アニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」のプロデューサー役や、アニメ「KING OF PRISM -Shiny Seven Stars-」の大和アレクサンダー役、映画「アナと雪の女王2」(日本語吹替版)のオラフ役など、数々の人気作に出演し、魅力的な低音ボイスを持つ、人気若手声優・武内駿輔。近年では、バラエティー番組で福山雅治や人気キャラクターのモノマネ、さらにはハイレベルな歌声までも披露するなど多彩なレパートリーを見せ、その再現力の高さは“声優界のモノマネ王”とも呼ばれるほど。毎週水曜に配信中の「ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-」では、奥平大兼演じる主人公のタイムと共に旅するドラゴン・ガフィンの声を担当。愛らしいドラゴンの声を好演している。今回は声優だけにとどまらず、バラエティー番組でもファンを魅了する武内について紹介する。

【写真】かわいい…!武内駿輔が声を吹き込むドラゴン・ガフィンのアニメ版ビジュアル

ハリウッド俳優に憧れた幼少期

現在26歳の武内は、幼少期の頃に両親の影響で「ルパン三世」「マジンガーZ」といった昭和アニメに興味を持ったそう。10歳の頃に見た映画「ダークナイト」(2008年)のジョーカーを演じていたヒース・レジャーに憧れ、当時洋画が好きだったことから「吹替だったらハリウッド映画に出られるかもしれない」と思ったことを機に、声優の道を目指した。声優養成所へ入所後、2013年に出演したラジオ番組「ニッポン朗読アカデミー」で声優デビューを果たす。

2015年にはアニメ「アイドルマスター シンデレラガールズ」のプロデューサー役に抜てきされ、一躍注目を浴びる。アイドルプロデューサー役ということで、役作りの中で秋元康にも影響を受けたという。さらに黒いスーツを着こなし、安定感のある低音ボイスで話す劇中での姿と当時17歳で現役高校生だったというギャップに驚く人が続出。以来、“武内P”の愛称で幅広い世代から人気を獲得した。

同作の演技で、1年で最も活躍した声優に贈られる「第十回声優アワード」では新人男優賞を受賞し、声優界での知名度も徐々に上げていった。

その後もテレビアニメ作品を中心に着々とキャリアを積み重ね、2019年に公開された映画「アナと雪の女王2」では、人気キャラクター・雪だるまオラフの吹替版を担当。武内はシーズン2からオラフ役を受け継いでおり、声優が変わったとは思えないほど全く違和感を感じさせず、オラフの歌唱シーンでは持ち前の美声を披露するなど、完璧に新生オラフを演じきった。その声を聞いたファンや視聴者からは、変幻自在に声を操る武内を称賛する声が多かったことも印象強い。

モノマネのほうでもブレイク

声優としてブレイクする一方で、「水曜日のダウンタウン」(TBS系)などのバラエティー番組では、声を武器に活動の幅を広げている。同番組の企画で披露した福山雅治の歌モノマネには、あまりのリアルさと完成された歌声に共演者たちも拍手喝采。ちなみに、モノマネは神奈月仕込みで、モノマネの師匠としても名を挙げている。

初出場初優勝を果たした2021年からの連覇を狙って参加した「ものまねグランプリ ザ・トーナメント2022」では、声優の大先輩・山寺宏一を目の前に、山寺が吹き替え版を担う映画「アラジン」(1992年) の人気キャラクターでランプの魔人・ジーニーを披露。武内の完成度の高さと才能に山寺は「シャレにならないです。僕が一番(彼が)似ていることがよく分かる。すごいです!」と、後輩の才能をべた褒めしていた。

■主人公を支える小さなドラゴンを熱演

そんな武内は「ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-」(ディズニープラスで独占配信中)で、主人公のタイムを支える小さな青いドラゴン・ガフィンの声を担当。アニメーションと実写を融合して描く同物語で、どちらのパートにも登場するガフィン。タイムやナギ(中島セナ)らのそばで小さく佇む姿やタイムに懐く姿にSNS上では「ガフィンがかわいい」「姿が愛らしい」と、ガフィン人気の声も高い。これまでの作品では低音ボイスを生かした役柄が多かったため、同作では武内のかわいらしい声も堪能できる。アニメ声優、吹き替え、そしてモノマネと高いレベルでこなす、マルチプレイヤーの今後に期待したい。

なお、「ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-」は、ディズニープラスのスターで毎週水曜に新エピソードを独占配信中(全8話)。

◆文=suzuki

武内駿輔/※2023年ザテレビジョン撮影