日本で孫悟空といえば、アニメ「ドラゴンボール」を思い出す人が多いかもしれない。
元来、中国の四大奇書小説『西遊記』の主要登場キャラクターの1人である孫悟空は、雲に乗って神通力を使う猿の神として設定されている。
中国の河北省にある観光名所では、今回孫悟空になりたいという人を募集中だ。特殊な技能など全く必要なく、ただ猿の着ぐるみを着て洞窟の中で、観光客からもらうバナナを食べるだけの仕事だという。
ちなみに報酬は日本円にして月12万円だそうだ。
Best job ever? Well-fed ‘Monkey King’ a hit with Chinese tourists
中国北部の河北省にある観光名所、五指山風景区では現在エンターテイメントを強化する目的で、孫悟空のアルバイトを募集している。
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孫悟空のように雲に乗る能力やアクロバティックな技術などなくてもいい。
ただ孫悟空伝説のファンであること、そして猿の着ぐるみを着て山の麓の洞窟に常駐し、観光客から無料で配られるバナナをお腹いっぱい食べられることが必要なのだ。
報酬は月に日本円にして12万円だという。
特典としては、観光客の笑顔の日々、バナナ以外にもリンゴや麺類など無料の食べ物、SNSでの名声などがある。
物語との違いは旅をしないこと
中国の孫悟空伝説は、中国では西洋のグリム童話に匹敵する人気がある。
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数え切れないほどの子供たちの想像力を刺激し、数多くの映画やテレビの番外編などにインスピレーションを与えてきた。
物語は、道教の武術家から超自然的な力を授かった、石から生まれた猿の孫悟空を描く。
孫悟空は、もともとは唐の時代にインドに向かい仏教の経典を入手した僧、玄奘三蔵(三蔵法師)の旅の記録をもとにした小説「西遊記」のキャラクターだ。
三蔵の弟子として旅に同行する孫悟空は、雲に乗って移動したり、黄金の魔法の杖を振り回して戦士のように戦ったりする。
旅の始まりは五指山で、孫悟空は若さゆえの傲慢さに怒った神々に捕らわれていた。三蔵法師は彼を解放し、二人は冒険の旅に出る。
しかし、五指山風景区での幸運な求職者は真逆だ。洞窟でじっとしていなければならない。
退屈な会社勤めを辞めて洞窟の中で一日中、文字通り猿になってタダでバナナを食べ、世界中の観光客を喜ばせることで報酬を得たいと考えているなら、これ以上の職種はないかもしれない。
五指山風景区のマネージャーは、このように話している。
学歴は問いません。主な条件は、孫悟空に対する情熱、演技の才能、そして観光客と交流するための活気、明るさ、親しみやすさです。
この一風変わった仕事のキーポイントは、本当の演技力よりも、いたずら好きな孫悟空の精神を体現することにあるようだ。
中国のSNSで話題に
この風変わりな求人広告は、中国のSNSで注目を集めているようだ。
あるユーザーは中国版TikTok「Douyin」に「どんな素晴らしい仕事なんだ?タダ飯が食べ放題で、給料もあるなんて」とコメントしている。
同マネージャーは、孫悟空を演じるためにすでに2人のスタッフが採用されており、あと1人が必要だと話している。
バナナを食べ過ぎてしまうのではと健康面で心配な人でも問題ない。
マネージャーによれば、役者たちはその場で提供される食べ物をすべて食べ尽くす必要はないとのこと。
その代わり、現役の役者たちはシフト終了後、バナナの一部を取っておいて同僚に分け与えるのが常だという。
同社はまた、あまりに寒い場合に備えて、洞窟内に電気ヒーターを設置している。
現在、孫悟空として活躍している役者の1人は、小さい頃からキャラクターになりきるのが大好きだったそうで、このように語っている。
子供時代の喜びや思い出を伝え、中国の文化を広めるとともに同時に、子供たちや10代の若者の精神的な健康にも目を向けられたらと思っています。
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References:Hiring in China: Monkey King wanted, perks include warm cave – and plenty of bananas / written by Scarlet / edited by parumo
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