フロリダパンサー

アメリカ・フロリダ州の住宅地に野生動物が紛れ込み、警察と専門家が出動した。『NBC』や『UPI』が伝えている。

 

■住宅地に野生動物

フロリダ州にあるゴルフ場「ボニータ・スプリングス・ナショナル・ゴルフ・アンド・カントリー・クラブ」近くの住宅地で、野生のピューマの亜種である「フロリダパンサー」が目撃された。

散歩中の地域住民が寝ている姿を見かけ、警察とフロリダ野生生物委員会(FWC)に通報。地元のボニータ・スプリングス地域警察が出動し、民家の階段の木陰で昼寝をしていたフロリダパンサーを包囲したという。

民家の玄関からわずか数メートル離れた場所ということもあり、危険性なども考慮したFWCの専門家が立ち会いのもと、フロリダパンサーは麻酔をかけられ捕獲された。

 

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■近隣住民は気付かず

猛獣が住宅街に紛れ込んだにも関わらず、地域住民にはそれほど混乱はなかったようだ。

フロリダパンサーが出没した現場の近くに住むアンジーさんは、「私の自宅の敷地内で眠っていました」「外に出て車道が犯罪現場のように物々しい雰囲気になっている状況を目にするまで、まさか我が家の玄関の隣にフロリダパンサーがいたなんて思ってもみませんでした」と、当時の状況を振り返った。

またもう一人の住民であるDJオウルさんは「突然近所の人たちと警察が、ドアを閉めて家の中に逃げ帰るように叫び始めたので、びっくりしました」「誰もドアの外で寝ている野生動物に出くわしたくないでしょ?」と語り、事故が起きなかったことに胸を撫で下ろした。

 

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■貴重な絶滅危惧種

フロリダパンサー絶滅危惧種に指定されており、野生動物の専門家によると、現在は200頭ほどしか生存していないそうだ。アメリカではフロリダパンサーに遭遇することは比較的稀だが、特にフロリダ南西部の田舎では目にすることがあるという。

なお捕獲されたフロリダパンサーは1歳半のメスで、体重は61ポンド(約27キロ)。捕獲後は、コークスクリュー地域生態系流域野生生物・環境保護区(CREW WEA)と呼ばれる近くの保護区域に放された。

このエリアは6万エーカー(約2428万平方メートル)以上の広さがあり、貴重な野生動物を保護している。

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■住宅街で捕獲されたフロリダパンサー

野生動物「フロリダパンサー」が住宅街に出没し警察出動 昼寝中に捕獲される