権藤博

横浜ベイスターズ監督の権藤博氏が元阪神タイガース下柳剛氏のYouTubeに出演。「歴代最強のピッチャー」を語った。

 

■歴代最強のピッチャーは?

下柳氏から「歴代最強のピッチャーは誰ですか?」と質問された権藤氏は「これはやっぱり稲尾さんです」と元西鉄ライオンズ投手の稲尾和久氏を挙げる。

そして「これには勝てん。誰も勝てないです。シーズン最多42勝もそうだけど、1年目からもう21勝6敗、高校出で。6月ぐらいから出てきて優勝して、日本シリーズは3連敗したあと全部勝つ。すべてのことにおいてフォア・ザ・チーム。チームを勝たせて優勝に導いた」と話した。

 

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■400勝の金田氏より凄い?

権藤氏はさらに「金田正一さんの400勝というのはね、ただ勝つために、ほかの勝ち星ももぎ取って400勝するぐらい。素材は凄いよ、金田さんも」と指摘。

続けて「あの背丈であのカーブとまっすぐで勝ったのは凄いよ。素材は金田さんも凄いけど、ピッチャーは優勝のために投げているみたいなものじゃない? そう考えるとピッチャーはなにがなんでも稲尾さん」とコメントした。

 

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■杉浦氏も称賛

その後権藤氏は「1年間優勝のために投げた杉浦さんの38勝4敗には勝てんな。あれはおばけだよ」と元南海ホークス杉浦忠氏を挙げる。

そして「杉浦さんが1年目バッティングピッチャーをやっていたときに、あのころは投げる前に教えるじゃん。『次、カーブくれ』と言われて、杉浦さんがカーブを投げたら、打者がポーンとすっ飛んで逃げた。それがストライクだった」と話す。

続けて「3人ぐらいにカーブを投げたら、すっ飛んで逃げて」「それが杉浦さんが入った年のピッチングだよ」などと回想した。

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■38勝4敗のときは…

杉浦氏について権藤氏は「2年目か3年目で38勝4敗をしたときは、カーブよりもまっすぐが下から浮き上がってきて、みんなかすりもしなかった」とコメント。

さらに「かっこいい。プロに入るときに、俺は上からで杉浦さんは下からだけど、杉浦さんみたいに柔らかくシュッと良い球を投げたいと、まねはしてきたけどね」と振り返る。

そして「稲尾さんはもう仕草から全部ものまねをした。稲尾さんはスリークォーターからサイド。俺はジャンプして上から下に投げる上下のピッチャーでまねたけど、出来上がったのは全然違う」と笑っていた。

 

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■1シーズン42勝の大記録

権藤氏が「歴代最強」と絶賛した稲尾氏は通算276勝137敗、防御率1.98。1961年に記録した1シーズン42勝はNPB最高記録で、「今後、上回る投手は出ないのではないか」といわれている。

杉浦氏は南海ホークスのエースとして活躍し、通算187勝106敗、防御率2.39。1959年には38勝4敗と活躍しチームを優勝に導くと、読売ジャイアンツとの日本シリーズで4連投4連勝。南海の日本一に大きく貢献した。

■権藤氏が歴代最強のピッチャーを語る

権藤博氏、“歴代最強のピッチャー”を選定 「1年目から21勝6敗…」