手押しでゴールするというドラマも! GTカーのアジアナンバー1を決めるレースは2024年も必見です【GTワールドチャレンジアジア2023年シーズン後半戦を振り返る】

アジアで一番を決める注目のカテゴリー

世界最高峰の“ハコ車”レースとして世界中から注目を集めるSUPER GTシリーズだが、その下位クラス、GT300の主流となっているのがFIA-GT3。正確にはグループGT3(Group GT3)とされているが、一般的にはFIA-GT3、もしくは単にGT3と呼ばれている。ポルシェフェラーリなどヨーロッパの各メーカーが主宰するワンメイクレースが盛んになり、それでは各社のワンメイクレースに出場している競技車両を集めてレースをしたら……。という発案から誕生したクラスで、FIA GT選手権のオーガナイザーであったSROモータースポーツグループ(SRO Motorsports Group、略称:SRO)が生み出したカテゴリーだ。

ビンゴ・レーシングの優勝で始まったジャパンカップ

SROは本家ともいうべきブランパンGTシリーズ(現GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ)の“分家”として、ヨーロッパ以外にもシリーズを制定。2017年に誕生したブランパンGTシリーズ・アジア(現GTワールドチャレンジ・アジア、略称:GTWCアジア)は、ル・マン24時間レースを運営するフランス西部自動車クラブ(Automobile Club de l’Ouest、略称:ACO)が運営に協力し、ル・マン24時間への参戦権が懸けられるようになったことで一層の隆盛をもたらすことになった。さらに2022年からは日本国内を転戦するレースのポイントによるジャパンカップを創設。日本チームにも一層人気が高まった。

2023シーズンのGTWCアジアは、タイのチャーン・インターナショナル・サーキットで5月に開幕。GTWCアジア・ジャパンカップはその1カ月後、6月15~18日のGTWCA第2大会・富士スピードウェイで始まっている。ジャパンカップ開幕戦となった富士ではGT3とGT4による5クラス合わせて40台のエントリーを数え、相変わらずの盛況ぶりを見せていた。40台のうち半数の20台がジャパンカップ参戦車両で、国内開催される4ラウンド/8レースを戦うことになる。レースはドライバー2人で走るセミ耐久で、1大会で60分レースが2回開催される。

ちなみにGT4はGT3に続いてSROが生み出したカテゴリーで、GT3プロフェッショナル化・高価格化したことで、アマチュアの受け皿として注目を集めるようになった。

そのジャパンカップ開幕戦ではレース1でビンゴ・レーシングの9号車 コルベットC7 GT3-R(武井真司/飯田 章)が逆転優勝。Dステーション・レーシングの47号車 アストンマーティン・ヴァンテージAMR GT3(星野 敏/藤井誠暢)やポルシェセンター岡崎の18号ポルシェ911 GT3 R/992(永井宏明/上村優太)も上位を争うが、ピットタイム不足や接触のペナルティで後退してしまう。GT4クラスは、YZレーシング・ウィズBMWチーム・スタディの50号車 BMW M4 GT4 G82(加納政樹/織戸 学)が優勝を飾っている。

レース2は何度もセーフティカー(SC)が導入される荒れた展開に。残り20分となったところでホームストレートでクラッシュが発生した際には、SCに続いてピットロードを通過するようレースコントロールから指示が出されたが、無線のトラブルなどもあって多くのマシンがホームストレートを通過。トップチェッカーを受けたDステーション・レーシングの47号車 アストンマーティン・バンテージAMR GT3も7位に降着する荒れたレースとなった。GT4ではチェックショップ・ケイマニア・レーシングの718号ポルシェ・ケイマン718 GT4 RSクラブスポーツ(大塚直彦/小林翔)がクラス優勝を果たしている。

1カ月後に鈴鹿で開催されたジャパンカップ第2ラウンド(GTWCアジア第3ラウンド)のレース1では、チーム5ZIGENの500号車 ニッサGT-RニスモGT3(HIROBON/川端伸太朗)と18号ポルシェ911 GT3 R/992が2〜3位に入った。GT4クラスでは50号車 BMW M4 GT4 G82が富士に続く2勝目を挙げている。

GT3とGT4マシンで戦うワールドチャレンジアジアの後半戦を振り返る

レース2では予選上位を占めた海外チームが上位につける中、47号車 アストンマーティン・ヴァンテージAMR GT3が6位入賞。GT4クラスでは50号車 BMW M4 GT4 G82が連勝し、3勝目をマークしている。

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第6戦で優勝した37号車Craft-Bamboo RacingのメルセデスAMG GT3 EVO