百戦錬磨のリュ・ヒョンジン。その経験は日本でも重宝されそうだが……。(C)Getty Images

 オフシーズンを賑わせてきたストーブリーグも佳境を迎え、ありとあらゆる選手の契約が決まり始めている。そうしたなかで、依然として去就が不透明な選手たちも少なくない。

 目下、日米韓の3か国で注目を集めているのが、元韓国代表投手のリュ・ヒョンジンだ。現在36歳の左腕は、今オフにフリーエージェント(FA)となるも、いまだ契約先が見つかっていない状況にある。

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 実績は折り紙付きだ。2012年のオフにKBO韓国プロ野球リーグのハンファ・イーグルスからドジャースに移籍し、メジャーリーグに活躍の場を移したリュ・ヒョンジンは、MLB通算78勝を記録。ローテーションの一角を担えるサウスポーとして重宝されてきた。

 ただ、近年は怪我に泣いてきた。22年シーズンの6月にトミー・ジョン手術を執行すると、昨年8月のオリオールズ戦でようやく復帰。レギュラーシーズンは3勝3敗、防御率3.46、WHIP1.29というまずまずの成績で終えていた。

 今オフのFA市場は、ブレイク・スネルジョーダン・モンゴメリーという投手の人気銘柄の去就が決まっていない。メジャーは大物選手から契約が決まっていくのが通例であり、リュ・ヒョンジンの契約も後ろ倒しになっている。

 そうした市場状況のなかで、興味深い情報も飛び交っている。それはNPB移籍の可能性だ。1月10日に韓国紙『スポーツ朝鮮』は「韓国の古巣復帰のシナリオに重大な変化が起きる。日本が新しい選択肢に」と指摘。ベテラン左腕に日本球界から関心が寄せられているとすっぱ抜いた。

 リュ・ヒョンジンの現状について「肘の手術から復帰し、昨シーズン終盤には健在をアピールした。しかし、今年3月に37歳になるという年齢を考慮しても、メジャーリーグブレイクする可能性はもう高くはない」と伝える同紙は、「彼にとって最高のシナリオはメジャーリーグに残ること」と強調。そのうえで日韓両球界から寄せられている熱烈な関心を報じた。

「アメリカでの選択肢が減れば、リュ・ヒョンジンも将来について真剣に考えなければならない。となれば、本人も望んだことがある古巣復帰が有力な候補だが、それに影響を及ぼす兆しもある。それは日本プロ野球だ。関係者によると、NPBチームがフリーエージェントとなっているリュ・ヒョンジュンの動向を注視しているという。

 実現不可能なシナリオではない。メジャーリーグほどではないが、日本も世界が認めるレベルの高いリーグだ。コントロールと守備技術に定評があるリュ・ヒョンジンの強みを発揮すると見る向きがある。また、日本は決して韓国市場を軽視はしていない」

 さらに経済面でもリュ・ヒョンジンにとって好都合に働く可能性はあるという。同紙は、リュ・ヒョンジンのメジャーリーグにおける市場価値が1年1000万ドル(約14億5000万円)とし、「彼を獲得するには手厚い待遇を与えて“引き抜く”必要がある。そうなると、韓国球界は日本には敵わない」とした。

 日本への電撃参戦となれば、話題沸騰なるのは必至だ。それだけにリュ・ヒョンジンの動向から目が離せない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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