今冬にウィング陣の補強を目指しているレアル・ソシエダが、2選手に関心を寄せているようだ。14日、スペイン紙『ムンド・デポルティーボ』が報じている。

 13日に行われたアスレティック・ビルバオとの“バスクダービー”に1-2で敗れ、公式戦13試合ぶりの黒星を喫したレアル・ソシエダ。ただ実は、公式戦12試合の無敗のうち、半分にあたる直近6試合の成績は1勝5分で、この唯一の白星もコパ・デル・レイ(国王杯)で、現在3部リーグのマラガから挙げたもの。ラ・リーガチャンピオンズリーグでは、4試合未勝利だったのだ。また、今冬の大陸コンペティションに参加する各国代表に、DFアマリ・トラオレとMF久保建英、FWウマルサディクが選出された他、FWモハメド・アリチョーがニースへと完全移籍、DFアルバロ・オドリオソラが負傷するなど、戦線離脱者も続出する厳しい状況に立たされている。

 そんなレアル・ソシエダは、とりわけ“駒不足”が否めないウィングの補強に乗り出すようだ。『ムンド・デポルティーボ』によると、即戦力級で、可能な限りは来シーズン以降もチームに残るオプションを付けれることなど、一定の条件を設けており、その上で、トッテナムに所属するFWブライアン・ヒルと、ヴェローナに所属するFWシリル・ウンゴニエの2選手に関心を寄せている模様。しかし、「どちらも簡単ではなさそうだ」と指摘している。

 すでにコンタクトを取ったとされる前者は、レアル・ソシエダの移籍市場ではお馴染みになりつつあり、少なくともこれまでに2度の獲得を試みたクラシカルな左ウィング。ただ、今夏に実施した鼠蹊部の手術と、恥骨の負傷で出遅れたものの、直近4試合で出番を得ているB・ヒルは、これまでのような“ドライローン”は望んでいないという。トッテナム側も800万ユーロ(約13億円)前後からのオファーを受け入れる可能性があり、相思相愛だが、移籍金を支払う余裕がないセビージャを除くと、フィオレンティーナフェイエノールトなどが興味を持っているようだ。

 後者はベルギー出身の現在23歳。今夏に加入したヴェローナでは主戦場の右ウィングに加えて、トップでも起用されており、レアル・ソシエダで同様の役割を担っていたアリ・チョーの後釜として挙げられているという。ここまで公式戦21試合に出場し6得点4アシストを記録している同選手の移籍金については、一部で1200ユーロ(約19億円)にまで上昇すると報じられていたが、同紙はもっと安価に落ち着くだろうと見解を示している。

 第20節終了時点で、勝ち点32の6位だが、チャンピオンズリーグ(CL)圏内の4位とは9ポイント離されているレアル・ソシエダ。これ以上の後退はCL出場権獲得を困難ならしめるものとするが、今冬に新戦力を迎えることはできるのだろうか。

レアル・ソシエダが関心を寄せるウンゴニエ(左)とB・ヒル(右) [写真]=Getty Images