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都心のファミリー世帯にとって、チャイルドシートのついたママチャリは必需品。最近は、電動アシスト機能がついたものが一般的だ。しかし、車体が大きくて思い電動ママチャリは駐輪も一苦労。結果、都内在住の男性が暮らすマンションでは、住人同士の諍いも起こっているという。

「とにかく、駐輪場が狭いのが問題なんです」

いったい、なにが問題となっているのか。(取材・文:昼間たかし

駐輪場が狭すぎて路上駐輪が蔓延

男性が家族(妻と5歳の娘)と暮らすのは、都内西部の私鉄沿線にあるマンションだ。

「ローンを組んで購入して11年になります。スーパーなども揃っていて住環境にはまったく問題を感じていません」

そんな男性の唯一の悩みがマンションの駐輪場が狭いこと。

「上下に二台駐めるラックになっているところと、一般的な駐輪場とがあって、一世帯あたり1台分が割り当てられています。前者が不便なのはもちろんですが、後者もスペースがまちまちで、狭いところだと両サイド自転車にぶつけずに駐めるのが困難なほど狭いんです」

そのため、駐輪場の割り当てはマンションの総会でたびたび議題になってきた。ここ数年は、チャイルドシートのついたママチャリが増えたことで

・数年ごとに抽選で駐輪場所を交代

・ママチャリは一般の駐輪場を優先

という方式に決まっている。

「子供が生まれてから電動ママチャリを購入したのですが、ずっと狭い方が当たっています。お互い様とはいえ両サイド自転車にぶつけるのは気が引けます。それに、駐輪のたびに隣の自転車のタイヤでズボンを汚したりしないかと気になります」

「路地でやたらと煙草を吸っている人もいます」

電動ママチャリは、十数万円はする安くない買い物。それをあちこちにぶつけたり、ひっかけたりするのは気持ちのいいものではないという。住民の中には、それを嫌がってマンション外に路上駐輪する人も多いという。

「路地は隣のマンションの裏口と向かい合うようになっていて、幅は広めです。自転車を路上駐輪しても十分に人が歩けます。その気安さか、みんな路上駐輪しているんですよね」

一応「路上駐輪は撤去します」という掲示はあり、くり返し注意されてはいるものの「まったくの形だけ」だという。

さらに男性が憤っているのは、路上駐輪による治安の悪化だ。

「路地に乱雑に自転車が駐めてあるためか、治安が悪化しているような気がします。路地でやたらと煙草を吸っている人もいますし。マンション住人の中にも、帰宅前に一服する場所として使っている人もいるんです。路地で壁に沿って、一列に煙を吐いている人が並んでるとか、めちゃくちゃ雰囲気悪いですよね」

ママチャリを使用する世帯が減るまで、問題は解決しそうにはない。

マンションの自転車置き場がトラブルの火種に 治安も悪化しているように感じる住人男性