政府は、2024年夏の段階で、賃上げや減税*などによって国民の所得増を掲げていますが、メディアやネットでは様々な議論が巻き起こっています。そこで、株式会社I-House(本社:東京都港区)が運営する、住まいのメディア『mitaina』では、「もし本当に所得が増えたら、何にお金を使いたいか」について会社員200名にアンケートを実施しました。

「令和版所得倍増計画」が発表された2年前のアンケートとの違いについても触れながら、調査結果についてまとめました。

詳細:https://mitaina.tokyo/topics/209989/

  • アンケート調査概要

調査対象:20代以上の男女

調査期間:2023年11月24日~2023年12月3日

調査人数:200人(男性 105人 / 女性 95人・20代 31人 / 30代 74人 / 40代 61人 / 50代 28人 / 60代 6人)

  • 実際に所得が増えると回答したのはたった19%

上記は「政府が掲げる所得増政策でどれほど所得が増えると思いますか?」という質問のアンケート結果です。

政府の意向と反し、「変わらない」と答える人が135人で68%を占めました。

賃上げの実現性や、将来的な増税への懸念を感じている人が多いようです。

「増える」と回答した人は、実際に賃上げが実施されている大企業に所属している人や、減税を評価して「増える」と考えている人がいます。

「減る」と回答した人は、物価高や、景気への懸念から生じる費用増から、「減る」と回答しています。

▼10%増えると答えた人の回答理由

・所属会社が大きなグループ会社なので、周囲の会社の賃上げが起こればそれに倣って自社でも賃上げが起こると予想している。

・賃上げはあまり期待できないが、減税は家族分を考えると1割ぐらいは増えるかなと感じている。

▼変わらないと答えた人の回答理由

・物価上昇に対して、賃上げが全く追いついていないので、物価高と比較すると4万円は少なすぎて、実際には変わらないと思う。

・賃上げがあったとしても雀の涙ほどと予想されるし、一時的な減税が発生しても、将来的に増税や社会保険料増額などを強いられるものと見受けられるため。

中小企業なので、賃上げされないと思う。余裕がある大企業なら増えるだろうけど、中小企業では難しい

額面だけ賃上げされてもさまざまな税金で引かれて、結果的に所得が変わることがなさそう。

・賃金を上げるのは政府でなく企業だから。

▼減ると答えた人の回答理由

・若干の所得増はあるかもしれないが、それ以上に物価高が所得増以上に効いてくる。

所得税や住民税を下げたとしても、昨今の円安の影響や人手不足、来年の物流の人材不足などによる輸送費増加などで、消費するお金は今後も増えると思うため。

  • もし本当に所得が増えたら、何に使う?ランキングTOP10

グラフの通り、最も多かったのは「貯蓄」で79名が回答しました。2番目に多かったのが「投資」で75名、3番目は「旅行」と60名、次いで「暮らし」と42名、「住まい」と29名が答えています。

【ランキング1~10位の回答理由の詳細はこちら】https://mitaina.tokyo/topics/209989/

  • 「令和版所得倍増計画」が発表された2年前と比べると?

上記では「賃上げと減税による所得を増やす政策」には悲観的な声が多い結果となりましたが、「令和版所得倍増計画」が発表された2年前にmitainaが独自調査をした「もし本当に所得が倍増したら、何にお金を使いたいか」のアンケートと比較すると、どのような違いがあるのでしょうか。

2年前は「所得倍増」と所得の増える額への期待値が高かったこともあり、投資や住まい(住宅購入という点では投資)が上位でしたが、今回は貯蓄と回答する人が増え、住まいという大きなお買い物を挙げる人は半数以下に減りました。投資と回答した人数に変化はありませんでしたが、相対的にはランクダウンという結果となりました。

【2021年と2023年の比較サマリ】

貯蓄が4位から1位にランクアップ(2年前56人に対して今回は79人)

投資が1位から2位にランクダウン(2年前75人に対して今回も75人)

住まいが2位から5位にランクダウン(前回68人に対して今回は29人)

旅行は3位から順位を変えていないものの前回60人に対して今回は45人

*比較元:「令和版所得倍増計画」もし本当に所得が2倍になったら何に使う?200名にアンケート 
 https://mitaina.tokyo/topics/85549/ (2021年10月8日~2021年10月18日調査)

今回の「貯蓄」の回答理由をみてみると、賃上げに積極的な大企業と比較し、より多くの人が働く中小企業での賃上げへの悲観的観測と、減税によるインパクトの小ささをふまえ、「将来への不安から、少しでも蓄えておきたい」という背景がみられました。

住まいについては2年前は2位と、より多くの人が「住まいにお金を使いたい」と回答しました。しかし今回は、「住まいにお金を使いたい」と回答した人数は前回の半分以下となっています。

2年前と比較して、理想の住まいへの投資意欲が減退している理由としては、さらなる物価高騰に対する不安や、所得増への期待の低さが少なからず影響しているようです。

そして、旅行については順位に変動はないものの、回答者の人数は減りました。

前回のアンケート取得時がコロナ禍であったことをふまえると、旅行規制緩和による欲求不満が解消されたことが影響しているとみられます。一方で、旅行を贅沢品と捉える回答者も少なくなかったことから、回答者数の減少の背景には、所得増への期待値の低下もあるようです。

  • まとめ

社会人男女200名を対象にアンケートを行った結果、「もし本当に所得が増えたらお金を使いたいこと」第1位は「貯蓄」でした。

2年前の所得倍増計画時の調査と比較すると、賃上げや減税による所得増への悲観的観測もふまえ、「将来への不安から、少しでも蓄えておきたい」という背景がみられました。

もし本当に所得が増えたら、みなさんは何にお金を使いたいですか?

  • mitainaについて

『mitaina』(https://mitaina.tokyo)は、株式会社I-Houseが運営する東京都心エリアを中心としたマンション情報・住まいのお役立ち情報を発信するメディアです。子育て中のファミリーが快適に暮らせる物件も揃っています。

配信元企業:株式会社I-House

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