内海氏はチームの若手投手陣育成に尽力した(C)Getty Images

 年明けの球界にビッグニュースが飛び込んできた。西武から山川穂高内野手ソフトバンクにFA移籍したことに伴う人的補償リストの内容に注目が高まっていたが、1月11日付の「日刊スポーツ」は西武側がレジェンド左腕・和田毅投手を指名する方針を固めたと報じている。

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 和田は早大から2002年ドラフト自由枠ダイエー入団。03年に14勝で新人王に輝くと、10年にも最多勝MVP獲得など数々の輝かしい功績を残してきた。松坂世代で唯一現役を続けている選手としても知られ、今年2月に43歳を迎えるが、その円熟味あふれる投球術で昨年も8勝とチーム勝ち頭の有原航平に次ぐ勝ち星をあげていた。

 最年長左腕はチームの精神的な支柱ともいわれており、V奪回を目指すチームにとっては戦力的にもチーム団結を目指す意味でも大きな痛手となりそうだ。

 また西武側の視点でいえば、同一リーグに主砲を獲られたこともあり、相手球団が嫌がる補強を敢行するのが鉄則ともいえる。西武投手陣はエースの高橋光成今井達也平良海馬を中心に左腕では伸び盛りの隅田知一郎なども在籍、メジャーも経験し、豊富な引き出しを持つ「生きた教科書」ともいえる和田が加入することで若き投手陣に与える相乗効果は計り知れない。

 チームにとっては過去の成功例もある。18年オフ、正捕手の炭谷銀仁朗がFAで巨人移籍したのに伴い、プロテクト漏れとなっていた内海哲也氏(現巨人一軍投手コーチ)を指名したのが西武だった。当時渡辺久信GMは「野球に取り組む姿勢が素晴らしかった」と獲得の理由を説明。開幕投手を務め、最多勝を獲得するなど、巨人で実績を積んだ生え抜きドラフト1位左腕をプロテクトしてなかったことも大きな話題となった。

 その後、内海氏は西武に移籍し3年間プレー、ファーム投手コーチも務めた。「練習は裏切らない」をモットーとするレジェンド左腕の姿勢に西武の多くの選手も薫陶を受け、意識を高めることに成功させたといわれる。

 仮に和田を獲得すれば戦力的にも上積みを図れ、内海氏同様に若手投手陣が中心となっているチームにとっては有形無形の財産となりそうだ。

 リーグ5位から覇権奪回を目指すチームにとっても心強い補強となることは間違いない。

 レジェンド左腕の加入でチームにどんな化学反応をもたらすか、今後の推移も注目となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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