Momoka Japan 外国人が日本食を食べて感動が止まらない
Momoka Japan 外国人が日本食を食べて感動が止まらない』(Momoka Japan:原著、稲谷:著/講談社

 道行く外国人観光客に声をかけ、とっておきの日本食を堪能してもらう――はたして彼らのリアクションやいかに。そんなユニークなコンセプトとリアルな外国人の反応がウケて、チャンネル登録者数が81万人(2023年12月現在)を超えるほど人気のYouTubeチャンネルが「Momoka Japan」だ。

 私たちも初めて訪れる国では、現地の人たちが普段食べているものを食べては驚いたり、感激したりする。日本にはない食材もあるし、一般的な穀類や野菜であっても「こんな調理法があったんだ」「これとあれを組み合わせるなんて」と好奇心が刺激されることは多い。

 そんな驚きや感激を現地の人に伝えると、ほぼ例外なく、彼らはとても嬉しそうな顔をする。誰だって、よそから来た人が自分たちの食文化を気に入り、おいしいと喜んでくれるのは嬉しいものだ。たとえ言葉が通じなくても、表情から伝わるものがきっとある。

 日本を訪れた外国人たちのそんな“おいしそうな顔”を動画に収めたYouTubeチャンネル「Momoka Japan」がこのたび漫画化された。タイトルはそのままズバリ、『Momoka Japan 外国人が日本食を食べて感動が止まらない』(Momoka Japan:原著、稲谷:著/講談社)。

外国人にとっておきの日本食を堪能してもらう

 本書には7話の漫画が収められており、「日本に来た外国人にとっておきの日本食を堪能してもらう」というコンセプトは共通だが、選ぶ日本食と登場する外国人は毎回変わる。

 Momoka Japanさんが選ぶ「とっておきの日本食」は、必ずしも高級料理というわけではない。とんかつうな重うなぎ、こってりラーメン、お刺身盛り合わせやブリカマ塩焼きなどの居酒屋メニュー、パン屋さんで買うパン、ふわふわパンケーキ、和牛のすきやきと、贅沢なものから庶民的なものまでバラエティに富んでいる。

 料理が提供されたとき、蓋を開けたとき、匂いを嗅いだとき、一口目を食べたとき……。初めて見る料理に少しひるんだところから、とろけそうな満足顔に変わっていく様子までがリアルに漫画で描かれているので、ページをめくりながら思わず頬がゆるんでしまう。

 外国人がうなぎやブリカマに及び腰になるのは想像がつくが、イギリス人がフルーツサンドを「人生で口にした一番不思議な食べ物」と言ったり、オーストラリア人がふわふわパンケーキを食べて「こんなに美味しいパンケーキ初めて」と驚いたりするのは意外だった。

 イギリスでもイチゴとホイップは王道コンビだが、それを食パンはさむのは想像できないらしい。また、オーストラリアパンケーキといえば薄いもので、ふわふわの軽い生地を分厚く焼き上げ、濃厚なチョコソースやリッチなバニラアイス、グリルしたバナナを添えた日本のパンケーキは、もはや別のスイーツといっても過言ではないようだ。

誰かの「ふつう」は、誰かの「ミラクル」

「日本食=和食」と考える人もいるだろうが、フルーツサンドのような洋風のものでも、外国人から見ればやはり日本ならではの食べ物だ 。私は以前、日本旅行に来ていたアメリカの女の子に、「日本のスイーツで何が一番気に入った?」と聞いたところ、「日本のケーキ!」と返ってきて驚いたことがある。

 アメリカにもケーキはあるだろうと思ったが、彼女いわく、アメリカのケーキは甘すぎて大味なので、甘さひかえめで繊細な味わいの日本のケーキは「アメージング!」とのこと。日本人の「ふつう」が外国人には「ミラクル」だとわかる好例だろう。

 本書に登場する日本食のいくつかは、実際のお店の名前も書かれている。たとえば、とんかつは「和幸」、こってりラーメンは「天下一品」、パンは「SIZUYA(志津屋)」など。食べたことがある人なら、実際の味を思い出してニマニマしてしまうに違いない。

 自分がおいしいと感じるものを、外国から来た人が同じようにおいしいと言ってくれると、嬉しさと同時に誇らしさも感じる。食べ慣れた「ふつう」のものなのに、「外国人の目から見た日本食」を知ることで、魅力を再発見したような気がするから不思議だ。

 本書に収められている漫画の原作動画をYouTubeで視聴すると、いずれも動画の臨場感を損なうことなく、親しみやすい絵柄で漫画化されていることがよくわかる。YouTubeチャンネル「Momoka Japan」のファンはもちろん、一度も観たことがない人でも楽しめるだろう。

文=ayan

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イギリス人にとってフルーツサンドは「一番不思議な食べ物」。外国人の目から見た日本食が新鮮すぎる