「めんどくさい」は人生の大敵。
この感情さえなければ、私たちは怠けたりサボったりせずにいられる。ダイエットはリバウンドすることなく成功し、仕事は前倒しに片付けることができ、忙しい中でも自由な時間を捻出することができる。

しかし、「めんどくさい」は人間の背負った業のようなもので、ほとんどの人はこの感情に負けてしまう。どうにかすることはできないのだろうか?

◾️人類の大敵「めんどくさい」の正体

そもそも「めんどくさい」という感情の正体はなんなのだろう。それを解き明かしているのが『「めんどくさい」が消える脳の使い方』(菅原洋平著、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)である。

めんどくさい感情は、無駄にエネルギーが使われたり、使えるエネルギーが少なかったりするときに出現します。(中略)脳の立場からもう少し正確に表現してみると、それは、今の状況や未来の姿が「わからない」ということです。(P 29より)

本書によると、脳が使えるエネルギーのうち、自ら意識して行動や思考したりするときに使えるエネルギーは全体のわずか5%。残りの95%はこれから起こることを予測して備えたり、記憶を固定したりあるいは消去したりといった「無意識」の活動に使われている。

そもそも、意識して使える脳のエネルギーが限られている。もっとたくさんのエネルギーが使えるのならば「めんどくさい」という感情が生まれることは少ないはずだ。

◾️「めんどくさい」を回避するために知るべき脳の特性

先述のように、脳のエネルギーが無駄に使われたり、使えるエネルギーが少ない時に「めんどくさい」感情が出現する。そして使える脳のエネルギーは限られている。

ではどんな時に脳のエネルギーは「無駄」に使われるのだろうか。一つは「初めて」の場合である。初めて会う人、初めて行く場所、初めて着る服、などなど、「初めて」のものは、その先がどうなるか、脳は過去の記憶から予想ができない。「わからない」が脳を消耗させてしまうのだ。

だから、「めんどくさい」を遠ざけるには、初めてのものを一つでも減らすことが効果的なのだという。

もう一つは「自分の安全が脅かされた」場合だ。間に合わないと怒られる資料作り、急かされている作業など、失敗すると罰を受ける意識を持ってしまう作業は、やる気が起こらず、体は危機が過ぎ去るのを待つモードに入ってしまう。

とはいえ、仕事はそんな作業ばかり。だから、あなたに振られたその作業が「誰のどんな役に立つのか」を知っておくと面倒くささを回避しやすい。その作業にプラスの意味合いを見つけるのだ。

本書では、「めんどくさい」を日常から減らすための知識とノウハウを授けてくれる。誰にでもある「めんどくさい」は、明確な対処法がある。それを知っておくことは仕事にも試験などの勉強にも役立つはずだ。

(新刊JP編集部)

毎日の大敵!「めんどくさい」から自由になる秘訣(*画像はイメージです)