名探偵コナン』連載30周年を記念した展覧会『連載30周年記念 名探偵コナン展』が1月12日(金) から池袋・サンシャインシティ展示ホールAで開催される(2月25日まで)。主人公の江戸川コナンが出迎える、連載30年の歴史を感じるイントロダクションを皮切りに、作品の魅力を6つのテーマに分けて紹介し、長年多くのファンを魅了している『名探偵コナン』の歴史と魅力を再発見できる展示になっている。

第1章「CONAN's Words」

作品を通して紡がれてきた『名探偵コナン』のキャラクターたちの“言葉”に迫るエリア。それぞれの思いや信念がにじみ出た数々の名言を存分に振り返ることができる。主人公である江戸川コナンをはじめ、登場するキャラクターたちからは、強い思いや信念が感じられるはず。例えば、「犯人を推理で追い詰めてみすみす自殺させちまう探偵は殺人者と変わらねーよ」というセリフ(コミックス15巻~16巻「名家連続変死事件」より)は、犯人の自殺を防いだことが正しかったのか、不安になる服部平次に対し、コナンがかけた言葉。これはコナン自身が、過去に犯人の自殺を食い止めることができなかった後悔から生まれている。

第2章「CONAN’s Love」

作品の魅力の一つとも言える“ラブコメ”要素。恋愛を越えた様々な「愛」の形を紹介するエリアで、工藤新一毛利蘭が歩んだ30年と、共に進展する恋愛模様を振り返る。保育園のサクラ組で出会った、幼なじみ2人のエピソードに始まり、小中高と推理マニアの新一を、呆れながらもそばで見守る蘭の姿や、ビッグベンの前での告白、告白に対する蘭のアンサーといった感動のシーンも展示されている。

第3章「CONAN’s Mystery」

このエリアではミステリーをテーマに、「名探偵コナン」に登場した様々な暗号やダイイングメッセージを特集。さらに、複雑に絡み合う「黒ずくめの組織」との関係性についても深掘りする。黒ずくめの組織といえば、裏切者のシェリーの追跡や、コナンと灰原を幼児化させたアポトキシン4869の謎、FBIとの攻防など、さまざまな思惑が絡み合っており、非常に複雑。その相関を、じっくりと観察することができるので、情報の整理や復習に役立つはず。

また、数学に精通する原作者の青山剛昌氏は、作中に登場する暗号の考案には、苦心しているといい、編集担当者と一緒にトリックのネタを考え、実際にアイテムを用意して、試行錯誤を重ねている。特に苦労したというコミックス71巻~72巻収録の「ホームズの黙示録」の暗号。その努力の結集を間近で、確認したい。このエリアには、“変装”にまつわる何やら怪しいゴミ箱も。会場では、ぜひその中身もチェックしてほしい。

第4章「CONAN’s HANNIN」

名探偵コナン」の影の“立役者”とも言える犯人たち、彼らが起こした事件や使用した凶器にフォーカスを当てる。ファンにとって、特に印象深い犯人として知られるのが、ピアノソナタ『月光』殺人事件の犯人である女医の浅井成実コナンにとっても、大きな節目となる、悲しい思い出が残る事件であり、このエリアには、ベートーベンの『月光』がBGMで流れているので、ぜひ耳を澄ませてほしい。

また、ファンの間では“トラウマ”として恐れられる「図書館殺人事件」の犯人・津川館長も、会場では強烈な印象を放っているので、お見逃しなく。

第5章「CONAN’s Justice」

CIA捜査官の本堂瑛海、FBI捜査官の赤井秀一、公安警察の降谷零など、無念にも散っていった家族・仲間・恋しい人との悲しい別れを乗り越え、彼らの遺志を継ぐキャラクターたちの複雑な関係性、原動力、譲れない信念に迫るエリア。2022年に公開された劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』に登場した警察学校編の登場人物たちにもフォーカスしており、ファンにとっては、彼らのストーリーに改めて触れ、ため息や涙がもれてしまうのではないだろうか。

第6章「CONAN's Magic」

このエリアでは、名探偵コナンを語るうえでは欠かせない、コナンの好敵手である「怪盗キッド」を深掘り。神出鬼没で大胆不敵な大泥棒、怪盗キッドのこれまでの活躍を華麗に振り返ることができる。変装が得意で、声色も自由自在。その華麗な変装をまとめた図鑑形式の展示や、強者たちとの対決ストーリー、誰もが魅了されるマジックにまつわるエピソードも紹介されている。今年の4月12日に公開される劇場版最新作『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』では、怪盗キッドが活躍するとうわさされており、その活躍をぜひ再確認しておきたい。

最後は「名探偵コナン」30年の歩みを、およそ4分半の映像で振り返る「エンディングシアター」、さらに最終章として、連載30周年を迎えた青山氏に密着し、30年間未公開だったコナン/新一の初期設定資料をはじめ、貴重な『名探偵コナン初期設定資料を公開する「青山剛昌先生特別展示室」で締めくくられる。

会場では、全14種の「ランダム缶バッジコレクション」や「アクリルスタンド」、コナンや蘭の髪型になりきれる「カチューシャ」、Tシャツや会場限定手ぬぐいなどオリジナルグッズを販売する。なお、『連載30周年記念 名探偵コナン展』は、東京・池袋サンシャインシティを皮切りに、年内に福岡、札幌、仙台、大阪、広島、横浜、名古屋を巡回する。

取材・文・撮影:内田涼

<開催情報>
『連載30周年記念 名探偵コナン展』

会期:2024年1月12日(金) ~2月25日(日)
会場:池袋・サンシャインシティ展示ホールA
時間:10:00~19:00(最終入場は18:30まで)
料金:一般2000円、学生1500円 ほか

公式HP:
https://www.conanten-30th.jp/

(C)青山剛昌/小学館