去る13日、14日は大学入学共通テスト。確かな手応えを感じた受験生も少なくないと思うが、当日はX（旧・ツイッター）上で阿鼻叫喚の投稿が多数浮上していた。

そんな中、都内のある大学キャンパス内に出現した「受験生へのアドバイス」に、多数のツッコミが寄せられていたのをご存知だろうか。

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■このアドバイス、思想が強すぎる…

今回注目したいのは「東京工業大学ロック研究会」Xアカウントが、12日深夜に投稿した1件のポスト。

こちらの投稿には大学校内で撮影したと思しき写真が添えられており、窓に貼られたビニールシートのような物体に「共通テストがんばれ」というエールが確認できる。

メガデス

なんとも微笑ましい光景だが…その下には「休み時間メガデス聴け」という、衝撃のアドバイスが続いていたのだった。

 

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■「思想が強い」とネット民驚愕

メガデス（Megadeth）はアメリカを、いや世界を代表するヘビーメタルバンドで、スラッシュメタルの雄としても知られる。

メガデス

その音楽性は決して、スラッシュメタルに多く見られるスピード一辺倒の「ゴリ押し」などではない。テクニカルなギターリフと複雑な曲展開が持ち味で、そのスタイルは正に「インテレクチュアル（知的な）スラッシュ」の名が相応しい、唯一無二のバンドなのだ。

フロントマンであるデイヴ・ムステインの独特な歌声が、ときに『ドラえもん』のスネ夫に聞こえるクセの強さもあるが、それだけに一度ハマったら非常に中毒性の高いバンドなのは間違いない。

メガデス

そうした背景もあり、前出のアドバイスに呼応するメタラー（メタルを愛好する人々）が続出。件のポストは投稿から数日で2,000件近くものリポストを叩き出し、他のXユーザーからは「思想が強い」「失敗した科目の後に聴いたら気分がリセットされそう」「メタリカじゃなくメガデスってところに、若さと知性を感じる」「メタルは精神集中に良いぞ」「これには大佐（ムステイン）もニッコリ」など、称賛と驚きの入り混じった声が多数寄せられていた。

 

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■それにしてもこのサークル、ノリノリである

話題のポスト投稿主・東京工業大学ロック研究会は、写真撮影の場所について「サークルの部室の窓です」と説明する。

続けて「自分達が受験生だった頃の共通テスト当日の気持ちを思い出し、少しでも励みになればと思い、休み時間にリラックスできる様な音楽を去年から勧めています」「元々恒例だったものではなかったのですが、去年実施したときの反響も（今年ほどでは無いにしろ）良かったため、せっかくなので今年もやろうという話になりました」と、詳細を語ってくれたのだ。

なお昨年は、メガデス（というかムステイン）と深い因縁があり、同じ「スラッシュメタル四天王」バンドのメタリカ（Metallica）を推薦していたと判明。

メタリカ

今回メガデスを選定した経緯について、研究会員からは「メタリカに続き、同じスラッシュ四天王であるメガデスを勧めるのは少しスラッシュメタルに傾倒し過ぎかな？ とは思いましたが、去年の来日公演を観て感じた『メガデスの音楽が持つパワー』を少しでも受験生が感じてくれたら、という願いでメガデスにしました。あとは単純にメガデスの音楽がどれもカッコイイからです（笑）」と、メタラーの鑑のような回答が得られた。やはり「工業」を修める人々は、メタルへの愛が常人より深いのだろう。

そんなメタルと受験生に対して重低音な愛情を隠さない「東京工業大学ロック研究会」は、2カ月に1回ほどのペースで大学内の講堂にてHR/HM（ハードロック、ヘビーメタル）をはじめとした多種多様なジャンルの音楽を演奏するバンドサークル。日頃は部室内で練習に励んでいる。

今回の取材に際し、同研究会員は「『工大祭』等の学祭での演奏は、一般の方も観に来やすいものとなっておりますので、メタル好きの方々にはぜひ足を運んでほしいです」と、フレンドリーなコメントを寄せてくれた。

早くも「来年のアドバイスにはスレイヤー（Slayer）が登場するのだろうか…」などと想像力が刺激されてしまうが、迷える受験生は目の前の試験に集中しよう。良質なメタルには豊富な栄養が含まれている（記者調べ）ため、勉強の合間のリフレッシュに最適だ。

個人的にはメガデスであればアルバム『Dystopia』を、メタリカであれば『Ride the Lightning』を勧めたい。

 

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■執筆者プロフィール

秋山はじめ：1989年生まれ。『Sirabee』編集部取材担当サブデスク。

新卒入社した三菱電機グループのIT企業で営業職を経験の後、ブラックすぎる編集プロダクションに入社。生と死の狭間で唯一無二のライティングスキルを会得し、退職後は未払い残業代に利息を乗せて回収に成功。以降はSirabee編集部にて、その企画力・機動力を活かして邁進中。

X（旧・ツイッター）を中心にSNSでバズった投稿に関する深掘り取材記事を、年間400件以上担当。ドン・キホーテ、ハードオフに対する造詣が深く、地元・埼玉（浦和）や、蒲田などのローカルネタにも精通。

無人島に1枚だけメタルのアルバムを持っていくならば、モーターヘッド（Motorhead）の『Ace of Spades』を選出すると言ってはばからない。

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