ミンミコ

昨年12月30日、31日に開催されたオタクの祭典「コミックマーケット103」(以下コミケ)。そのコスプレ広場で多くのカメラマンに囲まれたコスプレイヤーがいる。『ドラゴンクエストIV』女勇者のコスプレをしたミンミコ(@minmikoooooooo)さんだ。みんなに笑顔を振りまく陰で、彼女はコミケ当日大きな苦難に直面していて…。

 
画像をもっと見る

■ウィッグの再現に尽力

ミンミコ

緑色のパーマヘアに、手に持った剣と盾。モンスターと対峙しているかのよう、凛々しい表情でフラッシュを浴び続けたミンミコさん。ほぼすべてのパーツを手作りで製作しており、ウィッグのセットには3日間、武器や防具は2週間ほど時間をかけた。

アイロンでウィッグを巻いていたら、コントに出てくるアフロみたいになってしまい手直しに時間がかかりましたね(笑)。ウィッグの髪質もあって、巻きすぎると束になって固まってしまう。ふわっとボリューム感を出そうとすると今度はウィッグの地肌が見えてしまうという…。ギリギリのラインで調整を続けた物です」(ミンミコさん)。

 

関連記事:「密です」と記者に迫る“小池都知事” 家族に「コスプレばれ」して説教された過去が…

■盾は「笠」を活用

ミンミコ

根っからのドラクエシリーズファンとあり、衣装の端々からその愛が感じられる。今回は特に「盾」の自作にこだわった。

「長方形タイプはネットでも売っているのですが、女勇者の盾はドーム型。再現するため、時代劇などでよく見る竹製の『笠』を買い、その上に造形ボードや生地を貼り付け完成させました。裏面は笠のまんまなので見せられません…(笑)」と笑顔を見せる。

もろもろの衣装は連日徹夜状態で製作を進行させ、コミケ当日である30日早朝に完成。仮眠をとって向かったコスプレ会場ではそのクオリティ、ポージングに魅了された多くのメディア記者、アマチュアカメラマンが集まった。

 

関連記事:コミケ「コスプレ広場」にはびこる盗撮カメラマン、現場で腕をつかみ上げると…

■コミケ当日に火災…

ミンミコ

しかし、その裏側で悲劇が起きていた。コミケ当日の朝、大阪にある実家が近隣で起きた火災に巻き込まれ全焼したのだ。火元はミンミコさんの実家からすぐ近くにある住宅で、周辺十数棟に延焼。火元住宅に住んでいた男性1人が軽傷を負っている。

「盾を仕上げて寝ようと思ったら、母から電話。出てみると『火事で家が燃えている』と…。信じられませんでした。幸いにも住んでいた母、祖父ともに無事でしたが、ネット記事で見ると家の周辺がすべて燃えていて、今見ても涙が出そう。でも母は『帰ってきても邪魔になるだけ。こっちはうまくやっておくから、大好きなコミケに行ってきなさいね』と言ってくれたのです」(ミンミコさん)。

数年前から東京で一人暮らし中だが、「家がなくなるのはこれで2回目」とも明かす。

「うちはもともと自営業だったのですが、一時経営がうまくいかず、ある日家が抵当に入って無くなってしまったのです。それで祖父の家に引っ越し生活していましたが、今回の火事で…。現在、母、祖父とも知人の家にかくまってもらっていますが、母は『帰省するくらいなら、あんたは交通費分をしっかり貯めて自分の夢を叶えなさい』と応援してくれています」(ミンミコさん)。

 

関連記事:これぞ夏コミ…! コスプレ広場で人気誇ったセクシー&キュートな美女8人

■TikTokでブレイク中

ミンミコ

聞いているだけでも辛くなる体験だが、母の強い精神力と優しさ、そしてミンミコさんの前向きな姿勢が現在、家族を支えている。

TikTokでは約8万人ものファンを抱えており、コスプレの魅力を日々発信し続けながら、現在はイベント出演、撮影会やファンクラブ運営など、コスプレ活動だけで生計を立てられるように。また昨秋には人気YouTubeチャンネル「令和の虎」内のオーディション企画「芸能版TigerFunding」に出演し、強面の社長たちを相手にしっかり爪痕を残した。

「落ち込んでいてもしょうがない。前に進むだけです…! ドラクエ4の勇者も、家族や恋人を魔物に殺され、その復讐のために旅に出ます。その熱く強い心を私も持たなきゃと今は思っています。コスプレ活動を始めてまだ2~3年程度ですが、色々な出会いがあって人生が明るくなりました。2024年は、もっと活動の幅を広げて頑張っていきたい。皆さん、応援宜しくお願いします」と語る彼女に、更なる期待を寄せたい。

【コミケ】参加当日“悲劇”に見舞われた『DQ4』女勇者コスプレイヤー・ミンミコ、「今は前に進むだけ」