コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回紹介するのは、山田憂香さんがTwitter上に投稿した漫画「サンタじゃない『何か』が来る話」だ。1月5日時点で2.3万いいねがつく反響が集まり、思わずゾッとするストーリーはもちろん、作者の山田憂香さんが作中に仕掛けたトリックも話題となっている。今回は作者の山田憂香さんに制作の背景を伺った。

【ホラー漫画】スマホ画面を明るく設定すると「見える」と話題に!クリスマスにきた「赤い人」の正体とは…!?

■クリスマスにくるのはサンタではなく「赤い人

物語は、クリスマスイブの出来事。父親が不在で、2人で過ごす母親と少年。

「今年もサンタさん来てくれるかなぁ」と言う母親に対し、「来ないよ」と少年は返した。その反応に母親が焦っていると、少年は「サンタさんなんていないもん。『赤い人』が来る」と一言。どういう意味か分からなかったが、『最近はそういうのが流行っているのね…』と母親はあまり気に留めなかった。

そして、少年が寝入った頃、母親はクリスマスプレゼントを置こうとする。すると、そこには大きな赤い靴下の中に大量の電車のおもちゃが入っていた。きっと父親が仕込んだに違いないと思った母親。その後ろには………。

翌朝、大量の電車のおもちゃを抱え「見て!僕これ欲しかったの。こんなに沢山!」と喜ぶ少年。そのタイミングで父親が仕事から帰宅した。母親はこっそり「プレゼント用意してるなら言ってくれれば良かったのに!」と伝えると、「…?なんのこと?」とピンときていない様子の父親。

そんな2人のもとへ少年は「パパママ見て!これ赤い人にあげるの!」と1枚の絵を持ってくる。そこに描かれていた絵とは……。

実はこの作品、作者の山田憂香さんが仕掛けたあるトリックがある。母親の後ろに「何か」がいるシーンだが、スマホの液晶を暗くして見るのと、明るくして見るのでは、見え方が変わってくるのだ。

実際に作品を読んだ人からは「すごーい!!!!」「久々に鳥肌立った」「画面の明るさ変えて叫んだ」「夜に見るんじゃなかった」「ガチ怖かった」など、さまざまな声があがっている。

最初はスマホの画面設定を暗いまま、2回目は画面を明るくして読むと2度楽しめる。思わず背筋が凍る体験をぜひしてみてほしい。

今回は、漫画の作者・山田憂香さんに作品ができあがるまでの話を伺った。

■何度読んでもゾッとする! 作者・山田憂香さんの創作背景とこだわり

――「サンタじゃない『何か』が来る話」を創作したきっかけや理由があればお教えください。

きっかけなどは特になく、ただ丁度クリスマス時期だったので「何かクリスマスをテーマにした漫画でも描いてみようかな」と軽い気持ちで描き始めました。

いつもホラー漫画を作る時はテーマに沿ったワードを頭の中で連想ゲームの様に並べて、その中から面白そうな物を軸に選んで描くのですが、今回は「サンタ…赤…赤い人赤い人って何か怖そう、これだ!」という感じでした。

――「サンタじゃない『何か』が来る話」を描くうえでこだわった点や、「ここを見てほしい」というポイントがあればお教えください。

夜中にお母さんの背後に「何か」が居るシーンですね。

スマホの明るさで見え方が変わる仕組みになっているのですが「何か」が見え過ぎても見えなさ過ぎても駄目なので、一番怖い塩梅になる様にかなりこだわりました。

まず暗い画面で見て頂いて、その後明るくして頂けると二度楽しめるんじゃないかと思います。

液晶で漫画を読む時って割と画面を暗めにする方が多いかと思うのですが、思惑通り今回皆さんにしっかり引っかかっていただけて喜ばしい限りです。

――「サンタじゃない『何か』が来る話」の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

1番最後のページの、子供の描いた絵がお気に入りですね。自分はあまり説明が好きではないので、これ1枚で色々な可能性が生まれて良かったんじゃないかと思います。

Xでも考察して楽しんでくださる方が多くいたのですが、私の想像の範囲を超えた考察もあり「都市伝説ってこうやって怖さが盛られて広まっていくのかな?」と思えて面白かったです。

正解はありませんので、各々の考え方で楽しんで頂けると幸いです。

――山田憂香さんはホラー漫画を描かれることが多いですが、ホラー漫画を描き始めたきっかけや理由などあればお教えください。

小さい頃から手塚治虫作品が好きだったのですが、子供が読むには怖すぎるハードな作品も多く…。そこから段々とホラー漫画に目覚めていったんだと思います。「恐怖」は感情の中でも一番強く深く心に残ると思っているので、全てのジャンルの中でホラーが何より最強!と未だにずっと思っています。

――山田憂香さんの今後の展望や目標をお教えください。

今後もホラージャンルやグロく暗めな作品を中心に描き続けたいと思っています。ホラー漫画をもっと多くの方々に読んで頂けるよう、興味を持って頂けるように、まず気軽に入りやすく間口を広げた作品なども作っていければと考えています。

――最後に山田憂香さんの作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。

サンタじゃない『何か』が来る話」読んで頂きありがとうございます!今後もこういった短編ホラーをXに投稿していく予定です。また、長編でしたら「初恋は血の味がする」単行本全二巻も発売中ですのでそちらもよろしければ…!新連載は近いうちに発表できるよう頑張りますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

「サンタじゃない『何か』が来る話」が話題!/画像提供/山田憂香さん