チームの功労者、和田への影響も心配される(C)Getty Images

 山川穂高のFA移籍に伴い、人的補償甲斐野央投手に決着した一件はレジェンド左腕、和田毅投手のプロテクト漏れの報道を受け、ファンを巻き込み大きなハレーションを起こした。

 プロテクトリストの内容は明らかにされないため、「灰色決着」となったが、今回の人的補償をめぐる一連の騒動は多方面に痛みを残すことになりそうだ。

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 まず心配されるのは当該選手に与える影響だ。名前が挙がった和田はダイエー時代からチームを知る、いわば生き字引的存在。今年の2月に43歳を迎えるが、昨年もチーム勝ち頭の有原航平に次ぐ8勝をあげるなど、円熟味あふれる投球術でチームを支えてきた功労者でもある。すでに小久保裕紀監督も有原、和田に関しては先発ローテーション入りを明言しており、今回伝えられるプロテクト外しが仮に事実であれば、相当なショックを受けることが想定される。

 また移籍が決まった甲斐野は2018年ドラフト1位で東洋大から入団。最速160キロの剛速球を武器に、昨季はリリーフとして46試合に登板して3勝1敗、8ホールド2セーブ防御率2.53の成績を残していた。移籍が決まった際の潔いコメントも注目されたが、急転直下の移籍劇となれば気持ちがしっかり立て直せるかも注目される。

 2点目は選手とフロントの信頼関係にもある。2月のキャンプインを前に各選手、来るシーズンへ闘志を高める中、チームの精神的な支柱を務める和田をプロテクトから外していたとなれば、フロントに対して不信感が生じるのは必至。2020年以来の優勝を目指すチームで果たして一枚岩となれるか。

 最後は一連の騒動に心を痛めたファンの存在も忘れてはならない。11日に和田移籍の可能性が伝えられると、SNS上ではファンから悲しみ、とまどいの声が多く散見された。V逸が続くチームでも勝利を信じ、声をからして応援し続けるファンの存在に選手も勇気づけられてきた。今回の一連の騒動はファンの信頼も裏切る行為となりかねなかった。

 年明けから大きな騒動に見舞われたチームはここからいかに立て直していくかも注目となる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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