランクインと首位を獲得したことになる。なお、ジャック・ハーロウは昨年4月に最新アルバム『ジャックマン.』をリリースしているが、本作には「ラヴィン・オン・ミー」は収録されていない。

 前述のとおり、今週のチャートは前週までランクインしていた41曲のホリデー・ソングが一掃されて、各曲が圏外からTOP10に返り咲いている。

 昨年の10月から11月に通算4週の首位を獲得したテイラー・スウィフトの「クルーエル・サマー」は、先週の19位から2位にジャンプアップして、エアプレイ・チャートでは11週目の首位を獲得(7,260万回 / 13%増加)。アダルト・ポップ・エアプレイ・チャートでも今週18週目の首位を獲得して、昨年マイリー・サイラスの「フラワーズ」が打ち出した17週を上回り、女性アーティストとしては史上最長記録を更新した。

 テイト・マクレーの「グリーディー」も先週の24位から3位に上昇して、2023年12月2日付で記録した7位を上回り、自己最高位と初のTOP3入りを果たしている。

 ドージャ・キャットの「ペイント・ザ・タウン・レッド」は先週の29位から4位、ザックブライアンの「アイ・リメンバー・エヴリシング feat. ケイシー・マスグレイヴス」も31位から5位にそれぞれジャンプアップして、後者はロック&オルタナティブ・ソング・チャートで19週目、ロック・ソング・チャートで18週目、カントリー・ソング・チャートでは15週目の首位をそれぞれ獲得した。

 6位にはシザの「スヌーズ」が返り咲き、R&Bソング・チャートでは23週目の首位を獲得。7位には南アフリカ出身の女性シンガー=タイラの「ウォーター」が先週の32位からジャンプアップして、2023年12月2日付で記録した10位を上回り、自己最高位を更新している。

 モーガン・ウォレンの「ラスト・ナイト」は36位から8位、ルーク・コムズの「ファスト・カー」も47位から9位にそれぞれTOP10に返り咲き、今週は5位のザックブライアンを含めTOP10に3組男性カントリー・シンガーの曲がランクインした。「ファスト・カー」は、前週から24%増加の4,630万回を記録して、今週最も伸びた曲に贈られるのAirplay Gainerを獲得している。

 続いて今週10位には、ドージャ・キャットの新曲「アゴラ・ヒルズ」が先週の35位から上昇。今週はエアプレイが3,900万回、ストリーミングは1,170万回、セールスは1,000をそれぞれ記録して、最高位更新と初のTOP10入りを果たした。

 「アゴラ・ヒルズ」は、2023年10月に発表した最新作『スカーレット』からカットされたシングルで、昨年の9月から10月に通算3週間1位を獲得した「ペイント・ザ・タウン・レッド」に続き2曲連続のTOP10入り、以下に続く通算9曲目のランクインとなる。

1位「セイ・ソー feat. ニッキー・ミナージュ」(2020年)
3位「キス・ミー・モア feat. シザ」(2021年)
8位「ニード・トゥ・ノウ」(2021年)
2位 アリアナ・グランデ「34+35 feat. ドージャ・キャット&ミーガン・ザ・スタリオン」(2021年)
7位「ウーマン」(2022年)
3位 ポスト・マローン「アイ・ライク・ユー(ア・ハッピー・ソング)with ドージャ・キャット」(2022年)
10位「ベガス」(2022年)
1位「ペイント・ザ・タウン・レッド」(2023年)
10位「アゴラ・ヒルズ」(2024年)

Text: 本家 一成

※関連リンク先の米ビルボード・チャートは1月12日以降掲載予定となります。

◎【Hot 100】トップ10
1位「ラヴィン・オン・ミー」ジャック・ハーロウ
2位「クルーエル・サマーテイラー・スウィフト
3位「グリーディー」テイト・マクレー
4位「ペイント・ザ・タウン・レッド」ドージャ・キャット
5位「アイ・リメンバー・エヴリシング」ザックブライアン feat. ケイシー・マスグレイヴス
6位「スヌーズ」シザ
7位「ウォーター」タイラ
8位「ラスト・ナイト」モーガン・ウォレン
9位「ファスト・カー」ルーク・コムズ
10位「アゴラ・ヒルズ」ドージャ・キャット

【米ビルボード・ソング・チャート】ジャック・ハーロウ「ラヴィン・オン・ミー」通算2週目首位、ドージャ・キャット「アゴラ・ヒルズ」初TOP10入り