だいぶ橋らしくなってきました。

橋脚がニョキニョキ

名神高速バイパスとして、まだ全通していない新名神。いまは「神戸JCT高槻JCT」「八幡京田辺JCT~城陽JCT」「草津JCT四日市JCT」の3区間が開通済みで、残る高槻~八幡と城陽~宇治田原~草津の2区間が完成に向けて工事中です。

そのなかでも、高槻から淀川を渡って、枚方市内に入る橋梁区間が、工事の最盛期を迎えています。橋脚が立ち並び、すでに橋桁が架かっている状況です。

高槻JCTから淀川を渡った新名神は、京阪の樟葉駅南側で長さ2955mの「枚方トンネル」に入ります。ポエムノール北山の丘陵地帯を一気にトンネルで抜ければ、八幡京田辺JCTに直結。ここが完成すれば、沿線住民にとっては貴重な淀川対岸へ直結する道路にもなるほか、神戸方面にほぼドアツードアで行けるようになります。これまでは、第二京阪などを経由していちいち大山崎まで行く必要がありました。

さて、現地を見ると、京阪の線路をまたぐ鋼製橋桁が姿を現します。橋桁は2径間分伸びて、淀川の堤防も一緒にまたいでいます。河川内では、別の橋桁が架かっていて、さらに奥でもクレーンで橋桁の架設作業の最中でした。

反対側の住宅地内では、地下へもぐりこむため、橋脚の背丈が次第に低くなっていきます。樟葉駅から下りてくる南北道路をまたいだ東側には、高架橋の端部となる橋台が建設され、すぐ先にはトンネル入口が待ち構えていました。

肝心の枚方トンネルの進捗ですが、じつはまだシールド掘削が始まっていません。シールドマシンを発進するための準備工が進められている段階です。使用されるシールドマシンは重量4200トンで世界最大級とのこと。地質に問題があったため着工が遅れていて、開通が2023年度から2027年度へ延期される原因になりました。

ともあれ、それ以外の地上区間は当初スケジュールに近い、ほぼ完成に近づいています。「2本目の大動脈」が真価を発揮する最後の工区に、物流や交通業界をはじめ全国から期待がかかっています。

淀川を渡る新名神の橋梁。すでに橋桁架設が始まっている(乗りものニュース編集部撮影)。