新作TVアニメ『スナックバス江』が1月12日（金）25時05分よりTOKYO MXほかにて放送スタート。初回放送に先立ち、昨年末に実施されたアニメ特番「つづきみ」に本作の監督を務める芦名稔氏が出演。作品のアニメ化に至った経緯や裏事情を赤裸々に語った。
【画像】監督がヤンジャンに提案した企画資料（ほかイベントフォト）
『スナックバス江』は北海道のスナックを舞台にバス江ママ&チーママの明美と、珍妙なお客さん達が織りなす人気ギャグ作品として2017年より集英社「週刊ヤングジャンプ」で連載中。昨年6月にアニメ化が発表され、2024年1月から放送が始まる。この日はそんな本作を手掛けた監督の芦名さんが出演。芦名さんはこれまでも同イベントに複数出演しており、今回も自前で用意したスライドで貴重な制作の裏側を紹介した。
監督がヤンジャンに「アニメ化したい」直談判
端的に紹介するならば「スナックバス江のアニメ化がめっちゃ難しかった」というものだった。アニメ化の話自体は芦名さんが「アニメ化したいよね」と飲みの席で語っていたことから、2019年12月より関係者と「やりたいね」との話が挙がっていたそうだが、以降2年半以上にわたり進展が見られなかったと打ち明けた。理由については直後にコロナ禍がやってきたことに加えて「『スナックバス江』はギャグ作品で収益化が難しい」という製作サイドからの内情もあったと説明。特に本作は「スナック」という日本特有の文化を主題に据えた作品であることから、海外展開も厳しいといった意見も多かったという。
しかしそれで諦めなかったのが芦名さん。「どうしてもアニメ化したい」という一心のもと、「アニメ化させてくれ」とヤングジャンプ編集部（ヤンジャン）への突撃を敢行。芦名さんが企画提案時に「全国のスナック文化を救いたい」「酒類文化を支えたい」「若者にスナック文化を紹介したい」（＋ただ単に飲みたい）という点を“アニメ化すべき理由”として挙げると、ヤンジャン側から「バス江を愛してくれて本当にありがとうございます」と感謝の言葉が伝えられたといい、企画が一歩前進することとなった。
原作側の了承が得られ、次に必要になるのがズバリ“カネ”。ここでまた苦難…かと思いきや、スポンサー候補にポニーキャニオン（ポニキャン）が現れることに。ポニキャンは本件について「芦名さん本当にやりたいんですか？」と半信半疑で掛け合うと「ずっとやりたいって言っとる」「じゃあやりましょう」としてすんなり実現に踏み切ることができたという。
続く「キャスティングをどうするか」問題については芦名さんが懇親の席である声優さん（※）に「セリフにNGってあります？例えば男性(ry…」という無理難題のアポイントを取ったところ「まかせろ！」との心強い返答が得られ、こちらも解決。資金やキャスティングがスムーズに進展し、いよいよ実現に向けて本格化！とした途端、制作陣激震の困難が舞い込むことに。
※後のチーママ明美役を務める高橋李依さんである
お蔵入りの危機に現れた救世主は……
委員会内での放送会議で「ちょっと性的な表現が多い」という話題になった際に「最終話で男性器の名称が21分で44回発せられている…」との構成上の問題が指摘され、まさかの“1話分すべてがお蔵入り”の危機に直面。そんな危機的状況の中で「もう一話作ろう」と話を持ちかけた“救世主”こと“バス江ファンのお金持ち”が現れる。
救世主は出資者として委員会メンバーに加わることとなり、結果としてBlu-rayの特典OVAという形で第13話を制作することが決定。そして、第13話をOVAだけでなく各所で配信する方向を検討していることも明かしていた。こうした苦難の連続と急展開が制作段階で多数繰り広げられた本作、芦名さんは「アツい連中が作っているアニメ『スナックバス江』が面白くないはずがない！！」と期待を寄せ、トークを締めた。
TVアニメ『スナックバス江』は1月12日（金）よりTOKYO MX・HTB北海道ほかにて放送開始。初回エピソードの第1話では初っ端から大物も登場するかも…？ぜひ放送や配信でチェックしてほしい。
『スナックバス江』作品情報
北海道最大の繁華街すすきの――から5駅離れた北24条。この町の「スナックバス江」は、バス江ママと、チーママの明美さんの楽しいお店。彼女たちと珍妙な常連＆一見さんが織りなす笑いで、あなたもきっと、いつしか笑顔。
【原作】フォビドゥン澁川 『スナックバス江』(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
【監督・脚本・シリーズ構成・美術監督】芦名みのる
【キャラクターデザイン・作画総監督】富山。
【音楽制作】ポニーキャニオン
【アニメーション制作】スタジオぷYUKAI
【放送】TOKYO MX、HTB北海道テレビ、BS朝日にて2024年1月放送開始
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