実写とアニメの2つの世界を舞台にしたオリジナルファンタジー「ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-」の第6話が、1月10日に配信された。前回、重要な事実が次々と明らかになり、クライマックスに向けて物語が大きく動き始めた。そして第6話も立ち上がろうとする直前の若き主人公2人を応援したくなる展開となったが、衝撃のラストに思わず絶句した。(以下、ネタバレを含みます)

【写真】表情からして怖過ぎる…闇落ち感漂う森田剛“スペース”

■「ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-」とは

同作は、実写で描く現実世界「横須賀」と、アニメで描くドラゴンが棲む異世界「ウーパナンタ」が舞台。現実世界の女子高校生ナギと異世界から来た少年タイムが運命的に出会い、やがて互いに協力しながら世界の危機に立ち向かっていく。

ナギ役を清涼飲料水のCMやファッション雑誌などのモデルとして活動する中島セナ、タイム役を2023年7月期のドラマ「最高の教師 1年後、私は生徒に■された」(日本テレビ系)などで頭角を現している奥平大兼が演じる。そんなフレッシュなW主演コンビを支えるのが、新田真剣佑、森田剛、田中麗奈、三浦誠己、成海璃子ら実力派俳優たちと、津田健次郎武内駿輔大塚芳忠といった声優たちだ。

そして、作品全体の演出を、漫画原作を実写化した「東京喰種 トーキョーグール」(2017年)の萩原健太郎監督が務め、アニメーション監督を「劇場版 ONE PIECE STAMPEDE」(2019年)などの大塚隆史、キャラクター原案・コンセプトアートを「約束のネバーランド」(集英社)の作画を担当した出水ぽすか、アニメ制作を「攻殻機動隊」シリーズなどで丁寧な作画に定評があるProduction I.Gが手掛けるという、豪華な布陣となっている。

後半戦に突入した前回の第5話で、いくつもの衝撃的な事実が判明。中でもこの後の展開に大きく関わるのが、ウーパナンタを作った“創造主”の存在だ。現実世界で謎のコンビニ店員・柴田として働いていたウーパナンタの伝説のドラゴン乗り・スペース(森田)は、創造主の意思でウーパナンタが崩壊していっているのだと気付き、それを止めるため創造主を殺すことを目的に現実世界へやって来ていた。そして、その“創造主”というのは、ナギの母で漫画家だったハナ(田中)のこと。ナギの父・タイチ(三浦)はハナが死んだと伝えていたが、実は植物状態ながら生きていた。

■ナギ、タイムたちはアクタの元へ向かう

第6話は、いよいよ壮絶なバトルへの序章となった。タイムに接触していたスペースは、ハナが病院にいると知って襲撃するが、スペースの娘・サイラ(SUMIRE)が阻止。その隙にナギやタイムたちはハナを連れて逃げ出した。

合流したサイラは、ウーパナンタ最強の戦士であったアクタ(新田)に頼るしかないと言う。今のアクタは変わってしまっていたが、一縷の望みにかけてアクタが暮らす猿島へと向かうことに。

ナギを裏切るような形になってしまったことを後悔するタイムに、サイラは「つらくても失敗の後に何をするかが一番大事だ」と語り掛けた。

■ナギとタイムの覚醒はいつ!?

ナギたちが猿島に到着すると、なんと島全体が浮かび上がった。それはアクタの力によるものだった。「アクタ…何考えているんだろう」と思うタイム。

ウーパナンタの者たち特有の能力である心の声を聞けるアクタは、ナギやタイムたちがやってきた理由をすぐに悟る。だが「例えば君のお母さんを助けたとする。その行動を君たちは肯定するだろうけど、どんなに正しくても同時に否定する者が存在する。それがこの世界だろ」と力なく言った。

ウーパナンタ、そして飛ばされたこの現実世界でも人を救うことを使命として動いていたが、その難しさに直面し、疲弊したアクタ。そんな諦めの中でもできることをと考えたのが、理解し合える仲間たちと新たな“国”を作ることだった。だが、島が浮かび上がったことに、仲間たちは動揺して離れていく者と、信じて付いていく者に分かれ始めていた。

アクタに頼ることはできないのか。サイラがスペースとの戦いに向けて、武器を作って準備する中、ナギもタイムも何かを考えこんでいるような姿を見せていた。ナギとタイムは、スペースの一件でギクシャクしたままだった。

そんなとき、猿島にハナを追い掛けてスペースがやって来た。ウーパナンタを救いたいと思うと同時に、いつしかナギのいる現実世界も大事なものになっていたタイムは、サイラに掛けられた言葉を胸に立ち上がろうとする。そんなタイムの姿にナギの心もほどけていった。

生きづらさを感じていた中で変わろうとし始めているナギと、未熟ながら世界やナギを守りたいという強い気持ちに磨きがかかってきたタイム。2人の“覚醒”の日は近そうだ。そう思っていたところ、第6話ラストではナギの身に悲劇が起きてしまう。予想外の展開に息をのんだまま吐き出すのを忘れるほどの衝撃を受けたのは筆者だけではないはず。

■驚きに満ちたラスト…いよいよ終盤へ

そんなふうに次をたまらなく待ちわびてしまう構成力は、本作の魅力の一つ。前半の回でアニメ世界でのバトルシーンもワクワクしたが、いよいよ実写世界でのバトルに期待が高まる。若さゆえのパワーがある主人公2人と闇落ちしたスペースの戦い、そこに絡んでほしいアクタの存在。驚きに満ちたラストとなったが、クライマックス前の転換点のはず…とソワソワ、ドキドキした時間を過ごすのがまた楽しい。

「ワンダーハッチ -空飛ぶ竜の島-」は、ディズニープラスのスターで毎週水曜に新エピソードを独占配信中(全8話)。

◆文=ザテレビジョンドラマ部

倒れ込んだタイム(奥平大兼)/(C) 2024 Disney