青木源太と足立梨花がパーソナリティをつとめ、暮らしに役立つ情報や気になるトピックを深掘りしていくTOKYO FMのラジオ番組「青木源太・足立梨花 Sunday Collection」(毎週日曜 7:30~7:55)。1月14日(日)の放送では、金融庁企画市場局 参事官の若原幸雄(わかはら・ゆきお)さんをお迎えして、「そのお金、取り戻せるかも! 振り込め詐欺救済法」をテーマに話を伺いました。


(左から)青木源太、若原幸雄さん、足立梨花



◆「振り込め詐欺救済法」最大のメリットは?

オレオレ詐欺や還付金詐欺など「振り込め詐欺」はいまだに後を絶ちません。新型コロナウイルス発生当初は、振り込め詐欺を含む特殊詐欺の認知件数が大幅に減少したものの、近年は再び増加傾向にあり、2022年の被害額は約370億円、2023年もこの額を上回る試算が出ています。なお、1件当たりの被害額は約220万円です。

そんな振り込め詐欺の被害に遭ってしまった方々のために、お金を取り戻すことができる法律が「振り込め詐欺救済法」です。若原さんは「万が一、被害にあったら、まずはすぐに警察と振込先の金融機関に連絡をしてください。そうすることで、法律に基づいて犯人の口座が凍結され、その口座からお金が動かせなくなります」と説明。さらには、振り込め詐欺救済法の最大のメリットとして、「犯人が特定できなくてもお金を取り戻せます」と声を大にします。

ただし、この振り込め詐欺救済法に基づいてお金を取り戻すには、振り込んでしまった口座に残金があることが前提になります。残金がなかった場合は、残念ながら、この法律の対象外となります。そのため、犯人がお金を引き出す前に一刻も早く口座を凍結できるよう、ただちに警察と振込先の金融機関に連絡することが重要です。

この「振り込め詐欺救済法」で返還されるお金のことを“被害回復分配金”と言い、この支払いを受けるためには、振込先の金融機関に所定の申請書を提出する必要があります。その際に、運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類、振込明細書など振込の事実を確認できる資料を提出します。

その後は、金融機関が必要な手続きをおこなってくれるので、犯人サイドの口座に残金があった場合は、被害者が被害回復分配金を受け取ることができるようになります。

なお、被害者に支払われる額については「振込先の口座が凍結されたときの残高が上限です。そのため、振り込んでしまった金額よりも残金が少ない場合には、被害額のうち一部のみが戻ってくることになります」と若原さん。また、被害者が複数いた場合には、口座に残っているお金を被害額の大きさに応じて分配することになります。

そして、「支払いの申請期間は約90日間となっていますので、忘れずに申請をお願いします」と強調。申請期間は凍結された口座ごとに決まっており、金融機関から被害者に個別に連絡がいきます。

◆「振り込め詐欺救済法」が適用されるケースとは?

昨今、詐欺の手口は非常に多く、かつ巧妙でさまざまなケースがあります。例えば、「家に人が訪ねてきたときに、キャッシュカードを持っていかれて、お金も引き出されてしまった」という詐欺の事例がありますが、若原さんは「(振り込め詐欺救済法は)犯罪に使われた口座に残っているお金を被害者にお返しするための法律ですので、事例のような(被害者自身の)キャッシュカードで現金が引き出されてしまったような犯罪は対象にならないため、裁判など別の方法が必要になります」と解説します。

なお、振り込め詐欺救済法に適用されるのは以下のような特殊詐欺です。

【適用される例】

・親族を装って金銭を振り込ませるオレオレ詐欺
・利用していないサイトの利用料を払うように迫り、金銭を振り込ませる架空請求詐欺」
・保証金を支払ったら融資が可能だとして金銭を騙し取る「融資保証金詐欺」
・医療費の還付が受けられるなどと騙してATMに誘導し、本人が気づかないうちに金銭を振り込ませる「還付金詐欺」

ほかにも、ヤミ金融や未公開株詐欺などの振込によって被害が発生した場合も対象となります。

最後に、若原さんは「振り込め詐欺の被害に遭ってしまった方は、慌てず冷静になって、まずは警察と振込先の金融機関に連絡をしてください。そうすれば、振り込んでしまったお金が戻ってくる可能性があります。泣き寝入りすることのないように、まずは行動を起こしてください」と呼びかけました。

足立は“振り込め詐欺の被害に遭ってしまった場合、まず警察と振込先の金融機関に連絡する”ということの大切さを痛感したと言い、「(口座に残金があれば)お金が戻ってくるかもしれないし、連絡が早ければ早いほど、いろいろなことが対処できると思う」と語ります。

一方、青木は2022年の振り込め詐欺の被害額が約370億円もあることに着目。「ここ数年、ラジオやテレビなどでも注意喚起がされていますが、それでも被害額が減っておらず、むしろ増えている。この現状をしっかりと意識していただきたいです」と話していました。


(左から)青木源太、足立梨花



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1月14日放送分より(radiko.jpのタイムフリー)
聴取期限 2024年1月22日(月) AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:青木源太・足立梨花 Sunday Collection
放送日時:毎週日曜 7:30~7:55
パーソナリティ:青木源太、足立梨花
番組Webサイト:https://www.tfm.co.jp/collection/
2022年“振り込め詐欺”の被害額「約370億円」…「お金」が取り戻せる可能性も!?「振り込め詐欺救済法」のポイントを解説