日本ボクシングへの注目度が上がり、中谷の評価も高まっているようだ(C)Getty Images

 2023年、「モンスター」井上尚弥は世界のボクシング界の中心にいた1人だった。年頭にスーパーバンタム級へ転向すると、7月にスティーブン・フルトン、12月にマーロン・タパレスと、2人のチャンピオンを撃破し、史上2人目の2階級での4団体統一王者という快挙を達成した。

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 すでに、その名を轟かせている井上の強さには今年も世界中からの視線が注がれることとなる。さらに、日本人では他にも、2024年の注目株として話題となっているボクサーがいる。前WBO世界スーパーフライ級王者・中谷潤人(M・T)だ。2月24日両国国技館アレハンドロ・サンティアゴ(メキシコ)の持つWBC世界バンタム級のベルトに挑む。

 現在26戦26勝19KOという戦績を残しており、フライ級スーパーフライ級で世界王座戴冠を果たしてきた。昨年行った、アンドリュー・モロニー(オーストラリア)戦、アルヒ・コルテスメキシコ)戦、2試合とも試合内容で高い評価を受けている。

 これまでの戦いで実績とともに、高いポテンシャルも示してきている中谷には、米国内からの期待も大きい。スポーツ放送局『CBS Sports』は現地時間1月10日(日本時間11日)、2024年のボクシング界の見どころについて、同メディアの記者、ブライアン・キャンベル氏、ブレント・ブルックハウス氏、シャキエル・マジュリ氏が論じる内容のトピックを配信した。

 その中で、「今年、飛躍が見込まれる選手」として、デビッド・ベナビデス(米国)、ザンダー・ザヤス(プエルトリコ)とともに中谷が紹介されている。

 中谷の名前を挙げたマジュリ氏は「ナカタニは新年を迎え、勢いに乗っている。ナカタニのアンドリュー・モロニーに対する強烈なKOは、CBSスポーツの2023年ノックアウト・オブ・ザ・イヤーを受賞し、ファンに存在を知らしめることになった」と評価。さらに「2月24日、WBOバンタム級タイトルマッチでアレクサンドロ・サンチアゴを倒せば3階級制覇のチャンピオンになれる」と期待を寄せている。

 またマジュリ氏は「北米の観客がナオヤ・イノウエの素晴らしさを認識するには、必要以上に時間がかかった。イノウエの成功は国際的な視線を日本に集め、ナカタニのような大物になる素質のあるファイターにも関心を向けられることになっていくだろう」と指摘。今後も日本人選手への注目度が高まると見通している。

 すでに、1か月後のタイトルマッチへ向け、合宿をスタートさせていることも伝えられた中谷。階級転向初戦となる今回も、世界に衝撃を与えるファイトで必ずやベルトを手にするはずだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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